聖獣の血を引く若き帝と桃の神子の、もふもふ嫁取り物語!

銀狼帝と愛しき桃の花嫁

ginroutei to itoshiki momo no hanayome

銀狼帝と愛しき桃の花嫁
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神5
  • 萌×212
  • 萌7
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
6
得点
96
評価数
26
平均
3.8 / 5
神率
19.2%
著者
市川紗弓 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
カワイチハル 
媒体
小説
出版社
KADOKAWA
レーベル
角川ルビー文庫
発売日
価格
¥620(税抜)  
ISBN
9784041071731

あらすじ

拾われ子の那津は、親の形見の「種」の正体を知るために訪れた都で、巷を騒がせる黄泉の化け物に襲わてしまう。危ういところを銀狼に助けられるが、その狼こそ守護聖獣の力を宿した帝・晴祥だった! 晴祥から長年探し求めていた「運命の君」だと求婚されるが、那津には何の覚えもない。けれども引き止められ、身に余る贈り物で花嫁扱いされた那津は、戸惑いつつも次第に晴祥の優しさに惹かれるように。一方、黄泉の瘴気は日増しに強くなり、とうとう宮殿にまで化け物が現れ!?

表題作銀狼帝と愛しき桃の花嫁

29歳,守護聖獣の力を宿した生更国の帝
18歳,自身の出自の謎を探る旅に出た拾われ子

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数6

桃に宿る神秘の力

今回は国の守護聖獣でもある帝と
形見の種を鍵に出自を探す青年のお話です。

受様が国生みの木の再生を果たし、
攻様が運命の花嫁を伴侶とするまで。

受様は3つの時に林の中で拾われ
里の有力者一家の元で厄介なよそ者と
辛く当たられて育ちます。

里の中で受様が気を許せるのは
口減らしのため里の商家を
養い親として育った幼馴染と
お社の先生だけです。

その為受様は成人を迎えたら
発見時の着物に隠されていた
不思議な種を手掛かりに
自らの出自を探しに都に行く
決意をしていました。

受様を心配した幼馴染は
親の伝手で都に用事を作り
お社の先生の助力で都に行く
受様に同行すると言い出します。

というのもこの国の地下深くには
人の魂が行き着く黄泉国があり
生前の遺恨を引きずる者は
黄泉の王に操られた蛇魔になり
地上にも現れていたのです。

蛇魔は現れると
帝を総大将とする討伐隊が
対処をしてはいますが
最近は増え続けているらしく

古の聖獣を祖先に持ち
聖なる力で守られている都でも
危ないという噂がいるとか。

2人が辿り着いた都は
見るものすべてが輝いていて
里の風景とは何もかもが違います。

まずは先生の紹介の学問所にて
不思議な種の事を訊ねますが
芳しい答えは得られませんでした。

ならばとりあえずは腹ごしらえと
市へと向かった2人でしたが
市に三つ首の蛇魔が現れて暴れ

騒動に巻き込まれた受様は
穢れを受けそうになりますが
1匹の銀獣が現れて
黄泉の蛇を滅してくれます。

その銀獣こそ守護聖獣・真神の
力を宿す帝であり今回の攻様です♪

攻様は人姿では銀髪に立ち耳、
立派な尻尾をもつ美丈夫で
受様の名を訊くと真名を告げ
名で呼ぶようにと命じます。

攻様の言動に戸惑う受様でしたが
更に攻様は信じられない事を
言い出すのです。

どうか私と結婚して欲しい。
そなたこそが私が探していた
たったひとりの花嫁だ。

果たして受様を待ち受ける未来とは!?

自らの出自を探して都に出た受様が
国の守護聖獣である攻様とともに
自分の過去を探し、対峙し、
攻様との未来を掴むまでの物語です。

攻様は真神の力がなかなか顕現せず
東宮時代はいろいろと言わましたが
ある人物の手助けで力が覚醒し
銀獣として蛇魔退治にも
力を発揮できるようになります。

しかしその出会いは短く
攻様はその人を探し続けていた事は
多くの人の知るところです。

攻様は受様こそその人と
熱烈に求愛するのものの
受様には出会いの記憶はなく
口説かれる気も有りません。

贈り物をしても喜ばない受様に
国生みの桃の木のたつ神潤庭の
手伝いを頼んで城内に留めます。

桃の神子の一族と真神一族の関り、
国生みの桃の木の秘密、
受様のもつ不思議な種の秘密に

受様の幼馴染の思惑、
黄泉国の王の策略が絡まり合って

最後に2人が結ばれて
国生みの腿が再生されて
国中が祝賀ムードに包まれるまで
とても楽しく読ませて頂きました♪

一つ一つはバラバラなピースが
あるべき場所に収まる事で
憂いが全て取り除かれる展開は
ワクワク&ハラハラでしたし

その気のない受様を
上手に同衾させちゃう攻様なので
受様がほだされるまでも
惚れさせた後もめちゃ甘~い♡

攻様の尻尾をもふる受様も
ほのぼのしててすごく可愛い♡

最初に登場する受様の養父母の
受様に対する扱いは酷いですが

都に出てきてから出会う人は
悪役の黄泉国の王以外は
皆良い人ばかりなので
読みやすいかなと思います。

今回のもっふりな攻様繋がりで
月東湊さん『神子と神獣の守り人』は
いかがでしょうか。
受様もタイプが似てるかも (^_^)v

2

No Title

初読み市川紗弓先生。
大好きなケモ耳とカワイチハル先生の絵にひかれて。

お話自体はよくあるパターンではあるのですが、
細かい設定がなされていて飽きずに一気に読んでしまいました!面白かったです。
初っ端に再会を果たし、少しずつ種明かしされていく流れです。
誉が全く予想外でしたが…!!

那津の持っていた種がキーワードとなって、
文章が紡がれるのも素敵でした。
愛の種を植えて、とか幸せの種を蒔く、とか。

『駆け引き』と『様式美』のくだり、
最高でしたww


0

甘々な花嫁もの(*´▽`*)

こちら、和風ファンタジーです。
世界観だったりもなかなか面白いのですが、個人的にはその甘さに一番萌えました。
受けにとにかく激甘な攻めがお好きな方、おすすめですよ。




内容です。
冷遇されて育った、拾われ子である那津。
18才での成人を機に、親の形見である「種」の謎を探るべく都に旅立ちます。
たどり着いて早々、黄泉の化け物・蛇魔に襲われる那津。
そんな彼を救ったのは、守護聖獣の銀狼。生更国の帝である晴祥の別の姿です。
那津は彼から、「運命の君」だと熱烈に口説かれ-・・・と言うものです。


こちら、架空の和風っぽい国を舞台としたファンタジーです。
設定がなかなか作り込まれてまして、国を支える神木「国生みの桃の木」や、強い神通力を持つ「桃の神子の一族」。
そして生更国を狙う黄泉の王に、記憶も無く森で拾われた那津の出生の謎。
15年前、突如守護聖獣の力に目覚めた晴祥が強く思い続ける「運命の君」と、ホント盛り沢山になってるんですね。

で、前半はこの設定を丁寧に消化しつつ、同時進行で二人の出会いから徐々に距離が縮む様と語られます。
ここまではいいのですが、後半からがちょっと慌ただしくて。
よく言えば衝撃の展開の連続で、悪く言えば駆け足てトコでしょうか。設定を消化する事が最優先て感じで、もうちょっとページ数を増やして丁寧に運ぶか、設定自体をもう少しシンプルにした方がいいんじゃ無いかと言った感想を持ちます。
あと、黄泉の王の設定に、若干の矛盾点があったり。

と、ちょぴり引っかかる部分はあるのですが、それを差し引いても二人の恋愛部分がいいんですね~。
なんと言っても晴祥の、那津への激甘ぶりが良い!!
出会い時は銀狼姿でワンコよろしく甘えてなつき、その後は帝としてひたすら甘く花嫁扱い。大量の贈り物をして、夜になれば「私の尻尾を抱いて眠るがよい」と添い寝。
朝目覚めれば「素敵な朝だ。そなたがひときわ眩しい」とかまし、那津が贈ったお菓子を食べれば「そうか、那津はそのお菓子が好きか!!」と尻尾をブンブン振ると言った按配で。
いや~、ここまでてらいなく受けを甘やかしまくる攻めて貴重。

また、そんな晴祥に対して、あくまで控え目。分をわきまえた態度を崩さない那津がいいんですね。
こう、受けを好きすぎる攻めがベタベタに甘やかし、受けが徐々に心を許して親密な空気になって行くのが萌えるのです。那津の感情の変化もとても自然ですし。
甘い! ひたすら甘い・・・!!
ホント、こうゆうカップルて、個人的にめちゃくちゃツボなのです。

と、ストーリー自体の仕上がりは詰め込み過ぎ感があるのですが、とにかく二人のラブの部分が萌えまくりました。
個人的に、ストーリーの仕上がりがイマイチでも、ラブがしっかり書かれてるとそれだけで評価を高くしたくなる。

あとは晴祥から、「運命の」てだけでは無く、現在の那津のこれこれこう言う部分に惹かれたみたいなのが語られるともっと良かったのですが。ここが若干残念なので「萌」です。
ただ、ホント二人のやりとりだけでめちゃくちゃ萌えさせてもらえました。
周囲も皆いい人と、とても和やかなのも良かったです。
甘々な花嫁ものがお好きな方、ぜひチェックしてみて下さい。

3

頑張る帝

絶対、対象年齢外と思いつつ、カワイチハル先生の挿絵が見たくて購入。案の定、対象外だったように思いますw。痛くなく、そんなにどろどろしくもなく、最後はとろんとろんに甘ーく感じたお話で、最後の甘さがいいかも と思ったので萌 です。自分としての最大のポイントは尻尾♡でした。帯を取れるようなら、取って直接表紙をご覧ください。帯の下にミンクに見紛うほどご立派な「ふっさふっさ」しっぽがございます!素晴らしい。受けさんもご愛用なさってます。本編のみ230Pほど+先生のあとがき。

お話は、那津が養い親の元を離れ都に向かうところから始まります。自分の出自の手掛かりになるかもしれない「種」が何なのかを調べに、都に行ったのですが、都の市で突然、黄泉の化け物の蛇魔に襲われそうになります。その時、目の前に銀色の獣が現れ・・・とお話は続きます。

攻め受け以外の登場人物は
駒智(猫なんだけどものしりな博士)、帝の側仕え(♂)、那津の幼馴染(♂)ぐらいかな。


*********以下は内容に触れる感想

帝がねー頑張るんですよ。最初っから、「この子だ!」って分かってたらしいのですが、そんなことはおくびにも出さず、「城に居る理由がない」という那津になんだかんだ言って城にとどめるようにして、添い寝するようにして・・・w。
だからうまくいった後は激アマ。ヒネたところなんて髪の毛一筋も無い二人で、まあお幸せそうなことでございます。
BL的萌えは↑の通り良かったのですが、それより惹かれたのは耳。肉厚なもっふり耳を、最後に那津が甘カミしてます。いいなあーーーーー耳。しっぽといい耳といい、チハル先生、すんごく力入れて描いてくださったんじゃないかなあ。もうモッフモフでミンクのような手触りが見て取れる素敵な挿絵で、可愛らしいお話でした。

0

平安調もふもふ奇譚

平安調もふもふ奇譚な感じで楽しめました!
甘々でとっても可愛いお話です。

銀狼帝・晴祥と那津とがゆっくり気持ちを近づけ愛情を育んでいく様にほっこりです。
そして、以外にむっつりな晴祥。那津のために房中術で秘儀極めてるのには笑いました。

猫人駒智の存在にも癒されます。
桃が食べたくなりました。

誉の存在は少し悲しかったです。
那津に対しての感情は特に記載されていないのですが、幼馴染として長年一緒にいて親しくしていたのは決して機会をうかがっていたり、素直さに裏でほくそ笑んでいるという邪悪な感情だけではなかったとも思うのですが・・・。
最初は全く気付かなかったけど、途中から色々怪しい行動があったので疑ってはいましたが、まさか・・・と。

0

平安時代風ファンタジー



平安時代の日本のような生更国が舞台のファンタジーです。
生更国は国生みの桃の木を中心にしている国で、狼と桃の精との間に生まれた人狼が最初の帝で、代々地下にある黄泉国から人間を襲う蛇魔の脅威と闘う最前線に立っているという世界です。

本編は受け視点。
都から遠く離れた村で成人した拾われ子の那津(受け)は両親から渡された唯一の形見の品である不思議な種を調べるため、幼馴染の誉を伴って都へ旅立ちます。
都についてすぐ、紹介された高名な学者先生のところを訪ねるのですが、やはり種の正体はわかりません。そんな時、蛇魔が現れ間一髪で警ら中の現帝・晴祥(攻め)でした。晴祥は那津を見るなり「結婚してほしい」と言い出すのです。

15年前林の中で拾われた那津はほとんど両親の記憶のないまま、養い親とその息子たちに辛く当たられてきました。やっと成人し、自分のルーツを知るべく都へと旅立ちます。
都で早々に蛇魔に襲われた那津を助けてくれたのが晴祥で、いきなり求婚され驚きます。晴祥がいう証拠の品を持っていない那津は人違いだと早々にわかり晴祥のもとを辞そうとするのですが、高名な植物学者が宮城にいるとに勧められ、種のことを詳しく知りたい那津は晴祥に宮城で仕事を貰い、とどまることにするのです。

晴祥は現帝で15年前に出会った運命の人をずっと待っていました。
那津に出会い、那津がその運命の人だと確信するのですが、証拠となるものを持っていません。側近の策寛には早々に人違いだと断定され宮城から追い出されようとする那津が自分の感覚が絶対に那津が運命の人に違いないといっているので、なんとか宮城に留めおこうとします。畑仕事をしていたという那津に桃の御神木のある神潤庭の世話人の一人として仕事を与え、何かというと甘やかすのです。

全体的に甘々な話だったと思います。
ただ、那津の生い立ちはとても気の毒で、養い家族たちは憎しみを感じるほどでした。できれば反省するエピソードがあったらちょっとは留飲がさがったのですが、彼らは最初にちょっと出てきただけでしたのでちょっ
ともやっとしました。
辛い子供時代を過ごしたため甘やかされることに慣れておらず、晴祥が甘やかすのに戸惑い、泣きそうになるのが切ないです。
晴祥に甘やかされているうちに、自分が本当に運命の人だったらいいのにと思うようになるのです。

那津の出自と寿命が尽きようとしている桃の木をどうやって助けるのかということが一番の謎としながらも一生懸命神木の桃の木の世話をする那津に好感を持ちます。那津の出自が分かった時点でこの二つは解決するのですが、1番驚いたのは今まで辛い立場だった那津を慰める立場にいた幼馴染の誉の目的でした。驚いたと同時に目的を果たしたかったのなら都を出る前にできただろうに何故行動しなかったのかと疑問にも思いました。

最終的に晴祥の主張と那津の認識の齟齬もかみ合うのですが、これにもちょっと疑問が残りました。
晴祥が証拠の品を持っていなくても那津のことを本物だと考える気持ちはわかるのですが、策寛がそれに対して異を唱えながらも那津を宮城に留めることを反対しなかったのはなぜだったのか。
証拠の品というのも、そんなに高価なものであれば悪い大人に見つかっていれば横取りされていたかもしれないし、何故絶対に持っているはずだと思ったのか不思議でした。
ただ、神の力のなせる業かとても不思議な体験を通して二人が愛をはぐくむのはとても良かったと思います。


電子特典SS「銀狼帝の密かなる決意」晴祥視点。
結婚して、子どもの頃の辛い生活のせいで甘えるのが苦手な那津を全力で甘やかす決意する晴祥。
そんな中、公務で那津だけ南の村へと泊りがけで出かけて行き、3日で寂しくて仕方なくなって側近の策寛に愚痴る晴祥とあきれる策寛。
やっと帰ってきた那津を早速甘やかそうとするのですが、普段甘えない那津が
「寂しかったです」と言ってくれ、有頂天になった晴祥は早速押し倒してしまうのです。本編では心の広い帝だったのにちょっと残念な夫になった晴祥が楽しくてにやにやしました。


あとがきで作者様が二人の間にできるお子について妄想されていましたが、せっかくなので妄想で終わらせずSSとかで読みたいです。

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