お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
senakaawase no kuchiduke
背中合わせのくちづけの最終巻。
この作品、ずっと攻めキャラのウィリアムがしかめ面をしていて、どのイラストを見ても、眉間にシワを寄せているイラストしかないという。
ものすごくこのキャラを現している表情なのですが、なんでこうも最初から最後までイライラして、我慢がきかず、強引なキャラなのかと思います。
お話自体はそんなに長くないのに短編形式だからかここまで来るのに3巻を費やし、命を狙われたりと心臓に悪い展開が続きます。
すごくもどかしく、くっついたり離れたり、愛してるから離れなきゃとか、愛してるから離れたくないとかを繰り返してぐるぐる同じところを回っている気がしました。
肝心のマフィアの抗争についてはなんだか片付けきってない気もするのですが、複雑になりすぎるよりはこのくらいでの巻く引きがいいのかも。
1巻のアロンとショーンが好きなので、できればもっと出してほしかったと思います。特にアロンは1巻以降、ほぼ出て来なかったので^^;
ショーンの過去についてのフォローももっとあればよかったのになあと思いました。
オーブリーを愛する前に離れなきゃ、と思っていたウィリアムですが、オーブリーを誰にも渡したくないと結論を出すや否やオーブリーを監禁して何度も何度も無理やり彼を犯します。
2巻に比べてかなり大胆な展開で、オーブリーはウィリアムに惹かれているのかわからなくて戸惑うのですが、ウィリアムの手を取るということに博愛主義で生きてきたオーブリーは戸惑います。
ウィリアムはそんなオーブリーの神父としての慈悲深さをわかっていて、何をしてもオーブリーがウィリアムを拒まないのは哀れな人間を救いたいという使命感だと思っています。
そんな2人はいつまで経っても本当の恋人にならず、見ていてほんとにもどかしかった。
でもこれは読む価値があるもどかしさだと思います。カップリングとさしては前のショーンとアロンのほうが好みだし、ストーリーも長くて暗くてはっきり書くと好みとは違いました。
でもこのカップルのなれそめと長いすれ違いと行き着く先は読んでよかったなあと思います。
そのくらいBLとしての良さを堪能し、奥深さを味わえました。
皆へ万遍ない愛をそそぐ神父であって欲しくない、自分だけ愛してほしいというウィリアムのワガママと、博愛を掲げてきたのにウィリアムだけが特別になりつつあることに戸惑うオーブリー。
なんだかオーブリーがいてウィリアムは生きられると言うのがぴったりな気がしました。生きるために必要な空気のような存在だという感じです。
後半の書き下ろしはその後、シカゴを去って暮らしはじめた二人のお話で、幸せな二人がやっと拝めるかと思っていたらそうでもなく…。
なぜにこうもうまくいかないのかなあと思います。
お互いがすごく好きなのに、お互いの愛を信じていない。
でもこの書下ろしを読み終えて、これでやっとほんとの恋人になれたのかなというお話でした。
オーブリーが犬をもらってくるのですが、散歩に行くというオーブリーに、例え犬でもデートしてほしくないというウィリアムの子供ぽい思考には笑えました。
そして綺麗で優しく何事にも腹を立てないと思っていたオーブリーの、実は嫉妬深く完璧ではないと落ち込む様子も面白かったです。