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十日で五割の利子をとる闇金融業(十五業者)の社長と、借金男の甘くコミカルな作品です。
表題作と続編の中編2本立てです。どちらも泰正の目線で進みます。
「色男はお金がお好き」
泰正(受け)は恋人に望まれるままカードで出費を続け、遂に借金地獄に陥ります。恋人にはフラれ、親には自己破産しろとつきはなされ、最後にたどり着いた「村上銀行」は、元同級生・瑞穂(攻め)が社長の闇金。高校生時代は太っていた泰正はいじめられていたつもりが、瑞穂は当時から好きだったと言い…という話です。
「不夜城に金が降る」
表題作の続編です。瑞穂は闇金二代目。会社を興した初代の父親の過去になにやら謎があると知る中、泰正はヤクザにさらわれてしまい…。父親の事情明らかになると共に、今まで泰正に手を出さなかった理由も判明します。
瑞穂が可愛いです!泰正を落とそうと必死で脅したりなだめたりと口説く瑞穂の必死さが愛らしかったです。短時間で掃除をしてワインを用意したり、泰正に「彼女」になってもらい浮かれている姿が何とも言えません。白いぷよ時代から泰正に一途だとか、闇金社長とは思えないラブっぷりです。
一方、泰正はよく分からないまま借金を作ってしまう程の流され男です。瑞穂への思いも、多額の借金を返してくれ、ケチな瑞穂がオゴる程の優しさを知り、それほど求められるなら…で始まった感じです。世間知らずだと言えなくもないですが、社会人とは言えまだ23歳ですし、根は真面目なので好感は持てます。
あとがきには作家様の2ページの他、イラストを描かれた麻生海さまの1ページがあります。耳の生えた瑞穂の笑顔が見れます。
普段は冷酷なのに、ベタ惚れの受けだけには甘い攻めと、ほんわりとした同級生受け、コミカルで楽しい話が読みたい方にお勧めします。ただ借金&闇金がテーマですしヤクザも登場するので、その系統が苦手な方はご注意ください。
なお、続編として「色男は王子様がペット」が出版されています。この作品が気に入った方は必読です!
受がですね、ダメ男なんですよ。
泰正は結構いい会社に勤めていて美形なのに、ズルイ女にばかり引っかかりブランド品を貢いで高い料理を貢いで貢いだ挙げ句に別れられてしまうというダメ男。
しかも一度大学時代に、父親支払いのカードで散々貢ぎまくったので父親にカードを止められたっていう過去があるのに全く懲りてない。
出だしは女性とデートしていて、既にあちこちのカード会社に借金がありまくりなのにも関わらずブランド物をホイホイ買ってプレゼントしちゃう。
しかしその貢いだ彼女にも振られ、カード自転車返済で首が回らなくなりついに、普通のカード会社では貸してもらえなくなり高利貸し業者へと足を運ぶ事になる羽目に。
その額積もり積もって約2千万。
ダメにも程があるわーーー!!って感じの優柔不断なダメ男。
そうやってたどり着いたヤミ金融の社長は学生時代の同級生、瑞穂[攻]
以前の泰正は太っていて、更にその性格から虐められっ子だったんですがその中でもとりわけ、泰正をからかった相手が瑞穂。
泰正ってダメ男だーーーと思うんですが許せちゃうのはこのかつて太っていたっていう部分なんですね。
元不細工ってとこにブサ受スキーの血が萌えてそれで何か許せちゃう。単純だーー自分。
瑞穂は自分の愛人になれと強引に、そして言葉巧みに言いくるめて泰正をモノにしちゃいます。
しかしこの瑞穂、本来は節約家のケチ男、なのに泰正には金を惜しまず特上寿司を取ったり、ワインとチーズを用意したりと彼に対しては妙に可愛い。
金にルーズな泰正と、世の中金だ!と言わんばかりの瑞穂。
愛人にはされちゃった訳だけど愛されちゃってるし、何よりそのルーズさや危なっかしさをきっちり指摘してくれるしで良かったじゃん泰正!って思っちゃいました。
瑞穂が美形になった泰正に惚れた訳じゃなくて、太ってた時から好きだったというのが萌えツボ。
金にだらしないというより、”貢ぐ君”のあまり莫大な借金を背負ってしまった貧乏会社員と、街金を経営する超ドケチな元同級生の再会モノ。
これ読むとデフォルメされているけれど、何だかすごく現実っぽい感じがします。
金に絡むことですからね、、割と身近に思えるのかも?
有名商社に勤める泰正が、女の言いなりで何でも買い与えた結果、とうとう首が回らなくなり街金から紹介されたのが、昔同級生で泰正が苛められていた瑞穂でした。
業界屈指の色男と言われる瑞穂と、これまた色男の泰正。
オレの愛人になったら借金を肩代わりしてやると言われ、元来優柔不断な泰正は流されるまま、、、
これだけだったら何の変哲もない、借金のカタの愛人契約話ですが、どんな樹生節が付くかというと・・・
瑞穂は泰正にはめっぽう甘い!
彼を迎える為にアルマーニやら、チーズやらワインやら、高級寿司やら用意して。
本当はドケチで、”世界は金で回っている、俺も金で回っている””親はなくても子は育つが、金がなければ育たない”というほどの真正守銭奴。
そんな彼が泰正の為には金に糸目をつけないのは、そんだけ惚れてるってことなんですが、
泰正が女に金を使っていたのとは、ちょっと違う。
求められて流れで与えるのと、求められなくても与えたいと思うのでは、気持ちに雲泥の差があるのです。
全編を通してこんな調子で泰正に甘い瑞穂というのが描かれているのですが、そんな中で瑞穂の生い立ちとか、街金をやっている理由とか、わかってくる。
そして、天然でもそれなりに泰正は成長していってるんですね。
瑞穂の優しさは泰正オンリーで、他の債務者にはニコニコして高額をバンとキャッシュで貸すのに、取り立ては滅茶苦茶ヤクザなところの二面性が楽しめてよかったでした。
「オレは粗チンだから大丈夫」ってウソですから、顔も2,3を争う美系なら、アッチも争う巨根でしたからww
こんなアマアマで終わるはずが、、ということで続編「色男は王子様がペット」で二人に危機が!?
あらすじそのものは単純です。
なのに、樹生かなめさんが書くと、個性的で面白い作品になる。
さすがだなァと思いました。
女に貢いで借金で首が回らなくなった主人公。
最後の望みとして、とあるヤミ金にたどり着く。
そこのヤミ金社長はかつての同級生で、「彼女になったら借金を清算してやる」と言われ、主人公はそれに従う。
葛藤がほとんどなく、心もカラダもすぐに落ちる受けがいっそ清々しい。
キャラの突き抜けた個性と、その描写の仕方がやたら面白いんだよね。
守銭奴な攻めは、受けに対してはめっぽう甘い。お金を惜しまない。この甘さが可愛くて楽しくてたまらんかったです。こんな攻めに惚れられたいよ!ある意味究極の忠犬ワンコ攻めかもなぁと思いました。
受けも攻めは真逆なのに、根本的には似たタイプかもね。惚れた相手に対する金銭感覚の麻痺っぷりが。二人とも、惚れる相手を間違えなくて良かった良かった。とくに受け。さんざん騙されたけど、最後にこの攻めのもとにたどり着けて良かった。