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本当に、君には理性を試される…
hana no na wo motsu kimi wo suru
世界観が凝りすぎててオルティシアが「月の都」に行く迄はまだ大丈夫でしたが、都に付いてからは都市の構造とかは文章だけでは分かりにくかったです。挿絵がほとんど人物だけだったし、この作品の内容は漫画向けだと思いました。
壮大過ぎて長い割に中途半端に終わった感じがしました。オルティシアがジンの伴侶になって屋敷に一緒に住むことになっても、その様子は書かれて無いです。フィオーレという人間とは違う生き物を書きたい熱意は理解できました。死んだら種を残すのは分かったけど、エッチは一回だし攻め受けをもっと書いて欲しかったです。
表紙があまりにキレイだし、夢いっぱいなタイトル。どんな設定だろうと気になって手に取ってみました。フィオーレさんたちは期待通り不思議いっぱいな設定で、不思議な映画の1シーンのような広い空間が頭に思い浮かぶ作品でしたが、個人的に萌え上がるポイントが少な目だったので、BL的要素より世界観に萌です。開いてびっくりまさかの2段組み、本編225P+後日談ショート13Pほど+先生のあとがき の優しいお話です。
お話は、西の都の領主の庭園で眠るオルティシアが護衛のツィーンに起こされるところから始まります。前領主の秘蔵品と言われた美しいフィオーレのオルティシアまで呼び寄せて領主が歓迎しようとしたのは、月の都の最高評議会の執政官たちで・・と二人は出会います。
登場人物は少々います。西の都の領主、フィオーレたち、護衛のツィーン、月の都に移動した後はそこの医師のエミット、フィオーレであるアカンティオンとその仲間等です。
********* 以下はより内容に触れる感想
先生は地磁気反転を世界観の下敷きにされたそうで、月の都へ移動するときには磁気嵐が吹き荒れたり、オルティシアが月の都から抜け出したら、ジンは「オルティシアが死んじゃう!」と心配するような世界です。月の都は三日月のカタチをした大きな構造物の中にあり、その中については色々記載あって楽しいので、SFものがお好きな方はわくわくするかもです。ということで世界観は素敵なんですが、受けさんがちょっぴり天然入った純粋さん、攻めさんも善人コースまっしぐらな方だったので、うーん、もうちょっとなんか捻りが欲しい・・・と思った次第です。ま、そんなことしたらせっかくのキレイな表紙のイメージと合わなくなっちゃいますね・・・だからこれで良かったんだーと思います。
実はオルティシアはなかなか壮絶な生まれなのに、それをあんまり感じさせない天然さんなので、ちょっと勿体なかったのでは?としつこく思うのですが。
不思議な世界観と、不思議でキレイなフィオーレさんたちを楽しむ一冊でした。