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髪から爪先まで、俺に君の世話をさせて?
niisan no tomodachi
表題作+SS3編
「君の気持ちにこたえるつもりはなかった」
「兄さんたちはやっぱりおかしい」
「5人目の不在」
表題作は三池さんのコミックスのテキストを小説化にしたものだそうです。
再婚した義父にどうしても馴染めず家に帰りたくない梅木のぞむ(受け)は一人暮らしをしている年の離れた兄の部屋で兄が気の置けない友人たちと酒盛りをしているところに出くわします。
彼らは、兄の高校時代バスケの部仲間だった3人(キャプテン以外)大熊・甲斐・藤山(攻め)でした。
義父が受け入れられないのぞむは義父の言動が自分におもねっているように見えていらいらしたりと鬱屈したものを抱えていて、自分でもかわいげのないガキだと思っています。
そんな自分に藤山はおつきあいをしようと口説いてきます。
「おつきあいとは愛の名のもとにどんな搾取も奉仕も許される関係」だという藤山はのぞむのお世話をしたい、とのたまいます。
バスケの試合を見学していたのぞむは彼らがキラキラして見えて、ずっとファンだったのですが、実は彼らにはそれぞれ人には言えない秘密があって、それを共有する仲間ということもあり気の置けない仲間として長年付き合いを続けていたということがわかるのです。
大熊は190を超える長身でガタイもでかいのに30~40歳の包容力のある男性に優しくされたい願望があり、甲斐は老け専で長い間老齢のカフェのオーナーに片想いしているし、梅木兄は大事な出来事があるときは吐いてしまうくらい繊細で小心者だし、藤山は恋人の頭の先から爪の先まで世話をせずにはいられない性癖の持ち主。
藤山が嫌なことはしないと約束し、食べ盛りののぞむを餌付けと部屋の出入りの許可もくれるという魅力に負け、初めは藤山が与えてくれるものを享受するだけで藤山は喜ぶし自分は親からの避難所が手に入るウィンウィンな関係だと割り切って付き合うのですが、世話をしてもらったり義父との関係にアドバイスをもらったりしているうちにだんだん藤山が気になってきます。
二人の関係だけをみれば王道な話ですが、それに加えて梅木兄弟のブラコン具合だったりバスケ仲間との関係だったりが絡んで話を進めたり、のぞむに成長を促したりと彩を加えます。
表題作はコミックスをほぼ忠実に小説化されていると思います。ただ、あとがきでもやりたい放題加筆したと書かれてある通り、後半になればなるほどストーリーは変わらないまま、微妙に台詞が違ったり、読み取っていた心情と少し重みが違っていたりしていたと思います。
コミックスでは省略されている行間を埋めるような文があるため(私が読み取れないだけかもしれませんが)、コミックスを読んでいてストーリーはわかっていても楽しく読めたと思います。
「君の気持ちにこたえるつもりはなかった」
表題作で藤山の部屋の隣に住んでいたため、いち早く二人の関係に気が付き、それだけにひとりやきもきしたり心配したり応援したりしていた甲斐の話です。
表題作でのぞむを心配した甲斐が話をするために呼んだカフェのオーナーが甲斐の片想いの相手です。
表題作で出てきた時、のぞむは70歳代だと思っていましたが、高校生の甲斐が出会ったときに既に70歳代だったようで、時系列的にもう80歳くらいなのかもしれません。
甲斐とカフェオーナーとの出会いから書かれていて、のぞむが梅木兄のバスケの試合を見に行くことになった経緯がわかったります。
ただ、コミックスで読んだとき60歳くらいだと思っていたので思ったより老齢でかなりびっくりしました。妻もこの世を去って愛猫までが他界してしまった寂しさに負けてしまって甲斐の手を取ったことで甲斐の恋は実ったし、二人が幸せならいいのでしょうが、オーナーの年齢を考えるとちょっと微妙な気持ちになってしまいました。
これだけ老齢だとあちらの方はどうするのかなと下世話な心配もしてしまいました(次のSSでその話が出てました。)
「兄さんたちはやっぱりおかしい」
大熊が実家をでて一人暮らしをすることになったと聞き、甲斐と藤山と引っ越し祝いに出かけたのぞむは大熊の部屋に梅木兄が住んでいることを知ります。
住んでいた部屋がもらい火で引っ越さざるを得なくなり、繊細な兄は義父のいる実家で気が抜けないからと大熊に誘われて同居していたのです。
二人がそういう関係でないと知りながらものぞむはもやもや。
表題作ではのぞむに対してブラコン兄全開でしたが今回はのぞむが今まで以上にブラコン弟になっていました。長年連れ添った夫婦のように息の合った二人に兄が嫁に行ったような気がして泣きそうになるのぞむとそれを見て嫉妬してしまった藤山がのぞむが自分のものだと確信をもつまで家に帰ってから貪ってしまうところまで、不思議な関係の仲間たちが新たにみられました。
「5人目の不在」
コミックスでは出てこなかった、小説でも少し存在がわかる程度だった梅木兄のチームのレギュラーの中で唯一普通に結婚して子供がいる普通の人生を歩んでいるキャプテンの話。
結婚してしまってあまり集まれない自分以外の4人がしょっちゅうつるんでいるのが少し羨ましくもあるキャプテンの回想で高校時代の5人の仲の良さがわかる話でこれだけは恋愛の絡んでいない話でした。
梅木兄たちが高校時代にわちゃわちゃしていたところが読めて、恋愛関係なかったけどこれはこれで楽しかったです。
コミックの原作小説が出ると知って購入。
コミックもよかったけど、小説も好きでした(*^^*)
母が再婚した事で義父ができ、家に帰りたくない思春期真っ只中の受け様、のぞむ。
一人暮らしをしている大好きな兄の所で、小学生の時に応援していたバスケ部のメンバー達と出会う。
その中の1人、イケメンで料理上手な藤山が攻め様。
髪の先から足の爪までお世話したい、貢ぎたい。
その権利が欲しいからお付き合いしたい、と藤山から告白されて、のぞむはまぁいいか、と了承する。
難しいお年頃なのは分かるのですけど、ほぼほぼ初対面の兄の友人達に向かって「あんた」呼びはどうよ…。
失礼なのでは。兄貴、注意してあげなさい、とついついお節介な気になり方をしちゃいました。
藤山はそれはそれは楽しげにのぞむのお世話をして、嬉々として餌付けしていき( ^ω^ )
そんな気なかったのに、気付けば藤山の事ばかりかんがえるようになっちゃうのぞむ。
長年友達付き合いをしてきた、気のおけない友達関係の4人も素敵で、友達っていいよね、なんて再確認でした(*^^*)
藤山とのぞむのその後が見れるのかと思っていたら、友達の1人の甲斐の恋のお話と、兄ともう1人の友達の大熊の、これからを想像しちゃうお話が入っていて。
最後、5人目のお話がありました。
そういや、バスケって5人でするものだよな、なんて最後に不在の5人目にきづきました(^_^;
作者買い。ろむこ先生のコミックの原作を加筆されたとのことで、全部で4編入っていました。コミック未読のため、すいません、どれぐらい変わっているかは不明です。表題作180Pほど、サブカプのお話50P弱、メイン受けの兄とその友人に関するお話40P弱、高校時代のバスケ5人組で本編に出てこなかった5人目のお話20Pほど+先生のあとがき。強烈世話焼きイケメンや、今まで読んだ中で最高齢の恋話の印象も強いですが、全般的には高校時代を懐かしく思い出し、甘酸っぱさと寂しさを感じたお話でした。萌2よりの萌です。以下、割合 ネタバレしてます。
1.兄さんの友達
久しぶりに東京に戻ってきた兄の部屋に、合い鍵で潜り込み、ロフトベッドで寝込んでいた高校生ののぞむが、わいわい楽しそうな声に気付いて目覚めるシーンから始まります。そこにいたのは10年前によく見に行っていた兄の所属していたバスケット部メンバーで・・・
攻めは、料理上手もてもてイケメンで女の人と何度もつきあっているのですが、なぜか続かず振られてしまう残念さん。受けさんはクール目高校生で、父親を早く亡くしたためか、お兄ちゃん大好きっ子。
その他、受け兄、攻め隣部屋に住むバスケ部元メンバー、別のメンバー、受けの高校生友人等が出てきて、高校生ちゃんが大人イケメンの世話焼きデロ甘攻撃で、ちょっと大人になるお話と感じました。
2.君の気持ちにこたえるつもりはなかった
これがすごい。
表題作に出てきた攻めの隣部屋に住む甲斐さんの恋話。甲斐さんが長年思い続けていたのは、なんとカフェマスター(70歳ぐらい)。その二人のお話です。すごくしっとりせつなく・・・・いやーなんとも余韻のあるというか深いというか、いいのかというか・・・好きなんですが、一言、良かった!と言ってよいのか悩んでしまうお話でした。いや好きなんですよ、この二人。うん。
3.兄さんたちはやっぱりおかしい
本編3年後。バスケ部メンバー大熊の引っ越し祝いに大熊宅を訪れると、そこにはのぞむ兄が一緒に暮らしていて。どうなってんだ!と心配するのぞむに、藤山がちょっぴり嫉妬して・・・というお話でした。のぞむ兄、健気なんです。このお兄ちゃんには、寄り掛かれる人がいてほしいなあ。
4.五人目の不在
藤山やのぞむ兄のバスケ部メンバーの5人目。この5人目さんが高校時代を懐かしく思い出すことで、本編などに出てきたバスケ部メンバーがどんな風に仲良くなっていったのか という点が分かります。今は結婚し子供がいる5人目さんは、今は他の4人との間に距離を感じて・・・とちょっと懐かしく寂しく感じるお話でした。人生色々、頑張れ5人目!