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retsujo rensa
前半の話から後半の話へと入っていくと、どんどん前半での話が…そうだったのか!と変わっていくんです!本当に面白かった!!最後の2行まで幸せになれますよ(笑)♡
2018年刊。
下町の商店街で祖父より引き継いだ万華鏡店を経営している佳月(受け)。
抗争マンション建設に向けて周囲の商店が次々と閉店していく中でも頑なに立ち退きを拒み続けていて、開発元の責任者である花菱(攻め)から身体を差し出す事を交換条件にマンション建設を中止してもいいと言われた取引も拒絶していた。
しかし、万華鏡教室の経営を妨害されたり脅しと分かる嫌がらせを受けて、店を存続するには花菱の要求を受け入れるしか方法がないように追い込まれてしまったのだった。
身体を差し出すって経緯から始まったエッチシーンは、道具を使ったり言葉責めがあったりと、花菱のSっ気気質が滲み出るような描写だった。
無理矢理抱いたかと思えば事後は優しかったりするので、脅されているはずの佳月も絆されてしまう。
ただ、読んでいると気になる点が幾つか出てくる。
華菱が高層マンション建設に関わる責任者でありながら、自身の一存で中止にできるなんて公私混合発言は普通有り得ない。
佳月が事故に遭ったせいで周囲に馴染めなくなり、高校を高校を中退せざるを得なくなったという過去も気になった。
中でも一番引っ掛かったのは、場所を変えても祖父の店を残していけるはずなのに、何故昔から住んでいる場所に拘っているのかってところだ。
それらの疑問は中盤まで読み進めていくと明らかになっていき、同時に花菱の過去も明らかになっていくと、彼に抱いていたイメージも切ないものへと変わっていく。
佳月も31歳という年齢の割におぼこい印象が引っ掛かったが、その点も納得がいった。
マンション建設の計画はどうなったかって結果は、話の中に含まれている幾つかの疑問と一緒に手堅くまとまってはいるが、上手く行きすぎだねと感じるところは否めないかな。
佳月の友人・史隆の存在も当て馬ではなく、二人を結び付けるような理解者って位置付けに留まっている。
作者の釘宮さんは受けが窮地に追い込まれるってシチュエ―チョンが好きみたいだが、ハッピーエンド前提で進んでいく話の展開なので、安心して読める点は保証できる。
悪徳不動産会社の手の混んだやり口にゾっとし、主人公佳月の頑固さとチョロさに不安になり…。
佳月がいいなと思っていた教室のイケメンリーマン生徒花菱がなんと!
店を売りたくなければ身体を自由にさせろと、いつの時代?みたいな脅迫に従う佳月でしたが、まさかこんなに酷い目にあうなんて!冷酷な花菱、ですが毎日メールしたりしょっちゅう店に顔を出したり、佳月の身体を心配したり…。なんだか嫉妬したり拗ねたりあれれ?で。
なんかおかしいな。何かもっと事情があるのかな?と思っていたら後半の数十ページで怒涛の展開があります。え!そうだったの?
これはみんな辛かったね。恋しくて忘れられたと思ったら憎くて。出会ったときからずっと花菱は…。唯一あのお店に帰ることだけを頼りに耐えて生きてきたんですね。
佳月もそんなに傷ついて…。
真相を知った花菱はまるで別人で。愛を乞う年下の甘えん坊さんで。
まさかお互いそんな事情があったとはとびっくりしましたが、ずっと思い続けていてやっと本当の意味で再会できて良かったです。
どうか花菱はS加減をほどほどにしてあげてね。ほのぼの下町商店街暮らしになるといいですね。