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証券会社に務めるエリートの周と新進デザイナーの須藤。
確かにどっちの性格も酷い(苦笑)
見た目はいいし優秀で挫折知らずでプライド高し。
その為基本的にソフトな正確ながらどこかマイペース。
それも受け入れてくれる周りの中で生きてきてた周。
それが最愛の弟をこの男なら付き合ってもいいと思う男に取られ、
という展開が前作で、ヤケになる周の前に現れた須藤。
そして妊娠までさせた彼女と別れようとしているのだけれど、
取られた弟の代わりにしようと子供を育てようとして、
そのアドバイス料代わりに抱くと言って須藤は近づく。
周は優秀だけど父親になるのはないわーな感じです。
あと、今まで恵まれていた分愛するという気持ちが良くわかっていず、
須藤と逢っても逢わなくても辛いと想う想いが愛だと、
終盤近くになってわかるような、ある種の鈍さがあります。
だから周って良かったりするのですが。
ただどっちも頭が良くて切れるし空気も読める人なので、
終盤まではずっとラブゲーム状態の騙し合い?
そこまでは前作の佐伯もそういう傾向あったのですが、
円はそういうタイプじゃないし佐伯よりこの二人の方が計算高い。
有利なカードを引く為に計算しつつ動く狡いふたり。
が、終盤で自分が愛してると気づいてゲームから降りる周。
ゲームから降りて本気になった周はとても切ない。
今までが今までだっただけに加減なく本気をぶつけてて、
そんなカッコ悪さがとても愛しいです。
そしてやっと本音を明かした須藤も切ない恋心を抱えていて、
しかも周と違って愛も恋も知ってる人だけにいっそう切なくて、
1度は周から逃げようとした事も萌心をそそります。
前作がなければ手に取らないタイプの話ですが、
でも、読んでみたらなかなか良かったと思います。
話と直接関係ないのですが、周が今まで自分を抱こうとした男に、
最後までせずにいた誤魔化し方というのがちょっと……でした。
もう少し色っぽい誤魔化し方はなかったのか?(苦笑)そこだけが残念。
『悪い男』の円の兄・周のお話です。
新進気鋭のデザイナー・須藤 × MR証券・エリート・周の年下攻めもの
周は、アメリカで付き合っていた女性とのトラブルで一時帰国。
最愛の弟は他の男に取られ、自棄酒をあおっていた周の前に、モデルの誘いを持ちかけてきた須藤。
そんな須藤と飲んでいる内に、いつの間にか一夜を共にする事になり…。
簡単に周の体を翻弄する須藤。
トラブルの女性とは、裁判になりそうな気配を見せると、須藤は周の体を条件に、アドバイスをするのだけれど…
実は須藤は…その目的は…。
須藤も円の兄とは思いもよらなくて⁉
最終的に、この2人! お互いに酷い男同士だったというオチだったような(笑)
それでも、周の方が少し上をいくかなあ…⁉
自由奔放で挫折知らずな分、プライドが高く、負けず嫌いで、クールな周。
最愛の弟を佐伯に取られたことで、円の変わりだという様に、今度は自分の子供を引き取りたいと思いが募る周。
弟だから許される、弟にだけ心を開いていた周は、その扉を須藤によって無理やりこじ開けられてしまいます。
そして、溺れさせられ、須藤に翻弄されていく姿は、結構そそりました。
口では冷たく拒絶していても、体は素直に反応してしまって…
その性格がわかっているから、須藤も、そこに漬け込んでくるんです。
年下ながらも、強気で攻めてくる須藤。
でも、最終的にこの恋を追いかけたのは周なんですけどね。
須藤と出会い、本物の恋心を知り、周の心の空洞を、激しく求めてくる須藤の恋心によって埋められていく感じでした。
弟・円に周が相談する場面は、ほのぼのとしていて良かったです。
『悪い男』で登場してきた時は、性格の破綻振っぷりに驚きましたけど、相変わらず1人よがりな性格なものの、最後は少し素直な可愛らしい部分もあったから、救われたかなあと思いました。
押したり引いたりの、駆け引きな恋が楽しめるかと思います。
私的には、『悪い男』の方が好きでした!