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便利屋に勤める浩之が、その依頼先で出会ったのは、長身美麗なのに超粗忽物な森山だった。
妻と別れ、一人暮らしをするという森山の引越し作業を手伝った浩之だが、依然、どこかで彼に会ったような気がしてしょうがない。
けれどそれを森山に告げると、意外な激しさでそれを否定する。
ところが、浩之が通う剣道場で、なぜか自分の師匠と親しげに話している森山を見てしまい、浩之は更に混乱してしまう。
しかもその挙句、酔いつぶれて記憶がないまま全裸で目覚めた朝、浩之の隣には困ったように微笑んでいる森山がいて――!?
というような話でした。
実は浩之が剣道を始めるきっかけとなった男の人が森山で。
森山はその後、事故に巻き込まれて剣道も止めてしまっていて、それどころかリハビリもちゃんとしてなくて……という状況だったのを、浩之と剣道がやりたい一心で、再び剣道を始める、という流れの話でした。
なんというか。
始めの森山のふらふら具合が、ただのリハビリをやらなかったから、だったことに拍子抜け。
やたら小銭をばらまいたり、微妙に記憶力があいまいそうなフラグを出したにも関わらず。
もう一度、剣道を再開しようとした森山にはまったくその片鱗も見えなくなってしまっていて。
ちょっとだけ「??」ってなりました。
もし、リハビリ不足が原因でああいうことになってしまっているのであれば、あそこまで重くする必要もないし、思わせぶりな描写もいらなかったんじゃ……? と最後までちょっと引きずってしまいました。
何がどうしてどうなるのか、もうちょっと考えてほしかったかなー……というのが、正直な感想です。
ちょっとそっち方面に詳しすぎるので、余計に気になっているせいもあるかと思いますが。
それ以外は特に問題なく、普通に楽しめる小説だったと思います。