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作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
抱きしめたいシリーズの新装版の四冊目です。
ここで過去編。
彰と歴也、二人の高校時代の出会いなどなど、過去にあった様々な出来事が連作で語られます。
出会い編の『AND CLOSE TO YOU』なんて、旧版では第一巻に収録されてたエピソードなんですよねー、新装されて見事にバラバラ。解体され構築しなおされて、全体の完成度が上がったシリーズなのだ。
二人の恋の最初は、歴也の一方的な片思いでした。奔放に、色んな男と浮名を流してる彰を、ただ見てるだけ、という。
彰は最初は、イタズラ半分な気持ちで歴也にちょっかいを出す。
のちに彰は『歴也は簡単に落ちてきた。キスもセックスも簡単だった。けど、まったく手に入らなかった。捕まえても捕まらない』みたいなことを語ります。歴也視点なので、そのあたりの彰の感情は読みにくいんですが。
無垢な小悪魔歴也は、彰のそんな感情にはまったく気づかず、『彰はいつか自分から離れるだろう』という諦めの気持ちで付き合ってます。だから嫉妬もしない。
すれ違いつつもこの後七年間も続く恋人関係の心のからくりが見える、そういう過去編です。
シリーズ4冊目、まるっと高校時代のお話でした。
上領彰、本当に15歳!?!?
いくら複雑な家庭事情でもスレてんなぁ…。
美貌の生徒会長・周防に手を出しておいて
他の男にも手をつける不誠実さ。
自分の思い通りにならないから不安で仕方ないんですね。
周防が泣き喚いて縋れば満足??
冷静に突き放されるシーンで
「あんたはひとつも、俺のことは考えてなかったって言うのか?
俺の、俺の気持ちってやつを!」
こんな身勝手なセリフをよく言えるものだな…。
責めるなら他の男を抱いた自分を、でしょうに。
周防のセリフがいちいちド正論で
彼も高校生らしからぬDKでしたが
そりゃ彰を好きだから関係を持ったのにつらかっただろうな。
歴也へのアプローチもからかってばかりで
本音の見えない相手にどうして惹かれてしまうんだろう。
かっこいいから??
庇護欲で人を愛せるのは
ごく普通のあたたかい家庭に育った歴也だからかもしれませんが
やっぱり私は彰が好ましく思えない。
歴也に対してではないですけど「ちょっと遊んでやったくらいで
いい気になられたって知るか。うんざりだよ」
ヤリ○ンの常套句も出ますし。
歴也がすんなり「好きだ」と言っていたら
彰は簡単にまた捨てていたかもしれません。
“おせっかいな変わってるヤツ”に対して
「お前、おもしれーじゃん」的な気持ちになって
自分を心配してくれて世話をやいてくれるから甘えてたガキそのもの。
「そばにいてくれ」は彰の心の叫びだったのかもしれませんが
すぐまた遊びといいながら違う男を抱くし
体調を崩して、歴也が介抱してくれる為に家に呼んだ時の
また不誠実な言動にがっかりです。
“今ヤれないなら違うヤツのところに行く”という演技だったにしても
歴也を不安にさせてばかりで
自分が手綱握ってるみたいな勘違いが本当にイヤ……。
そこが可愛げだと言われればそうかもしれませんが
腹立たしいとしか思えないので私は歴也ほど心が広くないのです。
彰の不誠実のオンパレードでメンタル消耗してしまいましたが
いよいよあと1冊、歴也の幸せを願いつつ読ませていただきます。