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ouji no yume to kagi no ouhi
こちら、異世界トリップものです。
元々、妃川先生の書かれる、強気意地っぱり受けと言うのは大好きだったりします。
今回も、試し読みでの受けの強気っぷりに惚れ込みまして。
そう、表紙では儚く美しい彼ですが、実際にはかなり腕っぷしが強く、強気で意地っぱり、そしてちょっぴり口も悪いんですよ。
しかしこれがですね、読み進めるうちに、あまりの意地っぱりぶりに今度はイライラしてきちゃいまして・・・。
いつまでも「男となんて!」と言っておらず、いい加減観念せんか!!的に。
この受け、大変強気で男前な部分もありまして、完全に個人的な好みが大きいんですけど。
とりあえず、受けの好き嫌いで評価が分かれる気がします。
内容ですが、異世界トリップもので再会もの。
天涯孤独のリーマン・珪は、幼い頃から見知らぬ世界で大好きな少年と共に過ごす夢を見続けています。
そんなある日、帰宅途中で眩しい光から現れた黒髪碧眼の美青年・ヴィルフリートにより、異世界へと連れ去られてしまうー。
珪ですが、実はその世界で行方不明になっていた『鍵』と呼ばれる存在で、ヴィルフリートが次期国王となるために、二人は結ばれる必要があってー・・・と言うものです。
と、元々この世界で鍵として、ヴィルフリートと結婚の約束をしていた珪が、トラブルに巻き込まれた事により現代日本に飛ばされてしまう。
で、ずっと珪を探し続けていたヴィルフリートにより帰還。
そんな二人が、すれ違いなんかを経て結ばれ、王と王妃として玉座に即くまでが語られます。
で、ヴィルフリートがとてもいい男なんですよ。ちょっぴり寡黙で感情の起伏が分かりにくいけど。
珪を無理矢理にでも抱けば、彼は王になれる。
しかし、敵対勢力により珪が媚薬を盛られと、千載一遇のチャンスでも手を出そうとしない。
超痩せ我慢をしながら!!
何故なら、抱いて鍵にしてしまえば、珪は二度と元の世界に帰れなくなってしまうから。
そう彼は、愛情表現が下手な不器用攻めなんですよー!!
しかもしかも、王になりたいから珪を手に入れようとしたんじゃ無い。
珪を手に入れる為に、王になりたかった・・・!!
一途で不器用な年下攻めに萌えて仕方ないんですよね。
で、問題になるのが受けの珪。
超強気で腕っぷしも強く、とても男らしいのです。
が、先に書いたとおり、度が過ぎた意地っぱり。
珪は理屈では無く本能で、自身がこちらの世界に在るべき存在だと感じています。
そして、夢でずっとヴィルフリートを見ていて、彼に深層心理で惹かれてもいる。
が、ノンケとしての意識が強い彼は、なかなかヴィルフリートを受け入れ、抱かれる事が出来ない・・・。
ちょっと二人の仲が進展しそうになっても「俺は男だ・・・!!」とすぐ我に返っちゃう。
これをだいぶ長い事繰り返してましてね。
ヴィルフリートが一途な分、なんかイライラしてきちゃうんですよ。
男だからこそ、いい加減腹を括らんかい!!と。
これ、雑誌掲載である表題作に、書き下ろしの「王妃の愛と誓約の玉座」が収録されてます。
書き下ろしの方でも、まだわりとグダグダやってんですよね・・・。
受けがすぐに絆されれば、「ノンケなのにそんなすぐにくっつくか」と文句を言い、いつまでもグズグズやってれば「いい加減、観念しろよ」と怒り出す。
読者とは大変面倒くさい生き物で申し訳ないんですけど。
あれ、読者じゃなくて私か!!
しかし、ストーリーとしては大変好みですし、二人のエロシーンにもめちゃくちゃ萌えるんですよね。
珪の口の悪さがいい味出してて。
もう(挿れて)いいからと言う珪に対して、「まだだ、カイを傷付けたく無い」とヴィルフリート。すると「何気に(デカいと)自慢してんのか?」みたいな!!
あと、ヴィルフリートを挑発する珪が、男前な上に色っぽい・・・!!
負けず嫌いな受けはいいですな、と。
そんなワケで「萌」評価にさせてもらいます。
ただ、ホントに個人的な好みの問題なので、受けのキャラクターがお好きな方や、しっかり書かれた葛藤部分に萌える方も多いのでは無いでしょうか。
異世界トリップファンタジーといっても、今回は幼い頃に何かの原因でこちらの世界に飛ばされて来た受け・珪が元居た世界・グレーシュテルケに強引に連れ戻されるといった変則型だったりする。
自分の場合は、異世界トリップものは受け(主人公)に好意が持てるかどうかに左右されるようだが、この話では覚えていない故郷?でいきなり鍵だの妃だのと言われて反発する珪の反応こそが真っ当だろうと思ったので、これは期待できるかな?とは感じたのだが…
桂に関してはじゃじゃ馬娘みたいな活きの良さと、攻め・ヴィルフリートの事を簡単に認めたくないって意地を張る様子が良かった。
ヴィルフリートとは早々に結ばれる訳だが、どうも他の国王候補には王座を任せられねー、って消極的な理由で決意したっぽく感じたので、もうちょっと愛情が芽生えたとかほだされたっていうのを感じ取りたかったな…
話のメインは、前半は鍵を娶る国王候補の本命・ヴィルフリートと結ばれるまで。
後半は、正式に鍵として妃として国民に祝福される為の婚礼儀式を執り行うというのに、意地を張り続ける珪にヴィルフリートがどうするかってところまで。
城内を守る役割を担う規格外の大型犬や大型猫とのじゃれあい、もふもふも楽しめるよ。
ただ、異世界ファンタジーを読んでいる訳だから攻め受けの恋愛過程以外にも気になる点が幾つかあったのに、これらが分からないまま終わってしまって置いてけぼり感が半端ない。
ヴィルフリートと珪が離れてからもずっと同じ夢を見ていた事に他の伏線があるかと思っていたが特になかった。
そもそも、この世界での”鍵”ってのも単に国王の伴侶ってだけで、他に込められた役割があるかどうか分からない。
魔導士・シルヴィと騎士として側に仕えるエーリクについても、詳しい正体は謎のままだ。
何といっても一番知りたかったのは、元はグレーシュテルケ側の住人という設定だけに桂自身の出自に関する事柄だった。
何故彼が”鍵”として生まれたのか?
幼い頃はヴィルフリートとの間に身分差とかあったのか?など…
実の両親についても最後の数行に書かれているのみで、ここをもう少し読みたかったのに!!って部分が多々残って残念だった。
めっちゃ麗しい表紙に撃ち抜かれて購入。壱也先生の描かれた表紙の中で最も好き!青と白という色合いも最高。どんな話だろうとわくわくしていたら、思いのほか受けが武闘派でして、あらびっくりでした。「リンクスさんに掲載されたお話170Pほど+その続き80P弱+先生のあとがき」です。武闘派なのは良かったのですがちょっと淡々としていたかなあと思ったので中立にしました。
受けさんは、いつも同じ世界で同じ人が出てきて、夢見た夜と同じだけ時間が進むという不思議な夢を見ています。最初は愛らしかった美少年(黒髪碧眼)は幼馴染という感覚になり、会えるものなら会ってみたいと思っていたところ、ある夜会社帰りに通りがかった公園でまばゆい光の中から騎士服に長剣を携えた黒髪碧眼の男が現れ、あっさり異世界へ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
狼っぽい犬、ネコ科猛獣に近い猫、美形魔導士(でも年寄り)+そのお付きの騎士、受けさんを手に入れようと画策する方々少々。異世界は剣が主役っぽい中世ヨーロッパ風で受けさんは魔導士が暴走した結果飛ばされたらしいです。
**以下は攻め受けについて
関東空手チャンピョンだったらしく受けが強い。それは大好物だったのですが、攻めさんがそれを上回る器の方であってこそ萌える~と個人的には思うのです。攻めさんのスーパー感が今一つ伝わってこず、萌えられなかったです。
出てこられた美形魔導士も大好物路線だったのですが、添え物という感じで終わってしまって、至極残念。銀髪長髪美形かつ年齢不詳で、側についてる騎士とのお話ももう少しゆっくり読みたかったです。
なんかが足りないーという感じのまま終わってしまった1冊でした。
何を書きたかったのか良く分かりませんでした。
元々は異世界人だったカイ(珪)が日本に飛ばされて、記憶が無く施設の前にいて後に養父母に育てられます。養父母は良い人達でカイが成人した後に亡くなってます。普通にサラリーマンとして暮らしていると、異世界からヴィルフリートが現れて元の世界に連れ戻されるという大まかなお話でした。
記憶は無いけど異世界とヴィルフリートの事は夢で見てました。
冒頭のシーンから連れ戻される辺りまでは良いのです。カイの口調も行動も乱暴過ぎて30歳手前のサラリーマンとしてはどうなのと、読んでいて冷めてしまいました。
さらに鍵の役割も扉を開けるまでしかなく、ヴィルフリートの王としての活躍も殆ど書かれてません。
とてもとても中途半端な作品です。
カイが昔は彼女がいて自分はノーマルだと言い張るシーンが沢山あり興醒めでした。こんなステレオタイプの受けをよくもヴィルフリートは、忽然と消えてからも愛し続けたと思いました。
異世界グレーシュテルケ国も魔導士も中途半端過ぎて書き切れてないです。
素敵なのはイラストだけでした。