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暴れん坊な化け猫×お人好しの商人+子猫の、もふもふ和風ファンタジー!
bakenekosama to koi no hanamichi
可愛らしい表紙でふわわんとした感じのお話かと思いきや!
まぁ色々複雑な設定が出てきてよく作り込まれてるなぁと。
九曜が化け猫になった理由、九曜の探し物、九曜とおこげの関係。
以下私の好きだったポイントです。
・護符の正体はやっぱり…の展開w
・九曜の発言には吹き出す箇所多数。板のような平たい魚
・弥紘のピンチにはもれなく駆け付ける九曜、最高!
・買い物帰りにおこげを抱っこする九曜、最高!
・自分も大好物のらっきょう漬けをおこげにあげちゃう九曜、最高!
弥紘の生まれは悲しいけれど、素敵な伴侶が見つかってよかったよかった♡
ハートウォーミングな一冊。
今回は倒した大化け猫の呪いを受けた異界人と
豪商の妾腹で生まれた青年のお話です。
妖猫の砕かれた宝玉の一つ目を見つけるまでと
攻様視点で本編の幕間的SSを収録。
受様は横濱の豪商の三男ですが
当時若旦那だった父親が
女中に手を付けてできた子で
継母ばかりか父にも疎まれて育ちます。
それでも優しい祖母には愛されて育ち
祖母と父亡き後は若旦那の義兄が営む
駒菊屋で働き始め
いつか祖父のように行商を始めたいと
夢みています。
そんな受様の最近の気がかりは
商家を狙った強盗殺人事件が
たて手続きに起こっている事です。
犯人の手がかりが全く掴めず
新聞の記事でも物の怪のしわざを疑う
怪事件の形相を帯びてきて
駒菊屋も狙われるやもしれません。
そんな日々のある夜、
受様は自宅の庭に迷い込んだ
弱った黒猫を助けます。
蛋白石のような瞳を持ちながら
鳴けない仔猫を不思議に思いながら
受様は「おこげ」と名付けます。
するとその直後、
全身毛むくじゃらで尖った耳と
大蛇にも見える二又の長い尾をもつ
強大な妖猫が現れ出でて
受様に黒猫を渡せと迫ります。
その化け猫こそ今回の攻様になります。
攻様は故あって
物の怪の姿になる呪詛を受けて
異界からやってきたと言い
解呪のためにはおこげが必要だから
渡せと言います。
受様が仔猫と思ったおこげも
攻様のいた異界の妖猫だったのです。
受様はおこげを守ると決めますが
攻様とおこげには因縁がある上に
攻様やおこげを狙って
この世の物の怪まで襲ってきて!?
大正時代の横濱を舞台に
異世界からきた攻様とおこげと物の怪と
商家の連続強盗殺人事件が絡まった
けもみみファンタジーです♪
カバーイラストから
「けもみみ」で「もふもふ」で
ラブリーな展開を予想していたのですが
全くちがいました (^-^;
受様も攻様も過去はけっこう悲惨です。
でも自分の今や過去から目をそむけず
自分の正義を曲げずに進んでいて
自分の意に反して行動するという
悲壮な感じも受けませんし
攻様が物の怪よけの護符だと
受様に精液を射精したり
受様に口淫したりする
妖力補充の鉄板ネタあり、
おこげが受様になついていくと
人間に変化できるようになって
ひらがなで会話するとか
和みなシーンもチラチラ盛り込み、
攻様とおこげの因縁を知り
横濱の怪事件の謎が解け
受様が故郷を巣立つまで
とても楽しく読めました♪
おこげの欠片はまだまだあるので
もっと続きが読みたいな (^○^)/
今回は攻様が異界からやってくるお話で
成瀬かのさん『獣の理』をご紹介作とします。
こちらの攻様はもふもふ狼です。
大正時代の横濱を舞台とした和風ファンタジーになります。
鴇先生らしい、妖とごくごく普通の青年の恋愛譚。
大正浪漫を感じさせる雰囲気たっぷりの文章が、どこかノスタルジックで作品をより魅力的に感じさせてくれました。
内容です。
出自ゆえに冷遇される、豪商・御池家の三男坊・弥紘。
一人暮らす祖母から譲り受けた家に、黒猫が迷い込んで来ます。
迷い込んで来た黒猫に「おこげ」と名付け面倒を見ますが、夜が更けると「その妖獣を寄こせ」と突然現れた化け猫に襲われる事に。
弥紘が「名付け」てしまった事で、おこげを奪えない事実を知った化け猫・九曜は、用心棒として同居する事に。
そんな時、巷では一家が惨殺される事件が起こっていてー・・・というものです。
まずこちら、芯が強くてお人好しな青年・弥紘と、異界から妖獣・おこげを追い掛けてきた化け猫・九曜というカップリングです。
和風ファンタジーといった所なのですが、ストーリーが練られていて面白いのです。
化け猫・九曜の正体や、おこげの謎。巷で続く怪異。そして弥紘を目の敵にする義母・頼子の気になる変容。
妖ものを得意とする作者さんらしく、なかなか興味を惹かれる面白い展開に、考えられたオチ。最後まで飽きる事無く読ませてくれます。
また、九曜と弥紘、そしておこげの三人で過ごす、ほのぼのした日常にも和ませてもらえます。因みにおこげですが、最初は黒猫の姿ですが、途中で人間の子供の姿に変わります。
最初はおこげを懸命に守ろうとする弥紘に、化け物全開で連れ去ろうとする九曜と敵対関係にありますが、これが徐々に三人とも打ち解け、ほのぼの家族のようになっていくのが大変可愛らしくて萌えさせてくれるんですね。
あと、妖ものでお約束(?)、妖力回復の為に弥紘の精液が必要という設定がございまして!
最初は即物的に、妖力の回復の為だけに弥紘を襲った九曜が、弥紘の痴態に煽られて欲情しちゃうのも萌えました。
と、面白かったのですが、個人的にはもうちょいラブの部分が深く書き込まれていて欲しいという点で、残念感が・・・。
事件の解決の方に重きが置かれちゃって、二人のラブの部分が物足りないのです。もう少し、二人が惹かれ合うしっかりした描写だったりが欲しい・・・。
と、個人的に残念な部分はございますが、ストーリーとしてはキレイに纏まっていて面白かったです。
特に、希望に満ちた爽やかなラストが爽快感を感じさせてくれました。
豪商・駒菊屋で下働きをしている御池弥紘(受け)の近頃の心配事は家族のように大事にしている野良猫たちの中で最近見かけなくなった2匹の猫のこととここ最近商家を襲う強盗事件のこと。
今朝も駒菊屋と並ぶ豪商・近江屋が強盗に襲われた事が新聞に載っていました。
暗い気持ちで帰宅したその夜、庭の池に落ちたと思われるずぶ濡れの猫が迷い込んできます。弥紘はその猫を必死で看病し、「おこげ」と名付け、飼い主を探してやろうと思っていた矢先、庭先から突然化け猫が現れ、おこげを引き渡せと迫るのです。
化け猫は九曜(攻め)といい、化け猫になる呪いをうけた異界の元人間だと信じられないことを言ってくるのです。
おこげは声が出ない不思議な仔猫でしたが、弥紘の言葉がわかるようで一人寂しい生活で猫と話せればよいと常々思っていた弥紘はとてもうれしい気持ちになります。九曜はおこげを追いかけまわしている理由がわからず警戒する弥紘ですが、おこげを害そうとしている様子がないことに気が付き、話し合ったらどうかと提案するのです。
弥紘は豪商御池家の亡くなった主人が女中に産ませた子供でした。
母である女中は怒った女主人にこき使われ、心身を壊して弥紘を産んですぐに亡くなってしまいます。
本家から追い出され、祖母に育てられた弥紘でしたが、12歳の時にその祖母も亡くなり独りぼっちになってしまいます。
幸い、二人の異母兄は弥紘に優しく、いろいろと便宜を図ってくれ、駒菊屋での仕事も世話してもらいなんとか生活しています。自分のせいで継母と異母兄が仲違いしていることに心を痛め、早く横濱から出ていきたいと思っています。
九曜は異界にある物の怪が跋扈する世界の住人です。
親兄弟はおろか住んでいた村すべてを物の怪に殺され、仇を打つため妖を退治し続けていたのですが、仇の物の怪を退治する際、自らが化け猫になる呪いを受けてしまいます。その呪いを解くためとそれに付随しておこげを元の姿にもどすため、「おこげの欠片」を探すためこの世界にやってきました。
二人とも酷い幼少期を生きてきていますが、前向きに生きようとしている姿がとても好ましいです。
九曜は昼間は探し物をし、夜は九曜とおこげに引き寄せられる物の怪たちを退治し二人を守ります。こういった話でのお約束の、妖力を補充するためといっては弥尋の精をよこせと言ったり、お守りといっては自分の精を弥尋にかけたりする行為もついてきます。
この疑似家族が思った以上に楽しくてずっと続いてほしいと思うようになった矢先、九曜が探していたものが見つかります。
話はかなり最後の方まで、九曜とおこげの今に至る状況が明かされないまま話が続くので、恐ろしかった継母が今まで以上に不気味になったことや継母が大切にしている不気味な宝石、大店を襲う惨殺事件、行方知れずな2匹の猫など不気味な感じはありながら3人が穏やかで楽しい暮らしが続きます。
この部分がちょっと長かったように感じました。
そのため、九曜たちの事情が明らかになってからは怒涛の展開になってしまったように思います。
横濱を脅かしていた事件は解決しますが、結局このひどい継母が今までの報いを受けていないのが不満でした。
そして、毎日のように精を補充するという展開なのでエロい部分はありながらも、本番は最後の方に一度あるだけだしそれもかなりあっさりめ、二人のラブな部分はあるのかないのかわからないくらい少なかったと思います。
そして、いつ想いを確かめ合ったのかもわかりませんでした。いきなり、3人でこれからも一緒に旅をしようという話になっていて、読み飛ばしたかと戻ってしまったくらい。
「おこげの欠片」は全部で41個あり、今やっと一つ見つかったところです。
一つの欠片が見つかり二人が一緒にいる決意をしたという意味では一つの区切りではありますが、最後の一つを見つけた後の話が読みたいと思いました。
あとがきの後にある掌編(九曜視点)
初めて九曜に精をよこせと無理やり触られた時、「九曜が手練れだから・・」とぐぬぬとなっていた弥紘でしたが、実は・・・という話。
九曜視点だと、大変な状況ながらそれを感じさせないおおらかな九曜がおこげの遊び相手をするのに加減うんざりし、物の怪退治や訓練をしているほうがよっぽどましだと思いながらも、逃げられたら面倒だと言い訳をしては付き合ってやっている姿がほほえましかったです。
で、この段階ですでに弥紘を連れて行こうと思っていることがわかってにまにましました。
掌編も九曜視点だし、種明かしが最後の方なので、再読したときのほうが九曜の言葉の一つ一つの裏が分かって良かったので、ぜひ二度読んでほしいです。