異世界との門に縛られた二人の恋は……?

鍵をかけて抱きしめて

kagi wo kakete dakishimete

鍵をかけて抱きしめて
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌4
  • 中立0
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
2
得点
16
評価数
5
平均
3.2 / 5
神率
0%
著者
きたざわ尋子 

作家さんの新作発表
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イラスト
金ひかる 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥600(税抜)  
ISBN
9784344841505

あらすじ

異世界との門を守り、複合商業施設「アルカスシティ」で〈あちら〉と〈こちら〉の客相手に商売をしている門真一族の直系として生まれ育った椿。しかし、門番という大切で過酷な役目は傍系の琉斗に――。琉斗は従兄弟で幼なじみで、周りからすればライバル。憧れの存在だった琉斗のことをいつしか好きになっていた椿だが、端から叶うわけがないとも思っている。せめて補佐として誰より傍にありたいと懸命に務める日々だったが……?

表題作鍵をかけて抱きしめて

門倉琉斗・門番・24歳
門真椿・門番補佐・24歳

その他の収録作品

  • 門番の告白
  • あとがき

レビュー投稿数2

短編が面白い!

あらすじ買い。なんじゃこのお話は と思っていたのですが、少しファンタジー設定はあるものの、つまるところ幼馴染の可愛らしい執着話と感じました。本編はすんなり読んだのですが、短編でそのやや変態入った執着と受けの天然が炸裂してて、なかなか楽しかったです。地雷は、あまり思いつきません。幼馴染ものがお好きな方はよいのでは と思いました。
書き下ろしの本編190Pほど+同じく書き下ろし短編16Pほど+あとがきです。

舞台は現代日本に近い感じの複合商業施設。そこには「こっち」(=日本というか地球)の人間には知られていない「向こう」(=どこぞの異世界)につながる「門」があり、「向こう」の人間が「こっち」にレジャー、旅行として訪問してきます。琉斗は、20歳の時に傍流の次男坊ながら「門」に選ばれ「門番」になっていて、門真本家長男で門番になると思われていた椿は、憧れていた琉斗から補佐に指名されて二人で「向こう」の人間の出入りを管理しているという設定。

攻め受け以外の登場人物は、「向こう」の人間用の医師として派遣されているイケメン、琉斗に懐いている可愛い系男子、琉斗の兄 等です。

*********以下はより内容に触れる感想


本編は、ごめんなさいだけど、ふーん という感じにさらっと読めたのですが、短編の方で「あらーそういうことだったのー」と私的には盛大にびっくりしました。そう、短編は攻め視点なんです。で、美人さんの受けに対する想いをたらたらたらたら述べてあるんです。本編で今一つわかんないなーと思っていた攻めの想いがめっちゃよく分かって、パズルがぴたっとハマったみたいに面白く感じました。私の読解力が足りないせいかもしれないですが・・・・

あんまり読んだ数ないので余計にそう感じたのかもしれないですが、攻め視点のお話って楽しいわーととても思った作品でした。 

2

ファンタジー設定ありの幼馴染もの





表題作+SS「門番の告白」


表題作は受け視点

門を境に異世界か異なる宇宙かはわからないが違う世界<向こう>と<こっち>が繋がっているという世界線。
その門を中心に作られたアルカスシティはショッピングモールやアミューズメントパークなどの複合商業施設で、<向こう>の人たちが観光やショッピングにやってきます。
門は税関のような役割を果たす場所で、門番が認めた者のみが<向こう>から<こっち>に来ることができるのです。
門番とは門から選ばれた門真一族の男性が代々勤めています。門番に選ばれると門の結界内でしか生きられない身体になってしまい、門に縛られて一生を終えます。

本家の長男に生まれた門真椿(受け)は生まれたときから次の門番となるべく教育されてきましたが、選ばれたのは従兄の門倉琉斗(攻め)でした。
とても優秀な男だったのに、門番に選ばれたことにより、門の結界から出られなくなってしまったことを椿はとても残念に思うのです。
そして、椿は補佐に指名されたことにより、一緒に門のそばの館に住み、琉斗を支えています。

椿は長らく琉斗が好きでした。でも、それを表に出すことはなく気づいているのはほんの数人であり、琉斗にはばれていません。
琉斗に同性愛の傾向はなく自分の想いが伝わるとは思っていないので、一生琉斗を支えて生きていこうと思っています。

<向こう>と<こっち>では国同士の取り決めと同じく、持ち出し禁止のものや滞在日程他、違反した場合の罰則など明確な規定があり、それに違反しないように監視するシステムをアルカスシティの経営母体である門真一族が担っていて、その中で一番権限があるのが門番になります。

椿は琉斗に懐いている警備担当の青年・敦紀と琉斗が仲良くしているのを見ては心乱されたり、<向こう>から来て常駐している医者の男・シュウに口説かれたりしながら、<向こう>からの<客>を迎え送り出す日々の業務をこなしていくのです。

表題作は椿視点なため琉斗が何を考えているのか全くわからず、行動の意図も最後の方までわかりませんでした。
最後に琉斗の意図が分かってからはすべてひっくり返るのですが、シュウに口説かれているのを知って反対されたり勧められたり、琉斗に脈がないとわかるような言動のたびに傷つく椿が切ないし、トラブルで椿が怪我をしたことで補佐をおろされることが決まってからも椿のしんどい気持ちがずっと続くのは読んでいて辛かったです。
ただ、全体の話としては、天然な受けが攻めに振り回されているようで実は攻めも振り回していたという話で、異世界設定が追加された王道な話だったと思います。


SSでは、くっついてからの二人のその後が琉斗視点で書かれており、琉斗がいつから椿のことを想っていたのか、椿視点ではわからなかった椿の魅力といったものがわかるようになっています。

琉斗は両想いになってからはすっかりタガの外れた残念な男になってしまいましたが、椿がいるから門から離れられない自分も楽しく生きていける(先代が自殺してしまった状況も踏まえて)これからの展望が描かれてあって、二人は安泰だと思われました、ただ、琉斗がちょっと絶倫すぎで椿の身体が心配です。

本編の片想い期間が結構長くてしんどかったので、そちらをもう少し短くしてこちらの椿の過去話とかもう少ししっかり読みたかったです。

1

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