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kakaku no tori
菅野先生の小説を読んでいつも思う感想。話が面白くて小説のクオリティが高い。でもBLじゃなくて文学作品みたい。面白いけどBLとしてはいつもものすごく変化球だと思う。BLレーベル以外でも書かれてるようなのでいわゆるBL様式美とか萌えにこだわらないのかも。
今作の舞台は60年代のアメリカLA近くのチャイナタウン。日系人×中国系のカップルです。2人の出会いは幼少時に遡り、変態華僑の有力者に囲われていたシンをストリートチルドレンだったハルカが救い出すのですが、愛し合っているはずなのに2人の関係は近くにいても何年経ってもなかなか縮まらないというこじれまくったお話です。
シンを囲っていた男はその前に囲った少年も何人も殺していて間違いなく悪人なのに吊り橋効果なのか元々不幸な境遇だった事が後で明かされるシンが同情のような愛情をその男に持ってしまったのが厄介でした。自身も少年だったハルカも変態の所業を目の当たりにしてしまった事がトラウマになり大人になってもシンを抱く事ができなかったのだと思います。大切すぎて。
しかしハルカはシンに触れられない代わりに街の男娼のセツを抱き続けハルカを愛してしまったセツはおかしくなってその後失踪してしまい、ますます本命カップルの関係はこじれていきます。というか攻めはこの男娼とのセックスシーンだけで本命の受けとは最後まで致してるシーンないから!そんなんありか。BLなのに。元々昔の作品なので昔は話が良ければそういうのも許されたんでしょうね。
最後の番外編の様子を読むとほのぼのとしてて2人は真の恋人同士にちゃんとなれたんだろうね、多分。と言った感じです。BLなのに匂わせ?!でも複雑極まりない愛の戯曲のようで面白かったです。「レベッカ・ストリート」という作品のリンク作でそういえばシンとハルカ出ていました。こんな重い過去を持った2人だとは思わなかった。
追記…あとがきによるとイラストレーターが同じの「レベッカ・ストリート」のシンとハルカは名前が同じだけど別次元の2人のようでした。時代と場所が違うので。
「HARD LUCK」シリーズのスピンオフ作らしいですが、そちらのシリーズは未読です。
こちらの本では、主人公がスピン元作のキャラクターたちに出会う前のまだ子供時代の話と、スピン元のキャラクター達の関係性がすっかり安定した後の話なので、単独の作品としてこの本だけ読んでも大丈夫なようです。
子供時代の二人の出会いと事件を引きずって、大人になってもシンとの関係に踏み出せないハルカと、そんなハルカを待ち続けるシン。
シンに触れることのできないハルカは、少年娼婦セツに肌の温もりを求めるのですが、、、。
この作品、主人公のハルカとシンは愛し合っているのに結局最後までいきつきません。
駄々をこねるようにシンを拒んでシンを求めるハルカ。
なかなか鬱々とした展開ですが、最後の「By The Way」は野球を話題にしたちょっと軽めの話です。