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作家さんの新作発表
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何が【神】って書き下ろし作品の『by your side』です。
オヤジが好きな方にはぜひ!読んでもらいたい作品です。
それもオヤジもオヤジ!30代とかではない、55歳のオジサマです。
表題作のほうはまあ、犬も食わない~話ですが桐原パパが登場です。
この本は主役カップルの本ではなく、リックと桐原パパのための本ですね。
『by your side』
リックとパパの出会いから現在に至るまでの12年の月日が綴られています。
貧しく愛情のない家庭に育ったリック。
15歳で家を出て、昼夜問わずバイトに明け暮れる日々で桐原征司に出会い付き合うようになる。
彼の家に泊まった朝、偶然にその父親の桐原東悟に出会う。
日々の生活に追われる中で夢も諦めざる終えないリックに、挑戦することの大切さや、信じることの大切さを教える東悟。
そして夢を叶えるために学校へ行き始め、桐原家の貴重な蔵書も惜しげもなく貸してくれ、東悟と関わるようになり好きになり、とうとう征司と別れる。
東悟に思いを伝えるもふられ、気の済むまで好きでいさせてほしいと伝えるリック。
それから2人の関係が何ひとつかわることなくリックは19になる。
久々に征司と会い、東悟との関係が何ひとつ進んでいないことを知った征司は東悟に「あいつの人生を食いつぶすな。いい加減、はっきりしてやれ」と詰め寄る。
リックはただ好きでいさせて欲しいだけだと二人に言う。
その後、東悟に一夜だけの関係の人との朝帰りを目撃され詰め寄られ、
「俺が今いくつか知ってる?ずっとセックスなしなんて無理にきまってるだろ」
と切れるリック。
そして自分の思いを自覚する東悟。
ようやく長い年月をかけて結ばれます。
リックが健気なのですよ。
だけど自分の夢にがむしゃらに生きていく姿は輝いていて、とても強いのです。
苦労時代を共にした奥様に先立たれ、月命日には必ずお墓参りをしているいいオジサマを手に入れるには、こんなにも長い年月と忍耐が必要で、それを水壬さんが魅力あるキャラクターを率いて見事に書ききっています。
水壬さんがオヤジ好きなのがよくわかる一冊で、私もさらにオヤジの虜になった一冊でした。