寡黙な華

寡黙な華
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×215
  • 萌12
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
113
評価数
32
平均
3.6 / 5
神率
9.4%
著者
榎田尤利 

作家さんの新作発表
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イラスト
雪舟薫 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
価格
¥860(税抜)  
ISBN
9784813010319

あらすじ

「では、接吻の作法を教えてやろう」桜林院侯爵家の跡取り候補として、三峯邦彦は桜林院家を訪れる。そこで、数年ぶりに従兄の千早の姿をみつける。幼い頃は実の弟のように千早に可愛がってもらった。だが、いつしかぷっつりと千早は人前から姿を消していたのだ。なぜ嫡男である千早が家督を継がないのか?疑問を胸に抱きつつも、邦彦は桜林院家を我がものにすると堅く心に決めていた。爵位や財産がほしいわけではない、だが、どうしても手に入れたいものがあったのだ。

表題作寡黙な華

櫻林院侯爵家の跡取り候補
櫻林侯爵家の嫡男

レビュー投稿数5

執着愛の物語

雪舟 薫 先生の絵を楽しみたくて、随分前に紙本を購入。
・・バランス良い人物画、丁寧な書き込み、雪舟先生の絵はとても綺麗。

魚住君シリーズの魚住君と似たパターンの、失ったものを取り戻す話。
侯爵家の嫡男 千早と久しぶりに再会する邦彦。
でも、千早はトラウマを解消できず、外に出られない。

そして跡取り候補になった邦彦は、
千早に執着する余りに千早を追い詰めて、壊してしまいそうになる。

百合の花が話中に、何度も登場。
千早のイメージは、純白の百合より、
古事記にでてくる狭井川のササユリといった印象。

0

お金持ちの遊び

表紙のイラストがとっても目をひきます。
雪舟薫先生です。
繊細で綺麗ですよね。うっとりします。
お金持ち同士のラブストーリー。
受けはお金持ちで病弱で 立派なお屋敷で暮らしている。
毎日庭の花をながめている生活です。
一方 攻めもお金持ち。
受けの事を小さい時から気になっていて狙っている。
わがままで 粘着質な男だ。
受けの突然のとっぴな行動に攻めがキレちゃって
強姦監禁しちゃうのですよ。
あるあるパターンです。
攻めが受けの事を好き過ぎて 受けの精神を壊してしまいます。
当て馬(友人?)と付き合うほうが幸せって分かっているけど。
恋愛って不思議です。
ダメな男に惹かれちゃうのよ・・・。
どうしようもないよねえ。わかるわかる!! 

0

愛情は、見えない花のようなもの

同じ花が、想う人の心に咲いてくれるとは限らない。もし咲いていても、見えない。

ということで、華族物。

お話の全てのイメージが「百合の花」に象徴されていく展開が素晴らしい。
蕾の百合だった千早が、邦彦の執着と激情に翻弄されて、そして開花する。
ありがちな幼なじみ執着物の王道のようでいて、「百合の花」を核に、すっきりと揺るぎなく展開する物語。
お話のほとんどは攻め視点。
それは攻めの邦彦にばかり愛欲と肉欲があって、千早の方にはそれを受け取る心の言葉がまだ育っていなかったから。
形は監禁強姦でも子どもの恋だった二人の関係は、3年の年月をおいたことで、千早視点に変わります。
最初から邦彦を受け入れていた千早の心。
3年経っての再会のシーンがよかったです。

3

攻の視点から

櫻林院家の跡取り候補として、三峰邦彦は数年ぶりに櫻林院家を訪れた。
ひさしぶりに再会した従兄弟で本来ならば櫻林院家の当主である千早は相変わらずたおやかな風情だ。
幼い頃は実の兄のようにかわいがってもらった人。
いつしか世間から姿を消し、庭の百合に愛情を注ぐ青年はどうして家を継がないのか。
疑問を感じつつも邦彦は現櫻林院家当主である伯父の要求を受け入れた。
どうしても欲しいものを手に入れるために。

優しくてかよわくて百合の花みたいな千早と、そんな彼に優しくしたいという気持ちと同時に征服欲をかき立てられる邦彦と。
再会してわりあいすぐに千早を手に入れたいと感じる彼の征服欲がまっすぐすぎて思わず拍手です。
時々「なにいってるんですかアンタ!?」とつっこみながら読みました。

物語のほとんどは攻めである邦彦の視点で進みます。
どうしても女役である受が主人公であることが多い(今はそれほどでもないかな?)中では、邦彦の征服欲がストレートに伝わってきてそういう意味ではおもしろかったのですが、部分的には千早視点の方がいいかもなーと感じる部分がありました。
邦彦さん。割と自分の欲望の赴くままに行動していますが、千早からみたら、強引だったり突然優しくなったりとわけわかんない人だと思うので。

色々あって拉致監禁。過去のトラウマ。発作。年齢退行etcでエロ度高め(榎田さん的には)など、好きな展開だったんですが、どこかで見た感じというか、目新しさはあんまり感じませんでした。
それがちょっとだけ残念かなあ。

3

しっとり

榎田尤利さんの幅広い上手さが実感できる良作でした。
物語全体を流れる空気感は、けだるいセピア色です。表紙の色使いがこれほど似合う作品はないと思った。
しっとりじっくりしたストーリー進行のなかで進行する、炎のような激しい愛の姿を描いてました。

主役は邦彦(攻め)と千早(受け)。二人は幼馴染みです。何年かぶりに再会し、視点が交互に入れ替わりながら話が展開していきます。
邦彦にはただ一つ欲しいものがあった。それが千早だ。そのためには手段を選ばないという固い決意のもとで、千早の家に入り込む。
千早は部屋を出れない。身体が弱く、子供時代に受けたトラウマのせいで対人恐怖症なのだ。
お互いに惹かれてゆく二人なんだけど、性急な邦彦とゆるやかな千早とでは、うまく歯車が噛み合わない。身体を重ね、お互いに求めあってるのに、相手の心が分からないのだ。
そして邦彦は、あやまちを犯す。それは、許されないあやまちだった──。

邦彦がバカです。
表面上はオトナで理知的なのに、千早に向かうときだけはバカになる。愛しいバカなんですが、それは読んでる私たちには伝わるけど、千早には伝わらない。
もどかしく、切なかった。やり方を間違ってるだけなんだよと、伝えてあげたかった。
でも最終的にはこれが最上だったと思った。邦彦には、三年ぶんの後悔と懺悔で頭を冷やす必要があったと思うし。
面白かったです。

4

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