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chikai wa Wien de
「賭けはロシアで 龍の宿敵、華の嵐」の続きです。
これは、愛なんでしょうか?
我が儘で傲慢で、愛していると言いながら藤堂の身体の負担も考えず自分がしたいからとおかまいなしに藤堂をに抱き、束縛して、何があっても逃がさないウラジーミル。
藤堂を愛してるから逃がしてやるというミハイル。
普通ならミハイルとセルゲイの申し出は願ったり叶ったりなのですが、それにはウラジーミルを毒殺しなければならない。
藤堂は雁字搦めの状態から逃げたい気持ちはあって、ミハイルとセルゲイの計画に同意したように思えたのですが、結局「裏切り者は嫌いだ」と、密かに計画を変更。
自らミハイルを狙撃して暗殺、建物を爆破して火をつけ、ウラジーミルと逃亡。
藤堂が計画を変更しなければ、ミハイルはウラジーミルのフリをしてイジオットのボスになり、穏健派のセルゲイとともに上手くやって行くかもしれない。
残虐非道なウラジーミルと違って、不必要な死体の山を築かずに済んだかもしれない…藤堂も自由になれたはずなのに。
それでもウラジーミルを裏切ることは出来なかった。
愛しているわけじゃない。けど、ウラジーミルを生かしたいという気持ちがある。
藤堂は、ただ流されてるだけなのかもしれませんし、ウラジーミルと自分の境遇を重ねているだけなのかもしれませんが、相手に生きていてほしい、破滅する姿は見たくないという気持ちは、どんな形であれ、それは愛なのかもしれませんね。
藤堂が誰かに恋して夢中になる姿は想像つかないし、運命に流されウラジーミルに流され続けた結果の絆され愛なのかな。
もし藤堂が当初持ちかけられた計画通り、ウラジーミルを殺してミハイルとセルゲイがイジオットを牛耳ったら日本に進出していたかもしれないし、結果的にウラジーミルがイジオットのボス候補に復帰して良かったのかもしれません。
事あるごとに藤堂が、ウラジーミル&自分と、眞鍋の二代目組長夫妻の清和&氷川を比較して物思いにふけるんですが、この考察が興味深いというか、なるほどなと思わされます。
あと、何かあるたびに桐嶋だったら自分にこう言うだろうなと考えてるのも面白いです。
藤堂はシリーズ初期の頃は悪役で、氷川に覚醒剤を打とうとしたんですけど(それでも何だか憎めないんですが)、この番外編を読んでると何だか信じられないというか、本来そんな人ではないのになと思わずにはいられません。
もし、あのとき氷川に覚醒剤を打っていたら、藤堂は確実に清和に殺されていただろうと思います。清和の一番大切なものを壊して、結果的に自分が殺されても構わないと思ってたのでしょうが…
本編でもちらほらと藤堂が死にたがってる感じなんですが、やっぱりウラジーミルから解放されたいのか、今までの自分が犯した罪に苛まれているのか…?
清和と違って、欲しいものは手に入らず、父親や心から仕えてた人にも裏切られ、一度暗黒面に落ちた藤堂には、流されてもいいから幸せになってほしいです。
ウラジーミルがもう少し大人になってくれたら…
そういえは奏多は失恋決定ですね(^^;)ウラジーミルがいなくても藤堂は奏多にはなびかなそうですが…
彼はただのモブなのかな?苗字が清和の母親と同じなんですけど。
相川清和、相川奏多、偶然かな?