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前編は萌えにしましたが、後編で神にしました。たくさんの人に、この名作を手に取ってもらいたい気持ちになっちゃって。
オススメ、超オススメ。
かわい有美子さん、素晴らしい!
前編のレビューでも書きましたが、『空色スピカ』『流星シロップ』へと繋がってゆく、レモンサイダー味の淡くて切ない青春時代の恋のときめきが、ふんだんに詰まった小説でした。
エロはないです。
読者サービスとしか思えないような萌えシーンはまったくないんですが、萌えまくりでした。キュンキュンしまくりました。
舞台が大正時代ということで、登場する男たちの性格も、「それっぽく」なってます。時代背景を生かしたキャラ造型。それも萌え要素になりました。
心に傷を抱えた少年と、彼を守りたいと思いながらも、溢れだす恋心に蓋をしつづける少年。
簡単に手を出してしまうBL小説が多いなかで、新鮮な感動をもたらしてくれました。
ああ、友情っていいなー!
ラストで、涙がぽろぽろ出ました。
良かった…。
エロいらにゃい。積年の思いが実るラスト、エロがあってももちろん良かったけど(読みたかったw)、なくてもいいと思えました。
そう、まずは心からだよ!と。
一気読みでした。かわい先生×笠井あゆみ先生という取り合わせ、しかも時代物で舞台が京都なんて…。しっかりと練られた時代考証(あとがきからもよくわかります)、硬質な文体に安心してどっぷりと物語の世界にのめり込んでしまいました。
前編では、夏期休暇前に沢良木(さわらぎ)がよからぬ連中によって大怪我を負わせられ、看病していた鴇浦(ときうら)が心配して帰省する沢良木を京都駅まで付き添って見送る場面で終わっていました。
後編は来学期には学校に戻らないのではと危惧した鴇浦が、沢良木の養家を訪ねるエピソードから始まります。以後も相変わらず淡々と京都での寄宿生活が描かれて行きますが、自身が背負う宿命に挫けそうだった沢良木はグンと成長を見せます。
勉学に勤しむので精一杯で、容姿のせいで嫌な目にあってきたこともあり、他人に関心を見せなかった沢良木。男ばかりの寄宿生活の中、嫉妬で嫌がらせをされたり、上級生から恋愛感情を持たれたりして悩みながらも強く乗り越えて行けたのは、同室の鴇浦がいたから。夏休みに沢良木の家で過ごしてから二人の絆は確実に深まっていました。
同学年の二人は、初年度に事情があって部屋替えをしてから約一年間同室で、二年目は部屋が別になります。鴇浦は残念なようなホッとするような複雑な思いを抱きながら、その後も沢良木と共に帝大で医師を目指したのだと思います。…というのも、彼らの青春はそこで終わっていて、最終章では医者になった二人の再会シーンに飛ぶからなんですね。
この最終章では大変素敵な展開が待っています。思わず泪ぐんでしまいました。真っ直ぐだった沢良木は大人になってもやっぱり真っ直ぐなままだった。鴇浦も沢良木に抱いていた特別な思いは褪せることがなかった。男同士の友情って本当に美しく危うい。
唯一レビューして下さっているむつこさんは、『空色スピカ』シリーズに続く先生の寮ものの原点とおっしゃっていますが、『猫の遊ぶ庭』もイイですよねー。それにしてもむつこさんが古い作品のレビューを残して下さっているお陰で、わたしはいつも救われております。感謝!
淡く爽やかで、それでいてどことなくノスタルジックな気持ちになる。
そんな心地の良い読了感で満たされる美しい作品でした。
しばらくこの寄宿舎の世界に浸っていたい。
大正の時代背景もこちらの作品を魅力的なものにしている要素のひとつかもしれません。
細やかな時代考証も笠井あゆみ先生の挿画も素晴らしかったです。
学校や寮といった閉塞的な空間の中で、時に苦しみもがきながら成長をし続ける青少年たち。
思春期ならではの若さと眩しさに溢れた輝ける儚い日々。
友情、ほのかな恋情、思慕の情…さまざまな感情を抱えて生きる彼らの姿が、前編に引き続き淡々としていながらも美しく品のあるしっとりとした文章で語られていきます。
鴇裏と沢良木。10代という貴重で濃厚な時期に出逢った2人の少年の関係があまりにも尊くやさしいもので読み入ってしまう。
これを青春と言わずになんと言うのだろう。
ページが残り僅かになり、ああもうすぐ終わってしまうのか…と名残惜しく思いながらページをめくると、その後を想像したくなるような味わい深い余韻が残るラストがじわりと沁みる。
性的な描写や身体の繋がりを求めている方には物足りないかもしれませんが、心と心の距離や関係性を重視して読まれる方にはぜひ一度読んでいただきたい作品です。
寄宿舎・学生寮ものの名作のひとつだと思います。
本当に素敵な作品でした。大好きです。