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tenshi wa umareru
作家さんの新作発表
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これぞBL大河といってもいい大長編シリーズ。
10年ほど前の作品ですが、古臭さは全く感じません。
現代ものはやっぱり小道具等で時代を感じることもありますが(でもそうゆう懐かしさも好き)ファンタジーにはそれがありませんね。
9巻まである作品ですが、シリーズトータルとしてのレビュー・感想とさせて頂きます。
まず、設定だけで見るともう主人公のイリの流転する人生の壮絶さにびっくりです。
滅亡した王朝の末裔で、奴隷として貴族に売られ、その後は王様に身請けされ・・・って。
実は読む前は、どれだけアレなシーンばかりでご無体な目に合わされるのがドキドキしてたのですが。
読んでみればそういったシーンは多々あれどそこまで凄惨ではありません。
なんといいますか、一部の方は除きますがイリのお相手は皆さんちゃんとイリを愛してるんですよね。
ちょっと歪んだ形でわかりづらくはありますが、イリの事をちゃんと想ってる。
イリも最終的にはヤンアーチェと生涯を共にすることになりますが、愛とは言えないまでもそれまでの相手にも情を持っている。
だから、複数と関係を持つ受けはあまり好きではないのですが特に不快にも思えませんでした。
あと、攻め(最終的な)が女性とも関係を持ちますがその女性は嫌な女性でもないのも良かった。
女性が魅力的なBLっていいですね。
国家間の事情もきちんと書かれているところもすごく面白かったです。
勿論あくまでBLなので、政治面はそこまで複雑ではありませんがそれでもBLでここまでしっかりした設定を書かれてるのはすごいなあと。
テンポも良いので、大変ボリュームのある作品ですがスラスラ読めました。
ただ、最終的にはハッピーエンドだし後味も決して悪くないのですが。
ラスボス(?)との最終対決があまりにも呆気なかったかなあと。
この風呂敷どうやって畳むの!?っといった感じだったのですがあっという間に畳まれてしまって。
いや、細かいところは突っ込んじゃいけないとは思うのですが。
そして最後のイリの奇跡は二形設定というところからもある程度は予測してましたし、
物語の結末としてのよかったとは思うのですが。
BLってやっぱり子供を産めない所に物悲しさとか葛藤があると思うので、幸せな結末ではありますが、少しだけ複雑でした。
こういう何巻にも渡る長編って、レビュー書くのが難しいんですよね。この作品もそうなんですが、私は『シリーズトータルでどうか』と捉えることが多いので。
でも、ちるちるさんのレビューは各巻ごとになってますし、なかなか書きたくても書けないでいたんですが、とりあえず完結編であるこちらに、総評を交えて書いてみます(1巻にも一応『導入』的な感想を書いてます)。いずれ間も埋められたらいいなとは思いますが。
正直、厳密にこの巻だけなら『神』はないと思っています。でも、この長編シリーズの締めくくりとしてなら、『神』しかないんですよ。
冷静に考えると、この作品には私の苦手要素が山盛りなんですね。すぐに思いつくところを挙げても、『受が決まった攻以外と関係する(それも複数。数えきれないくらい。こういうのを『総受』って言うのかな・・・)』『3P日常茶飯事(具体的な描写は数回しか出てきませんが)』『暴力的な描写』『(最終的な)攻が女性と派手に関係する』・・・自分で書きながら『よく受け入れられたな・・・』と思うくらいなんですが、それでもすごく好きな作品です。
この作品はヤンアーチェ(攻)×イリ(受)という図式では説明できません。いわばイリの半生記(あるいは一代記)であって、主役はあくまでもイリで、ヤンアーチェは単なるイリの最終的な相手役に過ぎないんじゃないかとさえ思えます。←私がどうしても『受』に感情移入して読んでしまうから、余計そう思うのかもしれません。攻ポジションの男どもはしょせんイリとストーリーの引き立て役(ヒドイ・・・)と。
しかし、イリはヤンアーチェとの前に(後もだよ!この方が問題か?)一体何人と・・・orz
長い長いストーリーが、あのラストに向かっていくのかと思うと・・・ただこの9巻はあまりにも駆け足というか、せっかくここまで物語を積み上げてきたのに、最後の最後で急ぎすぎた感が強いのが残念です。広げに広げた物語を、必死で畳もうという感じでしたから。
ここで端折るくらいなら、途中もっと浅く流すべきところがあっただろう、と思ってしまうんですよ。
でも、あのラストは(個人的にホークァンはちょっと・・・でしたが)私はあれはあれで好きです。チカラワザとでも言いたくなるくらいに、ある意味強引な、わざとらしいくらいの大団円でしたが、はっきりしたハッピーエンドだからこそ、そこに至るまでの暗さも痛さもすべてひっくるめて(どれほど個人的な苦手を含んでいたとしても)、最終的に『大好きな作品』になったのだと思います、私は。
イリの辿りついた先(運命?)も私はよかったと思います。根本的なイリの設定や、タイトルの意味が生きてきますしね。BL的に許容できない!という方もたぶん多いんだと思いますが。
ネタバレを避けようと思うと、どうも曖昧な言い回しになってしまってすみません。
でもこれは、『BL』としてでなくても、十分通用する作品ではないかと思います。
あとは、金ひかるさんのイラストも素敵でした。まあ、私がもともと金さんが好きだから余計ですが。
こういう『かなり読み手を選ぶだろう』作品を薦めるのは躊躇してしまうんですが、それでも少しでも興味を持たれたら是非!読んでみてください、とだけ言っておきたいです。
せっこさま。
コメントありがとうございます。気付くのが遅れて申し訳ありません。
今まで何度か、恐る恐る『GENEが好き』と書いてみてはいたんですが、まったく反響がなくて『あ~、やっぱりマイナー(ある意味キワモノ)なんだな・・・』と諦めていました。
それが、Q&Aで『好き』だと言ってくださる方が他にもいらして、思い切ってレビュー書く気になれました。
まさに『大人向けの冒険活劇』ですよね。同感です。私もこういう作品、また読みたいです。
すごく嬉しかったです。ありがとうございました!
まさに、おっしゃるように『BL』という枠組みを超えてSFファンタジーの好きな方に読んで頂きたいシリーズですよね。当時五百香さんは「タイタニック」が好きだと何処かに書かれていたのを思い出しました。またああいう五百香ノエルさんの大人向けの冒険活劇が読みたいですね!
私もこの作品が大好きです(*^。^*)
つ、ついに完結してしまいました。
長い小説を読むときはいつもそうなんですが、完結してしまった時の「もう、続きがないんだ……」の喪失感はすごいですよね。
この巻では、イリの覚悟が問われます。
というよりは、前巻の最後で攫われたイリが、自分の一番いたい場所に戻るために、腹をくくるんですが。
そして、ついにラカとイリが直接対峙して、イリはその状況にあっても、自分の身を守るために、立ち向かって……
という話でした。
イリの体に起こった奇跡も、まぁ、思った通りの奇跡だったんですが。
最後の皆のハッピーエンドぶりに、なんか、いいなー……と思ってしまいました。
どの人も、皆、ベビーラッシュで。
こうやって、命とかいろんなものがつながれていくことが、正常なことなんだ……と、思うと、いろいろ愛おしいです。
幸せって何なのか、覚悟って何なのか、愛って何なのか、改めて考えさせられた話だったような気がします。
きっと怖がってちゃダメで、一歩踏み出すことが大切なんだな、と思いました。
長い長い物語が、きちんとあるべきところに完結したことが嬉しくて。
皆が幸せになれたことが嬉しくて。
でも、物語が終わってしまったことがちょっぴり悲しい、そんな話でした。
長い長い物語ですが、途中で投げずに、最初から読んだらずるずる引き込まれてしまうこと請け合い、なので、オススメします!
最初のうちは、読むのがちょっとつらいですが、頑張って最後までたどり着いてください。
意地っ張りで、投げやりだったイリが、幸福をつかむ過程はとっても素敵な物語でした。
ネタバレしたくないので、抽象的なことをいっぱい書きすぎて、よくわかんない文章ですが、ちょっと重たい目のファンタジーをBLで読みたい方にはオススメできる、いい終わり方をした物語だと思います。
ただし、両性具有に抵抗がなければ、の話ですが(最初、それで一回読めなくて断念した)。
いやーー波瀾万丈なイリの人生、毎回ハラハラドキドキしつつページ捲っていたシリーズも今作でラスト。
ネタバレは極力避けるとして、今までの伏線や謎が全てこの巻で明らかになるです。
文字通り期待を裏切らない最終巻。
そして驚きのラスト、こう来たかーーーーー!!!
大円団で終わったこの物語、読み終えて本を閉じるとそれまでの話が頭を駆け巡って色んな事があったなーーとしみじみ。
イリがフタナリ設定な事や、SFファンタジーというジャンルもあって多少なりと手に取りにくい印象もあるかもしんないですが、イリは芯はしっかりしてるし話は壮大で設定はよく練り込んであり読み応え抜群です。
がっつり読みたい方にはオススメなのですよ!
金ひかるさんの挿絵もイメージを膨らませてくれました。
脇人物も魅力的で、登場人物全員に物語りがあってそれぞれの話を読むのも楽しかったです。
いや、素敵で読み応えあるシリーズでした。大満足。