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前作『鍵のかたち』は文句なく『神』、きたざわさんの最高傑作だとさえ思っています。ただ、好きであればあるほど、続編に対する評価というのは(相対的に)下がってしまいますね。でも、あくまでも前作に比べたら・・・ですから。これはこれでよかったです。
前作でCPになったわけですが、その過程でいろいろとあったために、お互いが気を遣い過ぎてしまって・・・就職もして、対等に扱って欲しいと願う実浩と、囲い込んで甘やかしてしまう雅人。どちらの気持ちもわかるんですよね。
いやあ、雅人がすごいうっとうしいヤツでした。でも、このうっとうしさはさしてイヤじゃないんですよ。理由がハッキリしてるからっていうのもあるんですが。
前作では、雅人は非の打ちどころのない完璧な大人のように見えていたのですが、実は子どもじみたところもあり、育った環境の違いもあって、実浩の考えが理解できなかったりするんですよね。雅人の幼馴染・絵里加が言う『お坊ちゃまの上に芸術家だから』ってのがもうそのままでした。
でも、恋がいったん成就した後の続編でありがちの、ストーリーの都合上強引に作られたようなトラブルでぐるぐるのループ、というのではなく、2人の気持ちのすれ違いや、相手を理解し切れないもどかしさ・戸惑いがとても自然でした。
職場で実浩が襲われたり、前作では完全に悪役だった竹中(雅人の父の秘書)が、実浩にアプローチしてきたり・・・そんなこんなを乗り越えて、2人の絆は深まっていくんです。そして・・・竹中はこちらでは脇で終わって、スピンオフの部屋シリーズで見事主役の座に着くわけですね。
ホントに好きです。
『鍵のかたち』がかなり好きだったので、続編も読んでみました。
前作に比べると、ちょっと面白さが失われたかなと思います。
やっぱ、できあがったカップルの続編は、よほどのプラスアルファがないと、前作を越えられないなァと思いました。
ただ、つきあいはじめた年の差カップルの心のすれ違いが、繊細に描かれている点は、とても良かったと思います。
年上攻めの子供っぽさは好きでした。頭もいいしオトナだし、対外的には非のうちどころのない男なのに、受けに関することについては盲目になってしまうというそのギャップが。
あと脇役の竹中が良かったな。クールで知的なメガネ攻め。
彼を主役にした話が読みたいなと思いました。