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高校生時代にはじまった恋がやがて終わりを迎え、社会人になってから再会して結ばれる話です。
再会モノってBLには多いけど、たいてい「現在から過去を見る」ってカタチになるんですよね。
でもこの作品は違う。
青くて子供だった高校時代から話がはじまります。
高校時代編がものすごーく幸せな結末で終わるもんで、次の章に入ったとたんに二人の仲が険悪になったことに驚かされることになる。
付き合って数年、蜜月はとっくに終わっていたんです。二人が再び再会するのはまた数年後です。
キャラが好きでしたねぇ。
受けは一途な天才、攻めは普通の人です。
とくに高校時代の攻めはわがままで稚拙なように見えるかもだけど、私は普通だと思いました。ただただ若いんだよ。
ゲイカップルであるがゆえに周囲の目を気にしたり、なのに自分を最優先しない恋人に苛立ったりと、いわゆる「BLの攻め様」にはめったにいないタイプではありますが、実際のところ普通のことだと思います。そういう部分をちゃんと描いてくれるからこそ、私は義月作品が好きなんですよね。
別離があったからこそ、二人はこの先も大丈夫だと思えました。
受けの職業が数学者っていうのもツボでした。
じつは最近、フェデラーの最終定理とかポアンカレ予想とか、世紀の難問に挑む数学者のドキュメンタリーを見たもんで。(すごく面白いドキュメンタリーなのでオススメです。数学苦手でも大丈夫。某tubeにあります)天才数学者をして気を狂わせるほどの難問、感動と畏怖を覚えましたが、同時に「こういう人種の嫁にはなりたくねーな」と思わされたもんでw
そう思えば、覚悟をきめた攻めもスゴいです。
受け様、いつかフィールズ賞を取ってくださいまし。
年月が経って愛情が推移していくのがリアルでした。高校生時代から始まって、社会人まで2人を追う事が出来ます。
BLで高校時代に恋人になった2人が大人になって、どんな風に変わるのかって、読者の想像の中だけで終わる事が多いので珍しいです。
義月粧子さんは、結ばれて終わりじゃなくて、その後もリアルに追求していくので、夢を見たい派には厳しいかもしれません。
だからこそ、現実味がある地に足のついたカップルが出てきます。
陸上部のエース・茅野梁璽(高二)俺様攻め×秀才・津島瑛哉(高三)健気一途受け
津島からずっと見ていたと告白されて、ホモになる気がない芽野は即座に否定する。
断った後も津島は平気で声をかけてきて、興味を引くビデオや本を渡されて、ついつい相手をしてしまう。
それでも、告白に答えるわけじゃないと釘をさすが、津島といるのは楽しくて。
津島が別の男と親しそうだと気になってしまって。
高校生時代は、ほんとに攻めがお子様です。
そんなにノンケは偉いのか!と言いたくなるような感じで、津島から好かれているので、かなりの上から目線な扱いと対応です。
この攻め上位振りが苦手で、独占欲から手を出して味をしめてと、ついていけない展開でした。
だけど、そんな2人にも蜜月があって、我慢していてよかったような甘さで安心させるのですが、そこで終わりません。
愛が冷めていき、攻めが浮気したりもあります。
一度別れてからその間に、受けもセフレがいたり、攻めにも女がいたりするのですが、お互いでないと満足出来ない。
でも、一度別れているだけに、自分達で動くことは出来なくて。
友人のお節介とバックアップ体制がなくては、2人の復縁はなかったと思います。
成長する攻めと受けで、ようやく2人でいて心地のいい距離感をつかめたという感じです。
個人的にはリアル過ぎて夢がないと感じてしまったんですが、リアリティー重視な方にはお勧めです。
エロ:★3 普通
総合:★3 高校生、大学生、社会人と、恋人達の歴史が追えるのが珍しかったです。