極上の恋を一匙

gokujo no koi wo hitosaji

極上の恋を一匙
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×24
  • 萌4
  • 中立1
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
2
得点
39
評価数
12
平均
3.4 / 5
神率
16.7%
著者
宮本れん 

作家さんの新作発表
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イラスト
小椋ムク 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344841093

あらすじ

箱根のオーベルジュで、シェフとして真摯に料理と向き合う周。ある日店が買収され、新オーナーの資産家・成宮がやってくるが…?

表題作極上の恋を一匙

35歳,オーベルジュを買収した資産家
25歳,箱根のオーベルジュ・シエルのシェフ

その他の収録作品

  • 極上の愛を一口
  • あとがき

レビュー投稿数2

繊細なフランス料理を食べている気持ちになりました

電子書籍で読了。挿絵なし。

オーベルジュ(宿泊施設付きレストラン)・シエルで働くコックの伊吹周(受け)は突然オーナーが変わると聞き驚きます。
シエルは従兄でオーナーの日下が始めたオーベルジュで彼の夢を実現させたものでした。日下の昔馴染みのシェフの轟と3人で始め、副支配人の高埜が加わって4人でこだわりの料理ときめ細やかなサービスに力をいれてきました。
買収されオーナーが変わると聞き、そんなに経営状況が悪くなっていたとは知らなかった周はその状況が受け入れられずに不安で仕方ありません。
新しいオーナーは大きなグループ会社創業者一族の成宮雅人(攻め)で、ビジネスは観察の上に成り立つロジックだと言い切る敏腕ビジネスマンでした。
雅人に反感を覚える周ですが、周の賄い料理をおいしそうに食べる姿や試作した料理にも敬意を払う態度など、仕事以外の話をする時のギャップに戸惑います。

周は学生コンクールを総なめにするほどの実力の持ち主ですが、料理をすること以外に興味がありません。すぐに顔に出てしまうので、嘘がつけず思ったことはなんで言ってしまいます。
シェフの轟に憧れ、早く彼に追いつこうと頑張っている頑張り屋さんです。
創立当初からシエルに携わり初めての就職先でもあるため、シエルに対する思い入れは相当なものです。
雅人に買収されたと知り、全員の雇用が保証された破格な対応だとわかっているのに、夢を奪われた日下の気持ちを考えては気分が落ちこみ、自分の力のなさを嘆き、拠り所がなくなる気がして落ち着きません。他の皆は自分より年長でそれを淡々と受け入れているのに自分ができないことにも焦りを感じます。
改善策をはかるため乗り込んできた雅人には少し反抗的な態度をとるのですが、雅人の料理に対する真摯な態度をみるにつけ、不思議な気持ちになるのです。

雅人はグループ会社の創業者一族に生まれ、敷かれたレールの上を歩く人生を送っており、また小さい時から自分の立場を利用しようとする大人から狙われたりするうちに、自分の感情を表に出さないようになっていきます。コンクールで審査員をした時に周の料理に感動し、それ以来周の料理のファンになります。
倒産寸前のシエル(というか周を)を守るため採算度外視で再建に手を上げますが、立場を気にせず雅人本人をみてみてくれる周に自分の本音や過去を語るたび、その素直な反応や態度に驚き、惹かれていくのです。


雅人がシエルを買収した本当の経緯を聞いた周からの連絡で二人の距離は一層近づくのですが、ライバルの店の躍進に焦った周は周りが見えなくなってしまいます。

周の焦りを諭し、周らしい料理の大切さを説く雅人ですが、周は自分の料理だけが雅人にとって大事なのだと誤解してしまいます。自分の立場と力を知っている雅人は周を縛ってしまうことを恐れ、自分の気持ちを言うことを躊躇してしまい、すれ違ってしまうのです。

日下は支配人としてシエル全体を、轟はレストランを、高埜はホテル業務をと全員が責任のある仕事があるのに対し、自分にはないと焦る周。
シエルを大事に思うあまり周りが見えなくなってしまって突っ走ってしまう周がとても辛そうでした。ただ、限界まで頑張ってしまった結果倒れてしまい、それが二人がうまくいくきっかけになるのだからわからないものです。

主な登場人物はシエルの4人に加えて雅人と雅人の秘書の一ノ瀬の6人で、皆自分の仕事に誇りをもったできた人ばかりです。
特に一ノ瀬は誰にも気を抜けない雅人を心配し、雅人を託すべく周に雅人のことを話してくれます。
全員が二人のことを祝福し、起死回生の「美食クラブ」という作戦の第一弾も成功し、シエルの再出発に光明が見え、雅人によって一回り成長しこれからも成長し続ける周の姿がみられることでしょう。

その陰で、周のことを密かに想っていたと思われる高埜の気持ちを考えると少し気の毒でした。機が熟すのを待ってる間に横から掻っ攫われたんだろうに、全くそんな素振りもみせず(ほかの二人にはばれてたみたいですが)二人を祝福する姿が少し切なかったです。周には一切気付かれてなかったのは逆に良かったのかな。彼にも新しい誰かが現れるといいですね。

絡みは一回。
周は初心者らしく恥ずかしがっているけど、思ったことを言うところは変わらず、自分から欲しいと言ったり、自分を想って雅人が一人でしていたと聞いたら、その姿を見たいと言ったり、恥ずかしがってる姿とのギャップが新鮮でした。

3

おしい

空腹時には読まない方が良い作品でした。受けの作る料理が実に美味しそうで、匂いまでが感じられような空気感のある素敵な物語です。

ただ攻めが受けを好きになった理由がちょっと弱かった気がしました。
攻めが2人の関係をオーベルジュの仲間に告白したのはとても潔いと思ったし、近くの別荘を買って2人で住む家を準備しているのも好感が見えました。

ただグループ会社一族での働きが見えて来ないし、これからどんな障害があるかも分からない不穏な感じがしました。

これならただの資産家にした方が良かったと思いました。

1

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