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BLは、どこへ行くのか。
BL shinkaron taiwahen boyslove ga umareru basho
前作の「BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす」が大層面白く、友人達にも評判が良かったので購入。おなじみの本屋さんにはあと一冊しかなくて、レジで店員さんに「この本、よく出てるんですよ。もっと注文しておこうかな?」と声をかけられたので「あくまでも個人的見解ですが、売れると思いますよ」なんて言ってしまいました。次行った時に沢山積んだままだとちょっと困るけど……
前作は圧倒的に論文が多いですが、今作は対談集なので読みやすいです。作家さんが何を考えて創作活動をしているか、何に立脚して物語を紡いでいるか、を知りたい方はすごく面白いと思う。皆さんとても率直にお話しされていますので。(溝口さんは必ず最後に「生涯でこれだけは成し遂げたいこと」を質問されているのですが、この答えがまた面白い!)
それと同時に、前作の「BLが社会を動かす」という著者の主張を裏付けるものにもなっていて秀逸です。文化が社会に影響し、同時に社会情勢の変化が新しい文化を創り出すので「どっちが先か」という話は野暮の極みなのかもしれませんが。でも、私達が何気なく楽しんでいるBL作品が世の中を、多様性が容認される風に変えているかもしれないって考えるだけでもワクワクしませんか?
個人的に興味深かったのはジョシュ・ラニヨンさんが女性とカミングアウトした後に起きたエピソードやC・S・パキャットさんとの対談。何となく欧米先進国は日本より多様性というものに寛容だろうという幻想を打ち砕かれました。翻訳物好きとしてはこの辺について、もう少し知りたいなあ。
ボーナストラックのお三人(しをんさんとの対談は既読でしたが何度読んでも面白い)との対談も「BL映画論」も満足です(「ダブルミンツ」観なきゃ!)。私は学者ではないので、友達と「あの作品はああでこうで」と話している様な喜びを覚える、といった程度ですが、それでも尚、楽しい!
長い本作を読んだ後のお楽しみはカバー裏です。
今回も明日美子さん、スバラシイ。