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amai shizuku no michiru yoru
好きな人にはたまらないでしょう。
明治時代を舞台にした時代物で年の差、身分差もあり。
無垢で幼い受に色々教えるBL版シンデレラストーリーでもあります。
和泉さんの文章は読みやすいし、二人の想いが繋がるまでの心情の移り変わりがしっかりと描かれていて、
ささいなやりとりにも萌えるし、場面運びも上手い。
心理描写の面でも萌えられます。
気の強い毛を立てた猫のような受が攻に心を開いて信頼し、
過去のことで人生を怠惰に生きる攻が受に影響されて、心を動かされる過程は丁寧で、心が温まって非常にときめきました。
そして、二人の心がすれ違う場面はとても切ない。
お約束でベタな話でありながら、飽きさせないし長く感じさせないのは和泉さんの力量だと思います。
佐々成美さんの美麗な挿絵も相乗効果です。
彼女の描く少年は本当に幼くて可愛くてショタ度が倍増だし、
30歳くらいの社会的立場のある攻もなんだか良い香がしそうな男前に描いてくれて
物語がさらに盛り上がります。
優雅に暮らす華族の攻め×生活に困窮し上京してきた受け。
受けの、田舎育ちの子供、って雰囲気が良く表現されてるなぁと思いました。警戒心が強くてぶっきらぼうなところがすごく良かった。
こういうシンデレラストーリーっぽいお話だと、大体純真無垢で儚げで・・って受けが多いので。そういうのが新鮮でかえって可愛く感じました(*´∀`)
攻めは包容力のある大人キャラですが、過去の傷から弱くて臆病だったりします。実は攻めのほうが受けを必要としていた、みたいな。
まぁこのあたりはよくあるパターンかな。
エロはごく標準的です。
それにしても、何故お金持ちの家にお世話になった受けはみんな置き手紙残して勝手に出て行こうとするんだ!w
まず、ものすごくよくあるストーリーだな~と感じました。キャラクター・舞台設定だけで最初から最後まで見通しが立ち、しかも実際に読んでも、それが何一つ外れてなかった。正直、ホントに似たような作品が浮かびました(しかも、どうせ似てるなら私はその別作品の方がずっといいと思う)。
でもそれは別にいいんですよ。王道(マイフェアレディ・シンデレラもの?)ですし、『この設定ならこの流れ』というお約束があるのは構わないんです。文体(文章表現)はともかく、ストーリーの骨子は共通点があって当然、というかだからこそ王道なんでしょう。
ただ王道・ベタだからこその、作家さん独自の部分がこの作品ではキャラクターだったのなら、私はそこにまったく魅力を感じませんでした。
特に、知里(受)が頑固でツンツンし過ぎで、もう最初から最後までうっとうしくて堪らなかったんです。これならまだ『いかにもなうじうじした弱々しい健気受(←これが私の好みというわけではないです。確かに健気受は好きですが)』の方がなんぼかマシだったと思いました。
広瀬(攻)は、こういう設定・ストーリーにありがちなそのままの攻キャラクターでしたね。もともと私の好みではないし、魅力も感じませんが、受のタイプによってはOKだったかもしれません。
とりあえず、自分には『主従』ツボはないようだ、というのはわかりました。逆に、『旦那様』に萌える方には最適なのでは。
和泉さんは私の中では『メロドラマ作家』の位置づけなんですが、まあこれも、わかりやすくて読みやすい、メロドラマには違いなかったですね。