初恋の相手は天使でした

hatsukoi no aite wa tenshi deshita

初恋の相手は天使でした
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×26
  • 萌5
  • 中立0
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
7
得点
49
評価数
15
平均
3.4 / 5
神率
13.3%
著者
杉原朱紀 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
高星麻子 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
価格
¥630(税抜)  
ISBN
9784344840294

あらすじ

大好きな年上の幼なじみ・流成との再会がうれしい日和。しかし日和へ尋常ならざる想いを抱く流成は、己の劣情に懊悩していて…?

表題作初恋の相手は天使でした

29歳,画家,歳の離れた幼馴染
18歳,大学生,歳の離れた幼馴染

その他の収録作品

  • 最愛の天使に甘やかされています
  • あとがき

レビュー投稿数7

ヤンデレ執着ヘタレ攻め

表紙だけ見ると、甘くてロマンティックな印象なわりに他の方もおっしゃる様にストーリーは重たいです。
執着攻めは大好物なのですが、流成はそこらの執着攻めとは一味違った印象です。彼にとって日和は、もちろん初恋の相手ではあるのでしょうが、それと同時にただの恋愛感情だけでなく、芸術家としての創作意欲を掻き立てるミューズ的な面もあったのではないかと感じました。
なので、彼が絵を描けなくなった辺りのエピソードとかフランスでの生活なんかはもっと深く掘り下げて欲しかったです。
日和は、お兄ちゃんの教育もあってか、おおらかでとっってもいい子です。監禁されているときも、非難することも逃げることもなく、冷静に流成と向き合っていたのは“大人だなぁ”と思いました。弟思いの泰人も魅力的なキャラクターです。

好きな感じのストーリーではありましたが、個人的にHシーンがちょっと拍子抜けかな?あれだけ長い間好きだった相手と両思いになり、我慢に我慢を重ねた末、漸く抱けるっていうのに流成は意外と冷静でしたね。しかも、なんか妙に手慣れてやしないかい?おまけに絶倫。
もっと余裕のない姿が見たかったです。

3

残念イケメン

年上×年下、幼馴染み、攻めが画家、執着、ヤンデレというキーワードに反応して購入。

受けが可愛くて可愛くて、可愛がりすぎて手が出せない攻めが苦悩するくだりは期待通りで大変満足しました。
文体も、受け視点と攻め視点が交互にでてくるので読みやすく、両方の心情がわかりやすい。
受けの行動から攻めの反応を予想してニヤニヤしながら読んだりと、楽しく読めました。

ただ、ヤンデレ好きの私からするとこの攻めはヤンデレというには押しが弱い……ネガティブなだけで、さほどダークでもない……
つまるところ、受けに執着はしているけれど特に何もしない、ヘタレなのです。悩んでいるだけ。
監禁するくだりはあるけど、閉じ込めてるだけで何もしない。寝もせず何も食べもせずに、ひたすら受けの絵を描いている。……暗ッ!

攻めは、受けを大切にしたいという気持ちが強く、手が出せない人でした。
なので、後書きで杉原先生が書いておられる通り「残念イケメン」というのが妥当な評価かな、と思います。

1

世界のすべて



可愛い天使は綺麗な天使になっていた。
生まれたときから可愛がっていた天使のように可愛い親友の弟・青葉日和(受け)。
本当の兄のように慕ってくれるその子に抱いた劣情。
日和を傷つけることを恐れ、渡仏した画家の仁科流成(攻め)ですが、6年がた経ち、突然絵が描けなくなります。呼吸をするように絵を描いてきた流成が描けなくなったことを心配した親友で日和の兄泰人により半ば強制的に帰国させられ、大学生になった日和と再会します。
6年も経てば男らしくなっていて気持ちも落ち着くだろうと思っていたのに、可愛かった天使はとても綺麗な青年になっていたのでした。
日和に再会しスランプを脱した流成でしたが、日和が側にいるという状況に理性は崩壊寸前です。

流成は官僚一家に生まれ、忙しい両親は家政婦に子育てのすべてを任せきりにしていました。愛情を与えられなかった流成は感情の乏しい子供に育ちます。
感情が動くことのなかった流成は生まれたばかりの日和と出会い、初めて感情が動きます。その日から日和は流成の全てになりました。
自分に生まれた感情を日和を通して絵にする、流成の絵は全て日和がモチーフでした。

なんとも気の毒な家庭に育てられた流成。食事など必要なことはしてもらっていても、実際には立派な育児放棄です。年の離れた兄がいるとのことですが、彼はちゃんと育ったのでしょうか。家族としての愛情を貰わなかった流成にとって、自分を必要としてくれる日和は唯一の拠り所になりました。そんな日和に対して持った激しい独占欲。日和を傷つける前にと流成は逃げるのです。
帰国してからはうっかり抱きしめてしまわないように理性と戦っていた流成ですが、日和がモデルをした写真を見て、自分以外が日和の美しい表情を引き出したという事実にとうとうキレてしまいます。

見た目はイケメンなのに、日和以外に全く興味が無く、何度も様子見に来るギャラリーの従業員ですら名前も顔も覚えないという、誰に対しても無感情に接する流成の徹底した態度に笑ってしまいます。全ての感情が日和で構成されているのによくも逃げようと思ったものです。これからの人生廃人になるつもりだったのでしょうか。

日和は見た目は可愛い男の子ですが、兄・泰人に厳しく育てられたため地に足のついたしっかりした子に育ちました。ただ、お子様なので流成に再会してからの自分の感情がどういうものなのか理解するのに時間がかかります。
流成を全面的に信頼している日和は、監禁されたり普通なら怖いと思うような目に合わされても恐れず、流成がおかしい事に気づき気遣う余裕すらあります。
どこまでもヘタレな流成に男前な日和の態度と頑張りにより、廃人一直線の人生からすくい上げられます。
ともすれば、闇落ちしそうな流成を現実へと引き上げてくれる日和は流成にとっての本当の天使でした。


話は流成・日和両視点で読めるので両者の感情がとてもわかり易いです。
流成の懊悩、自分がどう思っているのかわからない日和のもやもやが手に取るように分かります。
そして、流成の他人に対する関心の無さ、日和に対する異常なまでの執着、その両方の姿をつぶさに見てきた唯一の友人・泰人はどんな気持ちだったのでしょう。
子供の頃は笑いをこらえるのが大変だったかもしれませんが、大人になってからはさぞかし悩ましかったことでしょう。
途中途中で、心配する泰人の姿が書かれていますが最終的にどう思っているかはわかりませんでした。
結局、二人は割れ鍋に綴じ蓋だったわけで、日和が選んだなら仕方ないという風に諦めたのでしょうか。
そして、泰人はそんな二人をきっと呆れながら見守っていくんじゃないかと思いました。

1

割とダークだと思うのです

全体的な雰囲気に誤魔化されそうになりますが、結構重い作品だと思います。
とにかく攻めが、ただ単に執着系というには根深いものがあると申しましょうか。。。
とりあえず、甘くて可愛いお話だと思っていると、かなり混乱する事になると思います。しかし、攻めがこれ以上ない程受けに執着している病み系がお好きな方は萌えるんじゃないでしょうか。(エキセントリック系の病みじゃなく、静かに内に籠もる系です)

内容としては再会ものです。6年ぶりに再会した、画家の流成と大学生の日和。流成との再会を無邪気に喜ぶ日和ですが、流成は益々可愛くなった日和への劣情や独占欲を抑えきれず、といった所です。

流成がかなりの執着系なのです。日和以外は一切関心がなく、自身の事さえどうでもいい。周囲は流成を冷たく無感情な人間だと思っているのに、一心に愛されている日和は、流成を優しく思いやりがあると思っています。この認識のズレに萌えました。

日和は、可愛らしい外見に反して男前なしっかりもの。世話焼きな日和が、自身の事に無頓着な流成を見かねて細々と世話を焼くのにはほのぼのします。

と、何だかほのぼの系に思えますが、流成がひたすらネガティブで懊悩しているので、印象としては重いのです。
そしてちょっとした出来事から暴走。結構な暴挙に出ます。中身が残念なイケメンというのは萌えますが、残念を通り越してちょっと情けなく感じます。ここでの日和が男前なので、対比で余計に(´・ω・`)

結局は割れ鍋に綴じ蓋のお似合いカップルだとは思うのですが、個人的に流成のウジウジっぷりが好きになれませんでした。でも、執着系の残念攻めがお好きな方は大丈夫だと思います。
日和はどストライクだったのと、暴挙に出た際の狂気じみた流成の言動には萌えたので「萌」評価です。

本編後にSSが付いてますが、こちらは甘くて可愛いです。日和と結ばれた事で、流成もやっと安定した模様。更にデレデレになってるのに笑えました。

3

サラッと読めるが愛が重い…。

普通に楽しく読んだので萌え評価ですがちょい中立寄り。
個人的に、ここぞ!な萌え盛り上がり部分を感じることがないまま読了でした。


11歳差の年上攻め設定にワクワクしながら手に取りましたが、
・・・・・うん。年上らしさは全くない(;ω;)
受けの方がよほど冷静にコトを見てるし、どっしり構えてて男前でした。
【ヘタレ執着愛攻め×しっかり者受け】で割れ鍋に綴じ蓋カップルです。

タイトルから見るに、ゆるふわな天使受けだったら微妙かな…が懸念事項でしたが、
受けの年相応な純朴さ、躾の届いた清潔感、どこか大人びた冷静さに好印象◎
攻めは天使だと思ってますが、描かれているのは生身の男の子で安心しました。

むしろ、攻めがすごく頼りないせいか、受けが男前に見える…!
これは個人的に嬉しい誤算でしたv

さてはて。問題は攻めの方。
ううう…愛が重い…。
受けを生まれたての赤ん坊時からめいっぱい愛しまくってます。

「天使!」「天使!」\(//∇//)\と脳内フィーバーしてる辺りは微笑ましく、
手作りのお弁当というワードにアタフタ喜ぶ姿はなんだか可愛らしく。
とても11歳年上の大人には見えないけど、それはそれでほのぼのと楽しめたのですが。。。

自分の気持ちを制御・コントロールするのに手一杯で、
抑え込みすぎた気持ちがパンパンになって弾け飛んだ時が…うーん(-ω-;)
後半は人が変わったかのようなヤンデレっぷりに自分勝手さが目に付いてしまいました。

もうちょい11歳年上らしい大人っぽさが欲しかったなーと。
受けの芯の強さに救われただけで、攻めからの前向きな行動がなかったのに萌え不足です。

後日談はお兄ちゃん目線で見たかったなぁ。
攻めに気持ちを知ってて、弟に手を出さないよう長年牽制し続けてきたお兄ちゃん。
事の成り行きをどう思っているのかなー。
収まるとこに収まってしまったという諦めか、
こうなる運命で致し方ないという境地なのか、
ほとぼり冷めれば厳しく口出す予定なのか…。

0

静かなる重量級の執着攻めがお好きな方に

この攻めはすごい。
表紙のイメージとはかなり違った印象を受ける作品だと思います。
執着攻めものはそこそこ読んでいるはずなのですが、流成ほどの人はなかなか見かけないかも。

・生活能力がない残念なイケメン攻め
・熟成されきった筋金入りの執着攻め
・変態さも入った溺愛ヘタレ攻め
・ネガティブを通り越して根暗な攻め
・受け以外には全く興味がない攻め
・愛が重すぎる攻め

この辺りの攻め側のキーワードにピンと来た方がいらっしゃれば、恐らくお求めのものが全て詰まっていると思います。

親友の天使のような弟を愛してやまない幼馴染の画家×そうとは知らず優しいお兄ちゃんだと思っているしっかり者の大学生の組み合わせ。
歳の差11歳と、年齢差のある幼馴染の再会もののお話なのですが、流成のやや浮世離れしたキャラクターと日和の年齢よりも落ち着いた気性ゆえか、あまり年齢差は感じられないかもしれません。

概ねタイトル通りの内容です。
家庭環境的には恵まれているものの、家族関係には恵まれず、何に対しても興味すら持てていなかった無関心無感情だった攻めが、唯一の親友の家に誕生した天使のような赤ん坊と出逢ってしまってからというもの、灰色だった世界が突然彩り輝きはじめていく。
創作意欲を刺激されるミューズであり、天使であり、世界の全てとなってしまうんです。
この世に日和という天使が誕生してから18年もの間、盲愛とも言える熟成された感情を持て余し、その全てを絵に落とし込んでいる姿は圧巻です。
両視点で描かれる杉原先生の文体が読みやすいからか、流れるように読めてしまうのですが…
読んでいる途中から、これは…かなりの重量のある愛だな…?と、流成の執着っぷりと心の重たさに驚いてしまう。
己の感情の危うさに気付き、1度海外へ飛び立ち離れようとしますが、やがてスランプに陥ってしまい、日和の兄の助言もあって帰国し、美しく愛らしいまま成長を遂げた天使と再会してしまってからはもうだめでしたね!

両視点で綴られているので、日和目線で見る流成は、絵を描いている最中は生活能力がなくなるけれど、それ以外は穏やかで優しい幼馴染のお兄ちゃんなんですよね。
6年ぶりに再会してもよそよそしい流成の態度に、「なんでかな?」なんて思うだけで、流成の内なる動揺と18年ものの重たい愛には気付いてもいない。
けれど、その穏やかで優しい言動は対日和なだけであって、日和が己を構成する世界の全てである流成にとっては、その他の事は非常にどうでも良い事なのです。
世間では実力も才能もある画家だというのに、本当に日和以外には興味がない徹底しきった姿勢が良かった。
ただちょっと、監禁の辺りで流成に属性を盛り過ぎているように感じてしまいました。
それまでは面白かったんだけどなあ。
うん、前半の方がすっきりと読めて面白かったです。

日和が可愛らしい外見とは違い、男前で冷静で常識的な考えを持ったしっかりとした性格の子じゃなかったら、受けが精神的に物凄い恐怖を感じる話で終わってしまったと思うのですけれど、そうではなかったのが良かったのかなと思います。
今作は日和のキャラクターが魅力的でしたね。
ネガティブだったり暴走しそうになったりする流成を、上手くあやすように手のひらで転がせたらバランスの良いカップルになるんじゃないかなあ。
有り余るほどの執着を知っても、監禁されてもあの冷静な対応が出来るのなら、きっと今後の関係も大丈夫なのではないでしょうか。

巻末の短編がですね、流成の残念なイケメンの良いところと日和の可愛らしさがちょうど良い加減で出ている甘いお話ですごく良かったのです。
こちらももうちょっと読みたかったくらい。
個人的にはですが、流成はこれくらいの残念さが良かったな。
ベッドシーンでの日和の全てを舐め尽くしそうな舐め描写がすごかった。

しかし、この攻めの姿を側でずっと見知っていた親友である日和の兄の気持ちはいかに…
作中でもちょいちょい釘を刺している様子が見られますが、兄視点のお話も読んでみたかったかも。

0

ハイスペ残念イケメンとはこのこと


兄の友人でヘタレ画家×男子高校生

幼少期に出会いって別れ、数年後に再会した二人。
受けが生まれた頃から好き、という重量級のクソデカ愛情を抱えている攻め。
受けを大事にしているあまりに手を出せず、欲望や思いをすべて絵にぶつけた結果、画家へ。

受けに会うとニコニコ優しい笑顔ですが、心の中では「天使だ…」と呟くのが萌えました。
それなのに受け以外のどうでもいい人には無表情で冷たい。
なんて分かりやすいんだ!

そんな関係も、とあることがキッカケで崩れます。
思わぬ監禁シーンもあり私得。
やってしまったことを後悔したり逆に避けたりウジウジしてしまう攻めとすべてを受け止めようとする男前を発動する受け。

スマートで優しくてカッコいい印象の攻めが受けの前だとグダグダというギャップが最高でした。

0

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