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マフィアのボスとFBI分析官という組み合わせの割に物静かで淡々と描かれている様子が不思議です。
幼いころ両親がマフィアの抗争で殺されたマフィアのボス(ジュニア)と幼いころ両親がマフィアの抗争の巻き添えで殺されたFBI捜査官(ジュン)が正反対の環境の中で育った二人が似た生い立ちからか徐々に惹かれていく。
ジュンは生活感がなくて希薄でストイックな性格。
失うことを恐れて親しい人を作らない。養い親にも恩を感じながらも親しめずにいることを申し訳なく思っています。
FBIとして任務ごとに期間限定で去っていくことと場合によっては同僚を窮地に陥れることになる罪悪感から一層人に対して距離を置くようになったのです。
ジュニアは、子供の頃からマフィアのボスの父親とその愛人だった母親との関係や立場を理解して急死したときそれまで表面化しなかった金融の才能を生かしてファミリーのために金融を担うことになりました。
ジュンが流されるようにジュニアの孤独感や他人への張りつめた気持に寄り添って行きたいと思うようになるのが理解できました。
ジュニアは沈着冷静なボスでありながらジュンの前ではワガママ坊やで甘えてる感じでかわいらしかった。
最後にジュンのFBIでの上司の正体が以外でした。いや、けっこう曲者っぽいんですけどこんな筋書きがあったとは予想していませんでした。
石原理のごっついくてきりっとした線の甘さのないイラストは、あまり好きな方じゃないのですが、裏社会系のお話にはピッタリですね。
剛しいらさん(はめてやるっ!)や榎田尤利さんや花郎藤子さん(黒羽と鵙目)のシリーズなどのように殺伐感が前面に出ていてとても合っていると思います。
FBIと公認会計士の二つの顔を持つ淳はマフィアの金の動きを掴むため、マダック&オニール事務所で働いている。
そんな時仕事を通じて出逢ったシチリアンマフィアの若きボス、ジュニアに興味を持たれ強姦された上に軟禁されてしまった。
しかし、次第にジュニアの強引な執着の理由が彼の孤独な過去にあると気づき始め……
七地さんの作品が慣れるまで大変なのはいつものことですが、今回は話に入り込む前に一冊読み終わってしまいました。
思うにどんどんどんどん増えていく登場人物が整理しきれなかったのと、登場人物たちの感情にのっかれなかったのが大きな敗因かと。
結局なにがどうなったのか未だに理解できてないんだぜ。
理解力を養って出直してきます。
登場人物が覚えられないので横文字や外国物が苦手な私でも、夢中になりました。
男と男の生きざまが楽しく、読み応えがあるシリーズです。
女々しくない受けをお探しの方にお勧めです。
シチリアンマフィアの若きボス・ジュニア 俺様攻め×FBI兼公認会計士・ジュン(淳)・ランドー クール黒髪芯の強い受け
FBIの分析官の一人の淳は、特殊な能力がある。
嫌な匂いがする、嫌な気配などを数字や人から感じたものからは、必ずと言っていい程に不正が明らかになる。
その能力を見込まれていて、内部監査としてジュニアのいる所に潜入することになる。
淳がジュニアに興味をもたないので、ジュニアを余計に刺激して関係を無理矢理持たされることに。
ただ身体や顔が気にいって、無理矢理から愛が芽生えるBLの定型パターンの話ではないです。
愛というよりは感情や執着を見せない淳に憎しみでもいいからなにがしかの感情を与えてみたかった感じで、ジュニアの執着により成り立っている関係です。
濡れ場が濡れ場ではなく、屈服させる為の手段で、上下関係を認めさせて従わせる為というような印象を受けました。
実際に淳の仕事能力の高さを信頼し、高く評価しています。
淳は死にたくはないけど死んでしまったら仕方がないと、生への執着心が薄い淡々としたタイプです。
逆に、ジュニアは生き残る為に弱みを見せないようにして、孤独に生きてきたタイプで、どちらも孤独で才能に長けた男です。
自分の救出を阻んだ男と対立シーンがあったのですが、淳がかっこよくてたまりません。
淳が好きな私は、淳の活躍をもっとみたくてならなかったです。
舞台をかえての2巻も楽しみです。
エロ:★3 無理矢理が殆どで、エロという感じがしないです。
総合:★4 男達の活躍を見ているだけでわくわくする感じの小説です。