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shousetsu dear plus
雑誌はあまり買わないのですが、一穂ミチさんの全サの小冊子が欲しかったのと、ちるちるさんで購入するといただけるこちらも一穂さんの書き下ろしSSペーパー欲しさに購入。表紙が橋本あおいさんで、これまた美しいです。
雑誌ゆえに複数の作家さまが寄稿されてますので、気になった作品をいくつか選んでレビューしようと思います。ネタバレ含んでいます。ご注意を。
一穂ミチさん『運命ではありません』
自分の情報を入力するととAIが(結婚相手あるいは恋人として)一番適した相手を見つけてくれる、というサイトを運営するIT関連会社に勤務する澄が主人公。
ある日社長に呼ばれて社長室に行くと、そこには「澄の運命の相手」としてAIがマッチングしたという開発責任者の門脇という男性を紹介され…。
という話。
様々な情報から、AIが選んでくれるという「運命の相手」。自分の感情を含まない、その相手が、本当に自分の運命の相手なのか?という所を軸に、コメディタッチで描かれていました。
感情の読み取りづらい門脇さんと、澄との漫才のような掛け合いが面白くテンポよく進みますが、そこに隠された門脇さんの意外な過去が加わることで軽すぎず、でもシリアス過ぎない、ちょうどいいさじ加減で描かれているのは流石一穂さんといったところか。
砂原糖子さん『心を半分残したままで』
続き物で、2話目にあたるようですが、前作のあらすじが書かれていることもあり読み進めていくうちに人間関係等は理解できました。
記憶障害を起こしやすいという弊害を持っている静良井が主人公。
時々記憶障害を起こすこともあり本人はそのことを理解してますが、今現在、彼には1年半前の記憶がない。
「恋人」と名乗り、自分を探してくれていた久遠という男性と一緒に暮らし、日々起きた出来事を日記に書き記しながら穏やかに暮らしていますが、ある日、久遠に連れられて訪れた喫茶店のマスターのことがどうしても気になり…。
というお話。
時々思い出す過去の出来事。
久遠との穏やかで優しい生活。なのに満ち足りないものを感じる自分。
そもそも、自分の恋人は本当に久遠なのか…?
という所を軸にストーリーは展開していくため、謎解きの面もありとても面白かった。
記憶障害を持つ見目麗しい男性と、彼を取り巻く男たち。
今後、どういう展開になるのか非常に楽しみです。
名倉和希さん『恋する猫耳』
野良猫のナツ。
ナツは自分に「ナツ」と名付けてくれた人間の大輔のことが大好き。その日も大輔に会えて嬉しかったのにー。
とある事件に巻き込まれ、死んでしまったナツ。
けれどナツは人間の身体を手に入れ、大好きな大輔とともに暮らし始めるのだけれど…。
という、ちょっとファンタジーなお話。
大輔のことが好きで健気なナツがめちゃんこ可愛いし、大輔もなかなかいい男で、可愛らしく温かい雰囲気のお話ですが、ナツが巻き込まれた事件が胸糞(いや、失礼)なので、もしかしたら地雷の方もいらっしゃるかも。
夕映月子さん『in love』
夕映さん作品の『恋してる、生きていく』の3年後を描いた作品。
心臓の手術を受け健康を手に入れた梓。
雑誌のインタビューを受けたことで彼が母親と経営しているホテルも人気が高まる一方。
生き生きと働けるようになった梓に恋心を抱いている倉本という青年がホテルで一緒に働くことになり…。
というお話。
間男登場か?と思ったのですが、彼の登場により梓と穂高、二人の絆が一生強まった、という糖度の高いお話でした。
穂高が遠くの店舗で働くことが決まり、遠距離恋愛を強いられるようになる彼らですが、ぜひともその後を描いてほしいなと切望中です。
一穂さんの全サ目当てで購入しましたが、中身もとっても面白かったです。
あ、そうそう。一穂さんの全サの小冊子についてですが。
「答姐さん」の某トピで親切な腐姐さまが情報提供してくださっていましたが、一応こちらにも記載しておきますね。
必要なのは
①「一穂ミチファンブック long hello」に封入されている応募用紙
②「小説ディアプラス・ナツ号」もしくは「OFF AIR イエスかノーか半分か」(8月下旬発売予定)についている応募券
③500円の自己負担金
で応募できるようです。