嘘つきな愛の囁き

usotsuki na ai no sasayaki

嘘つきな愛の囁き
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神1
  • 萌×22
  • 萌9
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
3
得点
40
評価数
14
平均
3 / 5
神率
7.1%
著者
杉原朱紀 

作家さんの新作発表
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イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344841758

あらすじ

小さな喫茶店をひとり切り盛りしている佳月。ある日「雇って欲しい」と店を訪れた男に、佳月は初恋の面影を見て動揺する。自分のことを知っている素振りもないその男・柚木に押し切られるように雇用関係となるが、彼が店と佳月の日々に馴染んでいくほどに、かつて身を焦がした切ない恋と重ねてしまう。やがて、柚木自身になす術なく惹かれていく佳月だが……。

表題作嘘つきな愛の囁き

27歳,君影草アルバイト,記憶が無い…?
26歳,喫茶店「君影草」のオーナー

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数3

カフェ店長と記憶喪失男(?)



カフェ店長の佳月(受け)はバイトに応募してきた男・柚木(攻め)の顔を見て驚きます。突然いなくなった高校の同級生で初恋の相手・奥野にそっくりだったからです。
本人は記憶喪失で1年より前の記憶がないと申告しているため、名前は違うけどもしかしたらと思いながらも本人の強い希望により採用することにします。
一緒に仕事をするうちに、本人ではという疑いがどんどん大きくなっていくのです。

両方の視点で書かれているので、それぞれの気持ちがよくわかります。
そのため、柚木が実は奥野なのか別人なのかは割合早くに判明します。

佳月は祖父の開いたカフェを継いだ二代目店長です。
母子家庭で年の離れた兄がいましたが、高校のころに事故死し、その後その兄が横領の疑いを受けます。兄を信じていながらもしかしてと思ってしまう自分のことを嫌悪していたころ奥野と出会い友人となるのです。
告白することもできないまま、奥野がいなくなってしまい佳月はそれをずっと引きずっています。
柚木は佳月が何度練習してもうまくできなかった祖父のブレンドコーヒーを淹れることや佳月の苦手なスイーツを作ることで、カフェを盛り上げていきます。
そんな中、亡き兄の友人に移転を進められたり、以前からあった土地をめぐるトラブルが再発して店がいやがらせを受ける事態になります。その嫌がらせがヒートアップした結果、話は大きく動くのです。

ストーリーは現在の中に高校時代の思い出が挟まれて進みます。
高校時代の二人の友達以上恋人未満の話は焦れ焦れした感じがとても萌えます。
もっと読みたかったと思わせるとてもいいエピソードばかりでした。

佳月はカフェ移転の話に絡んでトラブルに巻き込まれるのですが、店長として店員や客をを守ろうと奮闘する姿は責任感の強さに好感が持てました。
傍にいると心配したくなる人物ではありますが、上司にしたい人でもあると思いました。
本人は祖父のように売りになるものがないと心配していますが、彼の人柄が周りが心配してあれこれ世話したくなったり、頼ってみたりしたくなる居心地の良い空間を作り出しているのだと思いました。

土地トラブルに巻き込まれることになりましたが、ちゃんと解決できたうえ、佳月がずっと引きずっていた初恋にも決着をつけることができ、兄の事件の真相もわかってめでたしめでたしでした。
ただ、願わくば、兄の事件の話や土地トラブルのその後をもう少し突っ込んで読みたかったです。

でも、なんだかんだで、二人の付かず離れずの焦れ焦れした話は面白かったです。

2

しっとり読ませる大人の恋愛

推理サスペンス要素も踏まえつつ、しっとり読ませてくれる大人の恋愛でした。
大人になると互いに距離を探り探りで、なかなか踏み込んでいくのは難しいですよね。そんな距離感みたいのが上手に書かれておりまして、いい意味で焦れさせてくれる・・・。
派手さはありませんが、しっとり系のお話が好きなら楽しく読めるのでは無いでしょうか。


こちら、謎めいた記憶喪失の男・柚木と、喫茶店オーナーでサバサバしたクール系美人・佳月というカップリングです。
佳月が営む喫茶店「君影草」にアルバイトとして雇って欲しいとやって来た柚木。高校時代に思いを寄せた相手に酷似している彼は、実は記憶が無くてー・・・と言った所です。

一体、柚木の正体はー?と、推理サスペンス風ではございますが、攻め受け両視点で進む為、ストーリー半ばで彼の正体は分かります。と言うより、あらすじで早々にアタリを付ける姐さんが多いのでは無いでしょうか。
また、柚木の複雑な背景が絡んでと設定としては面白いのですが、ちとそのあたりの作り込みが足りず単純な印象。悪くは無いけどありがちで、既視感にあふれています。

しかし、二人の恋愛部分は萌える!!
高校時代の甘酸っぱいエピソードが丁寧に書かれていて、その部分でもしっかりキュンとさせてくれると共に、今度は大人の二人のしっとりした恋愛でも読ませてくれる。二度美味しいのです(*´ω`*)

また、個人的に萌えた部分ですが、大人な二人の付かず離れずの距離感。互いに意識しながらも、一歩踏み込むのが難しい・・・。何ともジレジレさせる描写が素敵なのです。
そして、そんな二人の思いが通じ合う瞬間。こちらはネタバレに関わってくるので詳しく書くことは出来ませんが、二人の会話にジーンとさせられるのです(*´ー`*)


と、ストーリー的にはもうちょい捻りが欲しい所ですが、二人の恋愛部分は好みでとても萌えました!

8

力が入らなくても求める姿勢が最高

「おひさま色の〜」が良かったので杉原さんを連読しようと、喫茶店好きなので今作を選びました。杉原さんの文は、幾度か過去に飛んでもどの辺りなのか分かりやすく、飛び方も自然。視点は交互に進むのですが同じ場面があっても長く感じません。名前を多く出さない(実父とか、異母弟とか)ところも助かります。

心を通わせた相手が姿を消し数年後、そっくりの男が現れるお話。

美人受けに男前攻めは定番感もあり萌えは余り無かったのですが、相手を好きになったり周りに嫉妬したり、再会してからのモヤモヤ、今更言ってもetc、心情が細やかで爽やかでした。ハッキリと好きだとは言わないのだけどウジウジでもなく。

ヤクザだったり土地だったりが絡むのは私にはちょっと難しかったです。
佳月(かずき=一樹だったなら全く印象が違いますよね。センスだなぁ)が死んだ兄の行動を信じている事と、奥野がそれを勇気づけてくれたこと。それが学生時代のお話だけで終わりではなくお話に絡んでくるのが良かったです。

漸く結ばれてからの、また居なくなるんじゃないかと思っちゃって離れられないのが…
「おひさま〜」の時もですが、攻めが身体を気遣うなか受けが求める図最高ですー。
対面座位で佳月が足に力が入らず動けなくてジリジリするのも堪りませんでした…!

古いお店の立ち退きはここだけでなく、よく聞く話です。常連と祖父あっての店だと佳月がちゃんと理解して大切にしていて、目先の利益に飛び付かない姿勢、喫茶店好きとして嬉しかったです。

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