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抱きしめたいシリーズの、旧版の第二作目です。
短編が三つ入ってます。
簡単にいうと、付き合って七年以上になる二人が、ひたすら痴話喧嘩してる話ですw
傍若無人でわがままで浮気者の彰と、そんな彰に振り回される真面目な歴也。
出来上がったカップルの話はあんまり好きじゃないんだけど、このシリーズは妙に好きです。
でもでもこの2巻はあんまり好きじゃないかな。ほんとにただの痴話喧嘩なんだもの。やっぱスリルが欲しいんですよ。次巻からはスリルの量が増えますがw
この二人はこんなに長く付き合ってるのに、ぜんぜん出来上がってないんだよねぇ。方向性は違うんだけど、不思議なぐらいお互いに不安を感じてる。
彰のようなタイプって、なぜか好きです。浮気者なのに一途っていう、一見すると矛盾してるんだけど、本人のなかでは整合性が取れてるキャラ。だからか、浮気者なのに憎めない。
ただ、作中ではとことん苦しんでくれと思いますw自業自得で苦しむアホアホ男を見て萌えてしまう私が、ちょっと変わってるのかも知れないけどね。
基本的にこの作者さんの話は好きなのですが、どうしてもこの作品は好きになれなくて……
もちろん、今より文章がこなれてないから、とか、いろいろなことがあるとは思うんですが……
どうしてなんだろう? と、疑問を持っていたら、気付いたことが一つ。
「登場人物のことがそんなに好きじゃない」
ということに気が付きました。
基本的に、歴也も彰も、イマイチ煮え切らない態度なんですよね。
まぁ、男同士のそんなにオープンにできない恋愛をしているのであれば、それもある意味しょうがないような気はするんですが、いかんせん、歴也も彰もはっきり相手に対して、はっきりした意思表示をしないんですよね。
歴也が煮え切らないのは設定上のこともあるかと思うんですが、それでも、どうもはたから見ているとあれこれ理由をつけて、のらりくらりとかわしているだけのような気がしました。好きなら好きって言ってぶつかっていけばいいのに! と思ってしまいます。
対照的に、彰は「好き」っていう意思表示をするんですが、「歴也だけが好き」っていうのじゃなくて、ただ単に「歴也が好き」なんですよね。
普通だったら、それで全然問題ないと思うんですが、何せ、彰には前科がたーっぷりあるので、歴也に信用されてなくて、それが歯がゆいんだったら、もっとはっきり「歴也だけが好き!」って意思表示をすればいいと思うんですが。
歴也を試したい、という気持ちもあるんでしょうが、時々、あっちこっちをふらふらしてるふりとかして、結局のところ、また歴也の信頼を得られないようなことをしまって……とただの悪循環……
そんなまどろっこしい二人が、まどろっこしいまま、愛を紡ぐお話。
基本的に、この作者さんはそういうもどかしい感情を描くのがうまい作者さんだと思っているんですが、ここまでくると、もう「まどろっこしい」です。
個人的にはあまり好きではありませんでしたが、そういうのが好きな方には向いている、かと思います。