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キツネのミステリー作家×キツネの子守+子ギツネの、もふもふ保育園ラブ!
mofumofuhoikuen to kitsune no yomeiri
もふもふ三度襲来。今度は関西弁のけもっこで、関西人本領発揮、舌足らずなのに、まあよく喋る喋る(笑)爆笑しっぽじゃんけんや、しっぽ隠し練習のお歌、新しいお子様遊びもあります。前2作未読でも読めるとは思いますが、前2作の攻め受けケモっ子等も出てくるし、前2作読んだ方が面白い事間違いないです。地雷は、うーん・・・・・・攻めの元嫁がちっぴり出てきますが、あんまり気にならないんじゃないかなあ。本編240P超+先生のあとがきです。ケモっ子たちは変わらずラブリーでしたが、前2作までで慣れてしまったせいか、肝心の恋話に今一つピンとこなかったせいか、萌どまりです。先生ごめんなさいー。
冒頭は美大2回生の縁(ゆかり)が大学すぐそばの神社(山の上)に休憩に来たところ、子ぎつねが「ぬーけーへーんー」とじたじたしているのに遭遇するシーンから。物心ついたころから「ケモミミ」やしっぽをはやした「奴ら」が見えて怯えていた縁は、びびって逃げ出したのですが・・・・
攻め受け以外の登場人物は
蛍(ほたちゃ、キツネさん)、受け父親と、前2作までに登場した、こんぽこ園園長先生(エリマキ)、綿貫先生、1作目の迅、初音は割合多め、将勝はちっぴり(残念)、2作目の大牙、楓実もちょっとだけ登場します。
挿絵情報:カラー口絵1、モノクロ8.受けさんも三角耳さんなのですが、めっちゃ似合ってます!1枚、綿貫先生+エリマキの絵があり、やっぱり綿貫先生、超格好いい。もし次回作書いていただけるなら、綿貫先生がいいなあ・・・・すんごく優しそう・・・
****************以下はより内容に触れる感想
攻めさんが受けさんに惚れる過程が唐突な気がして、なんとなく置いてきぼりにされた感。それから後半に色々イベントが発生して、個人的にはもう少しゆっくり萌え上がりたいと思ったので、萌になりました。
ケモっ子は絶好調に可愛いです。電車の中で肩を震わせたのは今回1回だけでしたが、とにかくラブリー。キツネさん専売特許、油揚げに堕ちるお話もあり、ほたちゃは「あぶりゃーげ、あぶりゃーげ」と絶賛してました(笑)
もふもふ度合は3作の中でMAXな気がするので、もっふり記載が好きな方(特にしっぽ!ふっさふさです)、舌足らずなちみっこが好きな方には安心してオススメできます。
先生、今回もとても癒されましたー有難うございました!
今回も舞台はケモ耳尻尾のあるケモっ子たちが通う「こんぽこ園」。
前作の2組カップルも出てきますが、前作を知らなくても大丈夫な範囲の出演の仕方だと思います。どちらも読んでいる私は二人のその後がちょっとわかって嬉しかったです。
ケモとは希望と書き(今回初めて出てきました)、お山の神様が動物たちに与えた新しい命の形です。ケモは神様に守られていて、ケモ耳尻尾が出ている間は人間には認識されないため、保育園でケモ耳尻尾を隠す訓練をするのが「こんぽこ園」です。
美大生の縁(受け)は大学の近くにある山を散歩中に京都弁を話す子狐・蛍を助けます。その時たまたま持っていた油揚げを子狐に与えたことで蛍に懐かれてしまうのです。蛍を探しに来た父親候補の比嘉(攻め)とこんぽこ園の園長にこんぽこ園に連れていかれ自分が実はケモだったことを知り、ケモ耳尻尾が生えてしまいます。
今まで全く変化することのなく生きてきたため混乱する縁は、人からケモを守っているお山の神様が眠りについてしまったため、世間が混乱しているのだと教えられます。お山の神様を起こすため、「あまのいわと大作戦」を決行するべく準備を始めます。
美大生の縁(受け)は昔から人間に紛れて暮らしているケモたちがが怖くてなりませんでした。母親の記憶はなく、父親に育てられてきましたが、「縁のしたいように」という放任主義の父には関心を持たれていないと感じていて、自分の居場所を見つけられず孤独感に苛まされています。
思いがけず蛍に懐かれ、さらにこんぽこ園で自分が母親がケモのハーフだということがわかり、今まで恐れていたケモが仲間だと知り混乱するのですが、こんぽこ園にすぐ馴染み居心地の良さを感じます。
比嘉はドラマで有名な小説を書いている作家です。そのため、はじめは縁の語彙力のなさをからかう描写が何度かあります。
蛍を神様から預かって2週間、懐いてもらえなかったのに、縁が間に入ることで蛍との関係もよいものになってきます。
言葉遣いに遠慮がないせいできつく感じるのですが、実際にはとてもやさしい人で蛍が他の園児たちと一緒に踊ったり遊んだりしているところを見ては涙ぐんでいる感激屋で、蛍は四六時中かわいいと豪語する親ばかです。
強気なのに時々不安げな顔をする縁が気になり早々に口説きます。
そんな中、縁の父親も忘れていた母親のことを思い出して取り乱していたり、比嘉の元妻が訪ねてきたりと人々の記憶に混乱が顕著になってきます。
一刻の猶予もなくなったケモ達は、お山の神様を起こすべく「全国一斉あまのいわと大作戦」を決行するのです。
比嘉と縁の二人がちゃんと話し合ってこれからのことを決めることができたのはよかったです。たぶん人間の世界に疎外感を感じていなければ、こううまくいかなかったかもしれませんが、逆に今まで人と関わってこなかったからこそ、この決断もできたしそんなに負担じゃないのかもしれません。そして、二人の決断を容認した神様も心が広いと思いました。
ただ、ルビー文庫さんはページ数も少な目なので、尺の関係もあると思うのですが、気になったところが残ったままになったのが残念でした。
お山の神様が眠りに落ちた理由がわからないままだったり、縁がなぜ人の輪から外れることを気にするようになったのかとか、比嘉や縁の両親が離婚した経緯とか。
後、比嘉は縁の想いは本当の恋じゃないと思ったままなのも残念でした。はじめは自分に居場所をくれる人という意味で好きになったようでしたが、最後はちゃんと恋だったと思うでのすが、たとえまだ本当の恋になっていなかったとしても比嘉が縁の恋が本当の恋だと認識するまでが読みたかったです。
そして、3人のこれからの生活をもう少し見守っていきたかったので、3人で暮らす日常ももう少し読みたかったです。
今回は今まで名前しか登場していなかった山の神様が登場します。とても気さくな楽しいことが大好きなおちゃめな神様でした。
前作2組のカップルも見れたし、相変わらずマイナスイオンたっぷりの副園長と眷属なため微妙に変わったでも恋を知らないからこそ恋ならなんでも許しちゃうというゆるい園長、そしてかわいい園児たちが読めてとてもよかったです。
「こんぽこ園の歌」「しっぽじゃんけん」も健在で、それに加え「あっちむいてミミ」が登場しており、「あまのいわと大作戦」のための「かみさまおきて」もとってもかわいかったです。
ただ、今回はお山の神様を目覚めさせるのがメインだったので、各園児たちが個々にあまり書かれてなくて誰が誰のセリフかよくわからなかったのがちょっと残念だったかな。でもとってもかわいくて癒されました。
あとがきで、作者様が京都在住ということで、関西弁とまとめられがちで微妙に違う京言葉の幼児語がとても可愛らしくて脳内で声を充て楽しみました。