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saa ima kara tantougae desu
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
晴天シリーズも来年で20年との事ですが、ここへ来て、久々に秀と大河の話が、ガッツリと来ましたね。
これまでのシリーズ中では、子ども達の話(明信も一応子どもたちに含めましょう)がほとんどでしたが、この長いシリーズの大元は、何かを曖昧にしたまま離れてしまった秀と大河が、それが恋だと認める話のはずだったのに、舞台が大家族のせいか、この二人(秀だけのせいとは言わせない)の性格のせいか、二人の恋愛関係や肉体的な関係の進展にはほとんど触れられないまま、今回の大迷走へと突入。
描写はコメディでも、キリキリと痛いお話で、萌度では計り難いです。
エロ度にしても数度のキスシーンがかろうじてある程度。
でも、ようやく二人の関係が、ここまでたどり着いたのかと思うと感慨深かったです。
電子書籍で読了。挿絵有り。
私かまだある程度若かりし頃からお付き合いをして来た帯刀家のみなさん。
コメディ要素満載で始まった作品なのに、巻を重ねるごとに読後感がどんどん寂しく感じます。これが大人になるっていう事なんでしょう。この巻は大河と秀が中心ですが、勇太と真弓、龍と明信よりも、この大人カップルが主人公になると余計そう思います。多分、主要な登場人物の中では一番の大人である彼らには、助けてくれる、あるいは助けてくれるという幻想を持たせてくれる人がいないからなのだろうと思います。欠陥を抱えつつ、そしてそれを解っていながら、自分でなんとかするしかないのです。
4つのお話が入っていますが、中心は表題作です。
編集長から担当替えが命じられ、大河は伸び悩んでいる新人作家の担当になり、秀には文芸から移ってきた『やり手』の新編集が付きます。そして、大河は秀の小説について一切の口出しをしなくなります。小説を書くことが『大河が認めてくれた自分の価値』である秀は大混乱に陥ってしまう、というお話です。
秀という人は、望んでも手に入らない状況を理解する賢さがあったばかりに、望むことすら忘れてしまった様な人ですが、その悲しさが胸を締め付けました。また、秀が初めて発見した自分というものが、自分にとって好ましくない、嫌いなものであるということも。
それでも、秀の人生=創作活動についてより良きことを提供したいと考える大河は「作品について何か言って」と言う秀の求めに決して応じません。暗に「成長しろ」って言っているんですよね。「依存ではなく」って。
いや、解るよ。それってとても大きな愛だよね。でもさ、酷だよ~ぉ。
秀が自分のささやかな願いを、大河に告げることが出来たラストで良かったー。本当に小さな一歩なのですけれども、あのシーンのカタルシスで彼らの未来を信じることが出来ます。
デビューして五年、今まで一度も編集長と会う機会を持たなかった雑誌「アシモフ」一の売れっ子作家、秀が呼び出しを受けた。
そこで告げられたのは「君たち、今日から担当替えです」の一言。
あっさりとそれを受け入れたように思える大河とは対照的に、闇の中に入ってしまったように見える秀。
という話でした。
今までとは対照的に、目覚めてしまった秀は大河へのラブコールを撒き散らしてるんだけど、鈍くて鈍くて鈍くて!!!!!! しょうがない大河は、それに気づくことができない。
相変わらずの相変わらずのやりとりに、この二人はどんなに成長しないんだ!! ってなったけど、意外と秀が二人の未来を変えてしまうのではないか……? と思っています。
恐らく。
こうと決めたらブレないのは秀のほうで。
大河はきっと周りの目を気にしながら、行きつ戻りつして生きていくんだろうな……と思います。
大人になれない二人が。
とんでもない時間をかけて、大人になっていく様を丁寧に描いていただける作品。
これはもう、最後まで付き合うのが私の使命だと思っているし、見届けたいと思わせる作品でした。
今から一から読むのは、多分大変だと思うんですけど、決して損はさせない作品です。
付き合えるという猛者を募集します。