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私から離れることは許さない
竜族と人間が共存する世界。この世界の頂点は竜族で人間の上に君臨しています。
竜族は繁殖力が非常に低い上、女性が生まれなくなって久しく、絶滅の危機に瀕しています。現在は竜の因子を持つ人間が男女問わず竜族の伴侶として選ばれています。
旅芸人一座のリアム(受け)は3年に一度行われる竜王の花嫁選びに招集され王城にある「花嫁の庭」を訪れます。たくさんの花嫁候補がいる中、自分が選ばれるわけがないと思
いのんびりしていたリアムは突然竜王・アリスター(攻め)が目の前に現れ驚きます。
翌日の謁見で竜王はリアムを花嫁に選ぶと宣言して二度びっくり。自分にそんな大役が務まるわけがないと固辞するリアムですが、何物にも支配されない竜王は話を聞かず、ひと月後の婚姻が決まってしまいます。それでも、花嫁になる決意ができないリアムを竜王は甘やかすのです。
リアムは旅芸人一座の両親から生まれましたが、役者としての才能がなく、葛藤した結果器用な指先を武器に衣装作りなど裏方の仕事をこなしています。
竜族の子供が産める印・竜の因子(身体のどこかにある3本の爪痕の痣)をもって生まれたため、17歳になった今年、竜王の花嫁を選ぶ会へと招集されるのです。
小柄で可愛らしい容姿ですが、竜族は容姿に優れており、その伴侶も美しい人ばかりなので自分が選ばれるとは露とも思っていません。ひと月という期間拘束されるのでその間、普段入れない場所を観察してこれからの衣装作りに役立てようと思っていました。まだ見たことのない竜王を想像してイラストを描いているとアリスターに声を掛けられるのです。
次の日の謁見で竜王に花嫁にと宣言されるのですが、自分が役者になれなかったことがリアムのコンプレックスになっており、竜王
にふさわしくないと求婚に素直に了承できません。
が、食いしん坊のリアムは竜王のもとに集められる質の良い食材によるおいしい食事やデザートに釣られ、またずっとそばを離れずに甘やかしてくれる竜王に完全拒絶ができなくて困るのです。
竜王は100歳を超える黒竜です。黒竜は他の水竜・火竜・氷竜などの要素をすべて持つ特別な存在で、繁殖能力の低い竜の中においてダントツの繁殖力を持っています。そのため、早くから伴侶を選ぶよう求められるのですが、自分自身ではなく竜王の花嫁になる特権にばかり求められることにうんざりしてなかなか伴侶を決めることができません。毎日頭痛に悩まされ、苦しんでいたのですが、竜王の花嫁になることにがつがつしておらず、楽しそうにしているリアムを傍におくと頭
痛も治まり癒されるのです。
花嫁になることを嫌がるリアムを見ても花嫁にすることをやめようとはしませんが、本当にリアムが嫌がることはせず、甘やかしてその気にさせようとします。
初めから伴侶として選ばれ、周りの竜族も大歓迎で竜族は卵生で男女問わず子供が産めるため男同士という葛藤もなく何の障害もないように見えたのですが、唯一の障害が竜王の伴侶になると得られる特権(長命な竜王と同じ寿命と強い身体・富と権力)に群がる肉食系女子。
今回は竜族そのものの危機もはらんだ大事件でした。それにより、花嫁になり竜王の卵を産む決意のできないリアムも、この事件でアリスターが自分にとってどれだけ大切になっているかということに気づくのです。
アリスターのお世話係のローランドの献身もあり、無事事件も解決し、想いが通じ合った二人はやっと結ばれるのです。
長かったけど、二人の気持ちが同じくらいになって本当に良かったです。
「奇跡の花嫁になった日」
二人が結婚して10年。3人目の出産を終えたばかりのリアム。
繁殖が一番の仕事なので二人でのんびり子育てしてすごす竜王夫婦。104人の竜族に8人の仔竜しか生まれていない竜族にしては出産人数として、すでに伝説の花嫁の仲間入りも目前のリアムですが、それに加えて長年の竜族の希望だった緑竜の誕生に違う意味で奇跡の花嫁になったリアムの話でした。
人間であるリアムにはわからない、今までの竜族の懸念への一筋の光となったリアムの産んだ仔竜。
感動しきりのローランドの感謝の言葉がきっとすべての竜族全体の言葉だったんじゃないかと思いました。竜族にとって千年ぶりの緑竜の誕生は大事件として大騒ぎになったのは想像に難くないです。
幸せで甘々な二人を堪能できましたが、気になるところといえばリアムの両親に出番がほとんどなかったことでしょうか。竜王の結婚式という名誉な舞台での出演機会を得ましたが、リアムに両親や一座の仲間とちょっと会話させてあげてほしかったな。両親たちもそのまま嫁に行ってしまうなんて夢にも思っていなかったと思うので。
後、アリスターがリアムが傍にいると頭痛が治ることに特に理由が無かったのも気になりました。長らく続いていて夜中に目が覚めるほど酷いものが、そんな気分であっさり治るものなんでしょうか。何か他に理由があったら良かったと思いました。
それと、竜の因子というものの説明も欲しかったです。3本の爪痕のような痣が目印ということですが、誰にでもあるものでないだけに、その痣はなぜできるのかちょっと気になりました。
疲れている時は特に甘い本を読みたいと思うのですが、若月さんの話はこういう時にぴったりです。今回も極甘でした。
若月先生の相変わらずの会話メインのストーリー進行かなと、途中でウンザリしかけましたが何とか大丈夫でした。最初はリアムの話し方がバカっぽくて(やたらと語尾を伸ばしたりとか)、アリスターとのやり取りにも知性を感じられずに、何でリアムに惹かれるのかが分かりませんでした。なのでアリスターもせっかくの魅力的な設定なのに台無しでした。仔竜の可愛さだけで萌の評価です。
違う作品の感想にも書いた事がありますが、若月先生は登場人物にベラベラ喋らせて読者に伝えるストーリー進行の手法は直した方がいいです。生意気ですいません。担当者さんは何をしてるんでしょう。
ペーパー付で新刊コーナーに並んでいたので、初めましての先生でしたが購入。発売が遅れていたのかな?会話が中心になっていて、あまり小説を読まないという方にも読みやすいと感じるのではないかと思いました。長命で頑強だが繁殖力が弱い竜族と人間が共存する世界の、頭痛持ちの竜王様と17歳旅芸人のお話です。竜王に言い寄る女子が出てきますので一応お知らせ。好きじゃない箇所は無かったですが好き♡と思う箇所も弱かったので中立です、すいません。本編200Pほど+10年後のお話20P弱+先生のあとがき+明神先生のあとがき(二人のラブラブ図)です。
お話は「竜王とのお見合い大会」(勝手に命名)に召集されたリアム(♂)が、家族に見送られて出かけるシーンから始まります。竜族の女性がいなくなってしまった事、「卵生」である事から、男女を問わず、「竜族の因子を持つ人間」を竜族たちは娶っています。100年以上生きている竜王はまだ花嫁を娶ったことがなく、「花嫁たちの庭」と呼ばれる場所に召集された花嫁候補の中から花嫁を探してもらいたいのですが・・とお話は続きます。
攻め受け以外の登場人物は、竜王様の側近等、竜少々、竜族の妻(人間)。舞台はほぼ王宮で、ガス、電気はなさそう。(お湯は火竜が湧かすので簡単らしい。竜族、便利)食生活は王宮だから、超豊か。移動も竜で飛んじゃう、やはり便利。万能。
*****以下 より内容に触れる感想
リアムが良く食べる、まっすぐな良い子で、何十年と続いていた竜王様の頭痛をなぜか癒せてしまう。慢性頭痛持ちとしては至極羨ましい限り。二人でいると竜王様もリラックス(眉間のしわが消えるw)、リアムも衣食住で満たされて(笑)本当に幸せそうで、途中危ない目にあいつつ、めでたしめでたしなお話。リアムの方は旅芸人一座の両親から生まれたので、王宮の衣食住全てにふわふわ満たされるのは分かったのですが、竜王様のスーパー感が今一つ分からずでした。竜として凄いのは分かるのですが、国を治める方なので人間に対する施政方針というか、民への思いやり等をもう少し表していただけると、「おお、王様格好いい!」とより思えたんじゃないかと思った次第です。
10年後のお話では、3人目?となる卵から出てきたのがなーんとなーんと!というお話で、ここはスペシャル幸せ感満載でした!のでお楽しみに。