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mayonaka no hyouteki
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
初出は二十年前になるそうで、昨年秋に発売されたこちらは新装版になります。
カップリングは「不遜な強行犯係」刑事の神崎史郎と、「クールで淫らなカリスマ男娼」天野那月です。(「」内は帯より引っ張ってきました)
高校生でいて、お金も地位もあるオジサンたちを手玉に取る、那月の一人称で書かれているわけでして、面白かったです。
一冊の構成は、表題作の「真夜中の標的」から、商業未発表の「my favorite things」まで四話。それぞれ簡単にご紹介しますと、一話目「真夜中〜」で、男娼兼dkの那月と、ハードボイルドな雰囲気バリバリの神崎が出会い、二話目「支配の埋葬」で、中学生だった那月を犯した父親と対峙し、三話目「運命の領域」は、男娼時代に撮られたエロ動画に犯罪捜査が絡んでくるような話。「my〜」は同人誌作品らしく、那月の神崎へのラブな思いが炸裂してる短編。
エロは、那月は男娼の設定なのでいろいろな男とヤッてます。但し、神崎以外と。三話目の動画の相手がアフリカ系の方だったり、父親にフィストされたりと、なかなか過激ではありますが、一人称だからか、あまりドギツイ印象はなかったです。
私は綺月先生が大好きで、今シリーズも好きになりましたが、もしかしたらいつも以上に好みが分かれるかな〜とも思うかな。
主人公の那月が嫌だっなったら、読み進めるのがしんどいかと。
ビッチ受けが地雷だという方は、避けられた方がよろしいでしょう。一人称が苦手な方も、ですね。
「何だ、オメ☆」と突っ込みたくなる場面も所々ありましたが、ユーモアがある那月の語り口に引き込まれました(流石!綺月先生!)
正直、レビューなどが殆ど無くて、反応が薄いような気がするのですが、もっと皆さんに知られて欲しいシリーズです。
年の差の二人がジリジリと少しずーつ、進展していくところに萌えました。
とても評価に迷った作品。
読んでいる途中で、BLを読んでいることを忘れそうになりましたよ!
確かにエロも多くて絡みは同性同士なのですが、
展開がハードボイルド!
全くと言っていいほどに甘い展開がありません。
物語は主人公那月の一人称で進んでいくのですが、
彼の過去も、現在の話の展開も、
めっちゃ重くて苦しくて報われません……
それでも最後までめげずに読めるのは、
那月くんがジメジメしていなくてしっかり生きているから。
最初はただ生きるために生きていた那月くんが、
初めて恋をして、
一生懸命神崎のために生きようとするのが健気!
元々暗くて重い過去持ちなのに、
さらに追い討ちをかけるように色々重い事件が起こりますが、
それを受け止め、傷つきながらも、
自分自身で乗り越えていく那月は凄い。
まぁ高校生なりの浅はかさや我儘も多々ありますが、
その時その時で一生懸命な感じが、健気さを増します!
評価に迷うのはBLとして読むと甘さに欠ける点。
本当なら、
私的にはちょっと受け付けない要素ばかりのお話なのですが、
なぜかきっちり集中して最後まで読めちゃったのですよね……
これも綺月さんの筆力のおかげなのでしょうか!
とにかく重くて苦しくて、
BLというよりは、そう!「June」な感じであります!
二十年以上前の作品と思うと、そうか〜と納得。
けれども、言われないと分からないくらいに
古臭さは全く感じません。
BL思考の私としてはしゅみじゃない要素が多すぎるのですが、
それでも感情移入しつつ最後まで読破でき、
さらに続編も読みたいと続きも購入してしまったので、
期待も込めて、評価は「萌×2」で!