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every jack his jack
カップルが異なる短編2作+1で構成されている今作。
長過ぎず短過ぎないちょうど良い長さなのでサクサクっと読めます。
とっても面白かった…
●エブリジャック、ヒズジャック
本編を読んだ後にタイトルを改めて見ると大納得。
なんてお洒落なタイトルなんだ…
見た目は華やかだけれど、恋人である幸也の金を勝手に使う・ギャンブルをする・恋人がいるのに頼まれれば誰とでも寝る。
しかし、自分から誘う訳ではないから浮気ではないのだと言い張る久住が超絶クズすぎるはずなのに、ふにゃふにゃとした優しい口調のせいか、本当に不思議な事になぜか憎めない。
幸也は幸也で承認欲求の塊というか、優しく求められたりお願いをされることに生きがいすら感じてしまっているので、周りからどんなに恋人はクズと言われても離れられない。
ほんとに振り切った感じのクズだよ…?と思いながら読んでいたはずが、読み進めていく内に「いやいや、実は幸也の方がクズを通り越して怖いタイプなのでは…?」と震える。
まさかの久住の方から捨てられる、という急降下からの大逆転的な展開が面白かった。
幸也にべたりと張り付いていたストーカーが物凄く気持ち悪いのに、それよりも久住を気にしている幸也もなかなかだなと思いました。
自身に張り付くストーカーをここまで空気のように扱う受けは初めて見ました(笑)
上手くまとまった感があるものの、結局何も解決していないという2人揃っての駄目さが1周まわって良いような気がしてしまう。
どっぷり共依存、割れ鍋に綴じ蓋カップルとはまさに彼らのことで、2人が幸せならそれで良いといったところでしょうか。
お友達にはなれそうにありませんが、個人的には好きなカップルでした。
なんだかんだで彼らに付き合う谷脇くんが良い人過ぎて2人のママのよう…忍耐力を尊敬してしまう。
●グッドジャック、メイクスグッドジャック
こちらもタイトルが洒落てますねえ。
エブリジャック〜で忍耐力が神の境地だった谷脇くんのお話です。
ひょんな事からゲイ向けハプニングバーへと入ってしまい、ピンチに怯えていた子羊ちゃんのような谷脇を救ったのは王子様ではなくお姫様でした。
いわゆる「オネエ」な生徒・深見の事を特別視する事もなく、ゲイである事も女性の服装が好きな事も「可愛い」が好きな事も、何でもない事のように自然体で受け入れている谷脇がすごく良い。
そんな谷脇にストレートな言葉で褒められ、思わず天を仰いできゅんとしてしまう深見がとても可愛らしい。
なりゆきで「お付き合い」をする内に、いつしか趣味や感性が似ている年下の深見に絆されまくり、性別関係無しに惹かれていく谷脇。
深見のキャラクターが非常に魅力的でですね。
美しく健気で「先生、好き」と言う一途な乙女、しかし谷脇に関する事となると雄の部分が出る武闘派というギャップがずるい。
こんな魅力的な子好きになっちゃいますよ…
王道な部分もあり、スパダリ受け要素も感じられる良作でした。
●ジャック達の邂逅
2カップルが知人のお店で対面するお話。
久住はどこまでいってもクズだった…(笑)
友人関係とは理解していても、気安い仲の大人組3人に嫉妬をする深見がとっっても可愛い。
そしてやや鈍感なスパダリ・谷脇も初めて嫉妬の感情を覚え、「谷脇お母ちゃん」を深見に取られたようでじわじわと嫉妬していた久住&幸也カップル…という、可愛らしい嫉妬の四角形の図に笑ってしまいます。
深見と谷脇カップルのやり取りがあまりに可愛すぎて、この2人のとろけるような甘い長編を読みたいななんて…
いやはや、どちらもキャラクターが濃かった。
栗城先生のこういったタイプのお話を読むのは初めてだったのですが、本当に面白くて!
当て馬的なサブキャラクター達を含めて、様々な性や愛がありますね。
読む方によっては苦手要素があるかもしれませんが、ちょっと癖のあるキャラクターのお話が読みたい方におすすめです。
yoco先生の挿画もスタイリッシュで美しく、作品の雰囲気と絶妙に合っていて素敵でした。
他レビュアーさまも仰っている通り、ベッドシーン1箇所の誤字だけが残念なので、増刷時に修正される事を切に願います。
クズ男×健気受けと、オネエ攻め×面倒見のいい男前の2本立てでした。それぞれリンクもしてます。
「玉の輿ご用意しました」がツボだったので新刊も購入しましたが、こんな感じの作品も書かれる作者さんなんですね。
オネエ攻めの方は比較的ほのぼの系で「玉の輿~」と同じカラーを感じさせますが、クズ男の方がなんか色々予想外でした。
多分、フラットな状態で読んだ方がより面白いと思うので、ネタバレなしで書きたいと思うのですが、如何せん文章力が無いのでネタバレなしで書けてるか自信がありません(>_<)ゞ
ネタバレを避けたい方は、以下読まないで下さいm(_ _)m
読み始めは、どうしようもないクズ男×一途な健気受けという印象です。クズ男は悪意の無い、しかも甘え上手という手に負えないタイプで。悪いのは攻めで、受けは「なんて健気なの!!」てな感じで思っていたら、読み進めるうちにちょっと色々予想外に裏切られていく感じでしょうか。
その予想外の部分が、ジワリジワリと小出しにされるので、「えー!」と思いながらもグイグイ引き込まれました。一応、トーンとしては病んでるサスペンス調?
私は当て馬が出て来て受けに言い寄り、攻めが嫉妬して煽られるというパターンが大好きなのですが、この作品でも当て馬が出て来ます。この当て馬がちょっとイッちゃってる感じのヤバイ奴だったのですが、その当て馬に対する反応も色々と予想外・・・。もう、攻め受け両者とも、「いやいや違うでしょー!」て感じで。ここまでどうでもいい感じで相手にされてない当て馬て・・・。要は、受けにとって攻め以外はどうでもいいんでしょうね。
タイトルの「エブリジャック、ヒズジャック」とは「割れ鍋に綴じ蓋」的な意味だそうです。読み終えてみると、このタイトルがピッタリだと納得ですね。期待していた作風とは違いましたが、これはこれで面白かったです。二人が幸せならいいんじゃないのかな?
ちょっと異様な感じで生理的にゾワゾワ来る作品ですが、とりあえず、ヤンデレ系の執着受けが好みの方は楽しめると思います!
もう1本のオネエ攻めの方は、期待通りの甘い系。しかし、表題作の方の印象が強烈過ぎて、ちょっと霞んじゃいました(^^ゞ
絵師買いしたけど、挿絵が少なくて残念。
クズ×ダメンズ:舞台俳優。
オネエ×苦労性:塾の生徒と教師。
当人同士が幸せなら、それでいいと思う。
普段はオネエの教え子にくみしかれてしまった谷脇、きっとびっくりしたと思う。この場面、笑ってしまった。
クズとダメンズの二人に、恋人の深谷を紹介する谷脇、なんか奇妙で可笑しい。
Every Jack has his Jill.
誰でも、自分にふさわしい恋人・伴侶を得ることができる。破れ鍋に綴じ蓋。
A good Jack makes a good Jill.
男が善良ならば女も善良になる。
★Jack and Jillは、イギリスの伝承童話の中で 山に水を汲みに行く男の子と女の子を指す。 Jack and Jill (or Gill) は「若い男女、恋人同士」という意味。https://www.eigo-eikaiwa.com/0521.html
珍しく2カップルの話が一冊にまとまった作品です。
ただやはりそのぶん駆け足ですしエロの濃厚さもなく、分冊で出してもらいたかったなあと正直思いました。
キャラ達も魅力的ですし。
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受けの幸也は恋人の久住にベタ惚れで、彼のために借金までするデパートマン。
28歳で責任ある仕事を任されるような立場でありながらも、久住のこととなると非常識の塊となります。
攻めは中身がだらしなく知人にはクズと称されるものの、見た目は華やかで美しい小劇団俳優の久住。
浮気はしないと言いながら恋人以外とも体の関係を持つことを厭わない、ラインが非常識な青年。
もう一カップルは、受けの谷脇が久住と幸也の昔からの友人。
小柄で可愛い顔ながら口が達者で、スラスラと罵詈雑言が出てくる異性愛者です。
専門学校で講師をする、いたって一般的な思考の持ち主。
攻めは幸也の受け持ちの生徒で、女装癖のある深見。
社会人を経験してからの入学なので、成人済みです。
美形で長身の為目立つ存在で、男女共から人気のある生徒です。
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久住は子供のような口調のせいか憎めないキャラでわたしは決して嫌いではないのですが、これは一穴一棒主義の方には受け入れがたいかなぁ。
こういうどうしようもないクズ攻めって、あまりないですね。
でも木原さんの書かれるようなリアルクズではありませんので、読みやすいかと。
どうしても久住のクズっぷりがクローズアップされがちですが、恋人の幸也も充分変な人です。
個人的には、幸也の方がお近づきになりたくないタイプでした。
久住みたいな人は避ければ良いけど、普通の常識人に見せかけてかなり偏った思考の幸也とは、それに気づかずに友達になってしまう確率高いので。
谷脇は栗城さんの作品で時々登場する口の悪い小柄男子で、わたしこのタイプ好きなんです。
そのお相手が年下で見かけの割に常識人な深見なわけですが、彼は最初から谷脇のことが気になっていてピンチの谷脇を助けたことで二人の関係が進展します。
そのピンチの原因を作ったのは友人の久住なわけですが、後々その時の言い訳とも開き直りとも馬鹿正直とも言える久住の発言はいっそクズっぷりが極められていて笑えます。
ただもうほんっっっとに残念だったのは誤字です。
攻めと受けの名前がエッチシーンで反対とか、本当に残念。
それともわたしの読み取り方が違うのかしら…
めちゃくちゃ心の琴線に触れてくるわけじゃないけど、じんわりと佳作。
表紙と煽りから毒々しいお話を期待していたのですが、そこは期待通りではなく、、ゆえに、ダメダメでグズグズな感じを期待している人向きではないと思います。派手なパッケージの割には、オーソドックスなラブストーリーだった印象です。
クズ×ダメンズ?と称される、見た目と心の広さ(緩さ)が取り柄な久住と、そんな彼に惚れこみ貢ぐ男・幸也のお話は、ダメンズというより単に一途と読み取れました。この幸也が同僚にストーキングされるのですが、そこからの展開の久住は全然クズじゃないので、最終的になんだか”いい話”からのバカップルになってます。
オネエ×苦労性?、苦労性っていうか絆され、世話焼き。予備校の生徒と講師のお話。生徒が美形でオネエで執着気質な深見、講師は久住と幸也のお友達の谷脇。両者とも世話焼き気質です。ゲイのハプバーに迷いこんだ谷脇を深見がフォローしたことから、半ば強引に関係が進む展開、で次第に絆され…なのですが、それまでにあったであろう深見→谷脇への気持ちのきっかけがわからなかったので、ちょっと唐突な印象をうけました。ただ、カップルとしてはこちらのほうが好みです。
割れ鍋に綴じ蓋、まぁ、恋愛というのは当人同士にしかわからない感情ということで…。どんな属性でも相手を大切に想う気持ちからくる一生懸命さは尊いという、本質的にはシンプルな作品だと思います。