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「まるで、灼熱のキス。」の続編です。
一応、恋人同士になってからのその後の話なんですが、波乱万丈です。
いつもどこに遊んでいるのか木崎に聞かれて、連れていったクラブで他人に木崎が構われているのに嫉妬しちゃったり、高村の名前が出るだけでムッとしたりと、わかりやすすぎて可愛かったです。
柴賀の部屋は狭い設定で防音も効いているとは思えないので、最中が激しいので音とか声が周囲に聞こえているのではないか、お風呂の洗い場はそんなに広いのかと、細部が気になってしまいました。
受けの内部に異物をつっこんでのもがきぶりを、風呂場の隙間からじーっと見ているとか、今回は攻めのヘンタイ振りも明らかに。
ボクシングの試合に集中したいから、ほんのしばらく会わないようにしようという普通の言葉が、なんで伝わらないのかがわからなかったです。
自分を捨てると思われて木崎を監禁してしまったりが、今回あります。
孤独な生まれということに、柴賀は甘えすぎていると言うか、自分でどうにかしようという積極性が欠けていると思う。
木崎が寛容なので、どこまで受けいられるかを究極まで試し続けてしまう所があります。
壊してしまったら木崎を失ってしまって、試すことすら意味がないと言うのに。
人の愛し方がわからない柴賀が哀しくて、切ないです。
続編まで読んで、ようやく不器用な2人が愛しくなりました。
先に出ている「まるで、灼熱のキス。」のみだと、身勝手すぎる柴賀に思い入れを感じる事が出来なかったです。
前編と位置づければ、この話を読んでようやく完結する話だと思います。
とにかくツンツンで俺様で超執着心があって、激不器用な攻めです。
平凡がどれだけ愛しくて、どんなにその平凡さを柴賀が欲しかったのか。
柴賀にとって、木崎は平和と愛の象徴なのだと思います。
空の色
柴賀視点の話で、学生時代から木崎に初めて会うまで。
一目惚れしちゃうとか、なんという可愛い奴!
どこで木崎を好きになってどの辺に惚れているのかがいまいちわからなかったので、そこが明かされてよかったです。
この話を先に読んでいれば、ずいぶんと柴賀の印象も変わると思います。
エロ:★4 異物挿入、鬼畜めなH
総合:★4 不思議が解明されたのと、ようやくキャラの色が見えて物語に入り込めました。
前作ではキスするまでのじれったさがお話の肝でしたが
もう今回はしょっぱなからキスしまくり(笑)
でもそのかわり、マゾ気質がしっかり備わっている木崎は柴賀に優しく
されると逆に変な感じで居心地が悪い(笑)
思考回路が相も変わらずネガティブで女々しく、一人で悶々と悩んでます。
それに加えてたちが悪いのは柴賀の無自覚な子供っぽさ(笑)
彼の行動は、「すきな子をいじめる小学生」そのものにみえてしょうがないです。
育っていく過程でここまで柴賀に感情むきだしにさせる人間が
いなかったからなのか、全身全霊の力でぶつかってきてそれと同じ強さの
気持ちや行動を木崎に求める時の柴賀は間違いなく子供。
柴賀が求めることをできないと木崎がいえば、閉じ込めたり、反対に出て行った後は無視してみたり、何の罪もない選手をブチのめしてみたりとタチがわるすぎます(笑)
普通の人なら係わる前に逃げたくなるような柴賀をここまで好きだといえる
木崎はある意味大物なのかもしれません。
同時収録の「空の色」は、柴賀の独白。
柴賀のいままでがそりゃもうサクっと語られてますが重すぎます。
自分の痛みを、痛いと気づけず、人を痛めつけることですべてを解決してきた
柴賀にとって人を痛めつけるなんてことを考えもしない、世間知らずな木崎は
異質で、出会ったことのない人種だったんだろうな。
自分にないものを持ってる。だからこそ惹かれたんだよね。柴賀は木崎に。
最後にこの二人に向けて云いたい言葉。「このバカップルどもめ!」(笑)
前回で両想いというか付き合うところまでいったはずの柴賀と木崎。
けれど、展開的には今回の方がハードというか…。
一重に、柴賀の生い立ちが関係してはいるのですが。
それにしたって…。
でも、そんな柴賀が私は好きなんですが。
自分の中にある感情のぶつけ方を知らないというか、自分でも持て余している感じとか。
木崎に対する執着は見てると痛くなる部分もあるけど、ある意味、わかりやすくもあるように感じたり。
それが木崎にわからないのは、木崎が当事者ゆえなのか甘えなのか。
柴賀に流されるようにして溺れている木崎の弱さが、見方を変えると酷くも映るというか。
読んでいるうちに、だんだんどちらが本当はひどい人間なのかわからなくなってきたり。
ま、2人とも本当は弱くて脆いってところなんでしょうけれども。
最後の方の「隣りで笑いたい、いっそ泣きたい」という言葉がとても印象的でした。
あと、木崎の母親があんな人でよかった。
ああいう物言いの出来る人だからこそ、木崎のような幸福な子供が育ったのだろうな。