お買い得商品、セール品、中古品も随時開催中
yoru no himitsu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
昼は眠りにつき、夜にしか生きられない人ならざる者を描いた秘密シリーズの2作目。
こちらだけでも読めなくもないものの、前作のキャラクターが重要なポジションとして登場するので、やはり前作・月の秘密を読まれてからですとより楽しめるかなと思います。
前作は人外×人外でしたが、今作は刑事×刑事をベースに吸血鬼のエッセンスが入った変わりもの。
同胞愛やブロマンスのような雰囲気もほんのりありつつ、主人公の真城が抱えたどでかい片想い描写が熱い作品でした。
麻薬取引の現場を抑えるべく、恋心を抱いている相手であり、相棒でもある高瀬と共に待機していた真城の首を通り抜けていったのは一筋の弾丸。
満月に見守られながら血溜まりの中で死にゆく真城の前に現れたのは、暗闇の中でも美しい1人の若い男。
それが真城が人間として生きた最期の夜だった。
何者かに狙撃され、秘めていた相棒への恋情と志なかばで事切れそうなところを吸血鬼の巴に救われた真城。
吸血鬼として生まれ変わった真城の苦悩と高瀬への想い。自分を狙撃したのはいったい何者なのか?誰かが裏切っているのか?と、夜の住人になってしまった複雑な心情と向き合いながら警察内部・裏組織の謎に迫っていくお話。
こちらの作品、攻めも受けもノンケなのです。ただ、レビュー冒頭にも書いた通り同胞愛がかなり強くてですね…
真城は高瀬へ恋にも似ている大きな感情を抱いているのですが、まだ相棒としての好意なのか、恋愛感情としての好意なのかがはっきりとは分かっていない状態です。それが恋・愛だと自覚をするのが自分の死に際だったというのがなんとも辛い。
巴の血を貰い蘇るも、もう人ではなく吸血鬼の身。
この、人外であることが濃厚な片想い描写に効いてきます。
携帯電話には数え切れないほどの連絡がある上に、自分の部屋を訪れると憔悴しきった高瀬の姿が見える。相棒が血溜まりを残して消えたわけですから、それはもう気が気じゃないと思うんです。
愛しい相手がこれほどまでに自分を探してくれているというのに、ここに居るとは決して言えない切なさが広がります。
事件解明を目指して暗中飛躍する真城と奇しくも鉢合わせることになる高瀬。ここでも人外設定がもどかしくも切なく効いてくるのが上手い。
全編受け視点だというのに、攻め側の喜びと混乱混じりの感情が痛いほど伝わる、剛先生の心理描写の巧みさにため息が出ます。好きだなあ。
もう会わないつもりが再会してしまった2人。変わってしまった身体とは裏腹に変わらない想い。
2人の交わりそうで交わらないもどかしい気持ちと、事件と関わりのありそうな警察内部と事件の謎が複雑に絡み合っていきます。
正直、犯人の予想がついてしまい、その辺りは物足りないのですけれど…片想いにプラスして、人外設定という味付けをされた刑事の男2人の強い感情が非常に熱く切なくドラマチックに描かれた1冊でした。
前作を読んでいると脇を固めるキャラクターににやりとするうれしい場面もあり、何よりラストの締め方が好みど真ん中だったものでこちらの評価に。
アンソニーさんの素敵なキャラと締めの上手さに萌えにしようかと思ったのですが
主人公カプに萌えなかったので中立で
ヒーロー高瀬が人の話を聞かなすぎてなんだかイライラしました
アンソニー・巴陣営の方が魅力的です
シリーズものとは知らずに読みましたが、かえってそのほうが面白いかもと思った作品です。
ファンタジーなのにハードボイルドも楽しめるお得な内容です。
あらすじだけでは、まさか吸血鬼モノとは思わなかったけれど。
主人公しょっぱなから背後から殺害されてしまいます。
刑事として事件現場の張り込み中に襲われてしまうのです。
相棒に想いを告げたこともなかったけど死ぬまえに言えば良かった。
いろんなことが走馬灯のように思い出され・・・
また自分が襲われる状況に不審な点があり残り僅かな時間にも考える。
そこを通りがかりの吸血鬼に拾われるのです。
警察内部に裏切り者がいるかもしれない。
いまだ事件を追っている相棒に危険が迫ることを予想した主人公は、彼のために新しい生を受け入れます。
老いることがない身体、夜しか活動できないこと、血が必要不可欠であることなど様々な制約のある吸血鬼になっても愛する者のために選んだ道です。
しかし当然そんな身体になってはもう会うこともできません。
主人公は彼への思慕だけでなく吸血鬼としての苦悩をも味わうことになるのですが、悲壮感や切なさが伝わってきてこのあたりの描写はさすがしいら先生と言いたくなるほど。
しかし苦悩してるのは主人公だけではありません。
現場でおびただしい血痕を残してぱったり消えた同僚を、寝る間も惜しまず探し続ける男がいるわけです。
う~ん愛ですね!!
たとえそれが恋人に向けるものでなくても相棒や仲間にむける心配でも嬉しいと感じる主人公がまた切なくて。彼をどれだけ好きなのかがわかります。
もちろんそれだけでは話が進まないので、二人は再び再会します。
紹介したのは前半部分、この後中盤、後半がありますが、いろいろあるものですね~。
再会してからも一筋縄ではいかない展開が待っています。
死にかけの主人公を拾った吸血鬼もそれぞれに事情があるようなので機会があれば前作も読みたいですv
「月の秘密」の続編に当たる本です、単独でも楽しめますが「月の秘密」を知っていた方が尚楽しいということで「月の秘密」と一緒に読む事を強くお勧めしたいです。
裏切り者の凶弾に倒れ、なぜかすごく冷静な気持ちで「あぁ…自分はこのまま死ぬんだな…」と考えた後、ずっと想っていた相手に好きだと言う気持ちを伝えていなかった事に気づき後悔するという事はよくある事ですね?(無い無い!)
真城もそんな感じでした、せめて相棒の高瀬に気持ちを伝えたい、伝えるまでは死にたくないと、どんな姿になっても生きていたいと強く思う、勘の良い皆さんならもうお分かりですね?そう、そうなんですそこに現れたのが「月の秘密」に出てくる生り損ない吸血鬼の巴です、真城は巴の血によって吸血鬼として蘇ったのですね。
命を分け与えられ生き延びた事は嬉しいけれど、しかし今まで人間だったものが急に人外になってしまったの物だから、最初は中々受け入れられず戸惑いの方が大きい、それでも何とか自分が吸血鬼になったのだという事実を受け入れ事件を究明するべく翻弄する真城ですが、そこに高瀬が絡んでくる、突然居なくなった自分の事を心配し携帯電話に沢山のメッセージを残してくれていたりする、高瀬の事を想っている真城にしたらその気持ちは嬉しい反面苦しくもある。
想い人として相棒として、高瀬の身を案じる真城には高瀬に関わって欲しくないのですが高瀬は高瀬で真城が自分には何も教えてくれないで何かをやろうとしている事が水臭く感じてき気になって気になって仕方が無い訳です。
とうとう真実を打ち明ける決意をした真城は高瀬に自分が何者かに襲われて吸血鬼になった事を告げるものの、高瀬は現実主義者で真城が吸血鬼になったのだと言う事を信じてくれない。
真城は高瀬に恋愛感情をもっているから高瀬の事が心配でならないと言うのに対し、高瀬の方はどちらかと言うと相棒を助けたい一身で事件に取り組もうとしていると言う感じです、恋愛感情よりも同胞愛の方がつよいのかなぁ?
なので真城が気持ちをうちあけても突き放す事は無いのですが二人のお互いを想い合う気持ちに少し温度差があってそのあたりの微妙なすれ違いがじれったくて切ないです。
片方が吸血鬼になってしまった、しかも二人の仕事は刑事で大きな事件を追っていた…という設定から見ても物語がどういう結末を辿るか想像付いてしまうのが少しだけ残念な気もするのですが、とは言えそうなった後が私にはちょっと予想外でそれがまた切なかったりもしました。
これからもこの二人は恋人同士としてと言うよりも、強い絆でむすばれた同じ仕事を持つ相棒として、互いを守りながら生きて行くと言う方がぴったりなのかもしれません。
この二人に末永く幸あらんことを…。