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お願い上手な年下の男×無防備なメガネ美人
sonomunamoto wo toiki de nurashi
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
『眠る体温』のスピンオフ作品。川本さんがマスターをしている素敵なダイニングバー「SLEEPING DRAGON」が再びお話の舞台となります。川本さん情報をちょいちょい林道に漏らしていた、ホールスタッフ立花くんの後輩・砂田が主人公。麻生作品はわりと攻め視点が多い印象ですね。
もんのすごく穏やかなBLです。エチも最後に一回のスタンダードなスタイル。
「SLEEPING DRAGON」でバイトする大学生の砂田はいわゆるスパダリ攻め。受けとなるリーマンの有川が、一度彼女と訪れてお店を気に入った同僚の加藤に連れられて飲みにやってきたのが出会いのきっかけとなります。加藤はメインキャラではありませんが、モブともいいがたい…。有川は癒し系の天然美人さんです。
攻めも受けもノンケで、例によって初めて同性と恋に落ちるお話ではありますが、とても自然な流れです。攻めの方が受けを狙っているので、常識人で繊細な受けを落とすために攻めが仕組んだ酷な演出が緊迫の山場となっているくらい。意外な人物が有川に好意を寄せていたのは、ちょっとびっくりしちゃいますけど、、。
とにかく攻めがマメにかいがいしく受けのお世話をしてしまうスパダリ属性傾向にあるのは、麻生作品の魅力の一つですね笑。少しずつ相手を囲い込んで攻めの手で落とすのではなく、一波乱起こして受けにアクションを起こさせるスタイルは一本筋が通っています。
年上受けをヨシヨシしながら少しだけ強引に欲望を引き出す、年下のスパダリはたまりませんね〜。
引き続きイラストは富士山ひょうたさん。受けのイメージがなんでこんなにしっくりくるかなぁ。
『眠る体温』のスピン作になります。
舞台は同じでしたけど、スピンを読んでいなくても大丈夫な内容でした。
二人が惹かれあっていく過程が、とても丁寧に描かれているので面白かったです。
麻生先生らしい、甘く柔らかな文章が心地よくて、やっぱり好きな作家さんだなあと思いました。
ただ最後、お互いに気持ちを確かめ合う展開だけは嫌でした。
これがもう少し違った方向で恋人関係に持っていってくれていたなら評価は違ったとおもいます。
カフェのバイト&大学生3年生•砂田 × リーマン•有川の年下攻&美人受。
友人に誘われていった初めてのバーで、有川は砂田と出会います。
余り1人では飲み歩かない有川は、店の雰囲気と、砂田の気さくで人懐こく、年下とは思えない気遣う人柄に惹かれて店に通うようになります。
砂田との会話は楽しく、店の落ち着いた雰囲気にも癒せれていく有川。
そしてアドレスを交換してからは、外でも会うようになり、年の差離れた友人関係へ…
徐々に、お互いにとって特別な存在だと思い始めるようになり…⁉︎
お互いを思う気持ちは、本当に真っ直ぐて誠実さに溢れていて、その繊細な気持ちが好感です。
ただ、有川の気持ちを確かめる為に
砂田がとった行動が嫌でした。
それまでは、大人の恋愛関係を、不器用な2人が、お互いに手探りしながら、不安になったり戸惑いながらも、相手を思いやり、優しく気遣い、大切にしたいと溢れんばかりに伝わってきていたのに…
砂田が有川を罠にかける形で、自分に対する気持ちを図るようなやり方が、それまでの優しい雰囲気を壊してしまい残念でした。
恋愛するに当たって、多少の駆け引きは誰でもすると思うし、想いが大きくなればなるほど、砂田ような行動に出てしまう気持ちも分からなくはないんです。
でも、遊び人だった砂田が、有川だけは特別で、有川には誠実になろうとする所が美味しく感じていただけに、出来れば最後まで、誠実なまま突っ走て欲しかったです。
おっとりした美人の有川は、どんな仕打ちを受けても嫌とは言わないのかな〜と思っていたんですけど!
砂田のやり方に怒ったのをみて安心しました。
砂田の考えは怒る=嫉妬と思っているので、喜ぶ展開になる点はちょっと面白くない気持ちではあるものの(笑)
有川の本気さを確かめたのなら、大切にしてあげて欲しいと願うばかりでした。
(というか、こんなことされたら普通は怒ります)
両想いを確かめあった2人の初Hの甘さは良かったです。
有川の気持ちや負担を考えて、自制しようとしている砂田の、大切に想う気持がいいんです。
そして、有川も砂田と同じ想いを感じていて…
一緒に心も体も感じ合う2人にキュンとしました。
有川の為にも将来を真剣に考えようにする砂田。
お互いに刺激しあい、将来一緒に成長していきそうなラストが、麻生先生らしく、先を楽しみにさせてくれる爽快さがあって良かったです。
全体的な流れが好みだっただけに、しつこいながらも、砂田のあの行動さえなかったらと、やはり何度も思ってしまいます(笑)
年下攻でしたけど、『彼の体温』より好みのお話だったと思います。