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不破さんのイラストに惹かれてなんとなく手にとってしまった古い作品です。
文章や挿絵に時代を感じさせますが楽しめました。
小学3年の志乃木が古い洋館で出会った少年は胸を刺されて血を流していた。
それから7年、志乃木はあの時の少年を探し求め、洋館の跡地に建てられた高校に入学していた。
ある日やってきた転校生の乾を見て、あの少年が年も取らないそのままの姿であると気がつき、ようやく見つけたという思いでつきまとい始めます。
7年前の出来事と、洋館の管理者からの話しにそれらからの想像で少年の正体を見抜いた志乃木は、いつか探し出して一緒に行くことを心に決めていたのだった。
最後まで乾の正体ははっきりしません。
乾の体液を摂取すると不老不死になるらしいがそれはそういう一族なのか、作られた生物なのか仲間や敵はいるのか、いつから生きているのかそう言った背景はほとんど説明がありません。
志乃木は一見やんちゃだけれど明るくて陽気な人気者、たまに羽目を外すが先生たちからも目をかけられている。
でも、本当は、両親をなくし大切な人はみんないなくなると考えるさみしがりな繊細な少年でした。
ほんのひと時の出会いだった乾に恋してずっと追い求め、いつかきっと会えると信じ一緒に行くための準備を着々と整えていたという。
陽気な顔していてもいつか去って行く友人たちとも一線を引いているところが悲しかった。
孤独な心を抱えた二人の少年が永遠の時の中で、癒し癒される存在として寄り添っていける事に安堵しました。