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いやはや、日本語って本当に美しい!
三島由紀夫の小説のような、
戦前のたおやかなエレガンスが見られます。
古風ないい廻しが、なんとも綺麗。
やや漢字が多く、京言葉もほどよく散りばめられ、
言葉のエレガントさは秀逸。
BL小説も、なかなかやる…とうならせる作品。
お話の舞台は戦後で、旧華族も落ちぶれた時代。
高貴な血を引く少年・薫も、闇屋あがりの高階に、
いいようにされてしまうのですが…。
最後の最後まで、やはり高階の許には戻りません。
エロ描写は普通なのに、この言葉使いのせいか、
数倍、壮絶に色っぽかったりします。
腐女子たるもの、
ときにはこんなエレガントな日本語にふれていたい。
とにかく文章が美しかった。
日本語の美しさを感じる作品。
人に薦めたいのになかなか難しい、人を選ぶ作品かもしれないが読み始めたならば最後まで読み切って欲しい。
BLではなく耽美、山藍先生の凄さを思い知る。
山藍先生の小説を初めて読んだのがこの小説でした
まずは文章の美しさに引き込まれ、何度も読み返してしまいました
エロと文学の融合とはこういうものなのではないでしょうか
耽美を堪能しました
先日ちるちるさんの「答姐さん」でこちらの本がトピで出ているのを拝見して、興味をそそられ手に取ってみました。あのトピを立ち上げてくださった腐姐さま、そして回答してくださった腐姐さまに感謝です。
山藍先生のお名前はもちろん存じ上げていましたが、作品を読むのは初めてです。この作品が書かれたのは昭和60年だそうですが、まさにその時代に主流(というか流行り)だった耽美の世界にあふれた作品でした。
戦後、階級制度が崩れ、成り上がりモノが大金を手にしてのし上がっていた時代。そんな成金上がりの一人である高階には病弱な腹違いの弟・薫がいますが、高階は薫を囲い込み凌辱し続けています。
その薫の主治医として高階家に住み込みで雇われた医師が攻めの秀一です。
秀一が、息子に当てた手紙(遺書でもあり、自身の懺悔でもある)で、自分の過去を回想するという目線で話が進んでいくのですが。
雇い主である高階が溺愛している薫と恋に堕ちるという身分差の恋。
男同士であるという禁忌。
高階と薫は母親は違えど本当の兄弟であるというタブー。
今でこそさほど衝撃的な内容ではありませんが、この作品が書かれた当時はさぞかしセンセーショナルな内容だったと推測できます。
秀一と薫の、互いを大切にし想いあう純愛が、何とも耽美な文体で綴られていて、この雰囲気こそこの作品の魅力なのでしょう。
ただ惜しいと思ったのは、薫が女の子に見えて仕方がなかったこと。
病弱ゆえに薄い体に色白な肌。
美少女と見間違うほどの美貌。
長く美しい髪。
兄の高階の好みで着せられていた女性物の着物姿。などなど。
BLでありながらその要素が薄かったのが残念と言えば残念でした。
けれどそれらをはるかに凌ぐ美しい文体と二人の純愛にうっとり。耽美系の小説は久々に読んだこともあり、懐かしくもあり、またその美しい雰囲気に魅了されました。