「幸福の王子」と真摯な伴侶の、真実の愛を見付ける物語――

第八王子と約束の恋

daihachiouji to yakusoku no koi

第八王子と約束の恋
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神3
  • 萌×25
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
5
得点
62
評価数
19
平均
3.4 / 5
神率
15.8%
著者
朝霞月子 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
壱也 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
リンクスロマンス
シリーズ
第八王子と約束の恋
発売日
価格
¥870(税抜)  
ISBN
9784344839632

あらすじ

可憐な容姿に、優しく誠実な人柄で、民からも慕われている二十四歳のエフセリア国第八王子・フランセスカは、なぜか相手側の都合で結婚話が破談になること、早九回。愛されるため、良い妃になるため、嫁ぐ度いつも健気に努力してきたフランは、「出戻り王子」と呼ばれ、一向にその想いが報われないことに、ひどく心を痛めていた。そんな中、新たに婚儀の申し入れを受けたフランは、カルツェ国の若き王・ルネの元に嫁ぐことになる。寡黙ながら誠実なルネから、真摯な好意を寄せられ、今度こそ幸せな結婚生活を送れるのではと、期待を抱くフランだったが――?

表題作第八王子と約束の恋

ルネ・カルツェ国の王・19才
フランセスカ・エフセリア国第八王子・24才

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数5

一途だなあ

朝霞月子さんの穏やかで甘々が読みたいなと思ったのですが…。

二段組で丁寧に物語が書かれています。

不名誉なあだ名、出戻り王子と呼ばれるフラン。思えば初恋からして破れてたもんね…。
九回出戻って次に上手く行かなければ一生独身で過ごすと決めていたら…。

丁寧に書かれてあるんですよ。できれば平和で甘々が読みたい気分で手に取ったのですが、商品説明のトーンにシリアスとあったのがこれか…と。

うーん、初めて愛してくれる夫と添えそうだったのに、初夜が…。
そこからが読むのが辛くて。悪い噂も立ち。

っていうか、男同士の初夜の教育されてなかったの?ここを萌えるかがっかりするかが分かれ目なのかな?

半分まで読んでその後は飛ばし読みしてしまいました。

0

自分一人を愛してほしい♡と素直な子

表紙の「姫っぽい印象が苦手かも」と思って、今まで読んでなかったのですが、近々スピンオフが出るのではと思い、手に取ってみました。姫?と思っていた子が、ぷんすか怒ったら枕バフバフするような素直な子で、可愛いかったー♡萌2と悩んだのですが、ちょっと消化不良があったので萌としました。

冒頭は、14歳のフランが側仕えの騎士に失恋するシーンから。非番だった騎士に誕生日のお祝いを渡したいと城下に出てきたのはいいものの、馴染みのパン屋の娘と恋仲であるらしい様子を見て、失恋確定。一人涙ぐんでいると、いつのまにか横に可愛い子供がぴとっと座っていて・・・と続きます。

登場人物は、フランの親兄弟(なんと11人兄弟らしい)、攻めの妹、叔父や信頼できる右腕、謎の占い師です。色々多めかな。

このフランが可愛かった。ぷんすか怒ると、適切な八つ当たり先がないからといって庭の草抜きをしたり、9回目の出戻りシーンのしょげてる様子や、「意地悪には意地悪で対抗しますから!」と言ってみたり、もう可愛いったらありゃしない。
またルネ(攻めさん)も吠えない穏やかーな大型犬そのまんまで、大変良かったです。二人とも善人コースなのですが、フランが感情を割合出してくるので、シンクロしやすかったように思います。

ヴァネッサはなんであんなに意地悪な訳?とか、そもそもフランはなんで9回も出戻りになったわけ?といったあたりの消化不良は、今度のスピンオフでなんか解決するのでしょうか?いやいや、次は第四王子クランベールがメインみたいだしなー。当巻で、しっかり者の片鱗を見せてくれていた彼。フランも出てきてくれると嬉しいのですが。今月末を楽しみに待ちます!

0

ファンタジー世界の花嫁物


新書で2段組みだったので読むのが大変かと思ったんですが、とても面白くてワクワクして読んだので、分量は多かったかもしれませんが、一気に読み終えました。
ストーリーは王道のところもありますが、とてもよくできていました。
ただ、BLにしなくても主人公が女性でも成り立つお話ではあったと思います。

エフセリア国第8王子フランセスカ(受け)は容姿も優れており人柄もよく民にも慕われており非の打ちどころがないように見えるのに、なぜか嫁ぎ先から破談されること9回。請われて嫁いでいくのに、何故かいつも相手に本当に愛する相手ができてしまうのです。巷では「出戻り王子」「幸福の王子」(直後に相手が幸せな結婚をするため)と言われています。
毎回相手のことを吟味した上で縁組され、自分も愛されるよう相手の好みに合うよう努力するのですが、なぜかそれが裏目にでてしまいます。少し前から10回目の縁談がダメになった暁にはもう誰にも嫁がないと宣言しています。
とうとう9回目の縁談が破談になり、帰国した直後再び縁談が来ます。
2件の縁談のうち片方は裕福な王国の王で妃も二人おり愛人も複数います。もう片方は小国の王でした。が、一生フラン一人だけを大切にすると言い、フランは金銭的には裕福ではなくても精神的に裕福な国のように思えた小国カルツェ国に嫁ぐことにします。

この世界では異性婚も同性婚も同じように認められており(王族も王太子以外は基本認められている)、フランにはなぜか婿にという縁談は一つもなく妻にという縁談しかないし、家族も嫁に行くと決めつけています。
これだけの回数の縁談を取り付けるのは国としても相当な手間だと思うし、これだけ破談になる王子を名指し申し込んでくる相手がいることもかなり??ですが、これだけ破談になったのは運命の相手との婚姻が整うまでの準備期間ということなのでしょうね。

今まで様々なパターンでの破談があったので、初夜が終わるまでは油断できないフランは不安に思いながらも輿入れします。カルツェ国では国民に歓迎され国王ルネ(攻め)からは誠実な愛情を示され、妹姫からも懐かれ今度こそ幸せになるのではと期待に胸を膨らませます。

フランは24歳成人男子とはとても思えないくらい素直で可愛らしいです。何度破談になっても国民からも愛されていて、何故縁遠いのかと心配されています。
ストレス発散は雑草抜きでかわいい悪態をつきながら無心になります。意地悪されても大人しくしているタイプではなく、ちゃんと言い返し(頭が切れるわけではないので言い負かされたりはします)意地悪には意地悪で返すと宣言できるくらいは気が強いです。
でもこの辺が16.7歳くらいに見えてしまう所以かもしれません。

ルネは早世した父王に替わり早くから王位についています。昔の戦争で領土のほとんどを無くしておりとても小さい国ですが、国民の心は豊かで王と国民との距離がとても少ないです。気軽に町を出歩き声を掛け合うような気安さです。
小国とはいえ国王として立派に職務を果たしているルネはとてもしっかりしています。とても年下とは思えません。フランのことを心底愛しているというのがそこここに散見されます。

実際、二人の関係はとてもよく、ルネは忙しいながら毎日顔をみにきて、できる限り会話をしたり睦まじい夫婦になります。ただ、初夜を失敗してしてしまい、そのせいで心身ともに夫婦にはなかなかなれません。フランはまた破談かと怯えるのですがルネは何事もなかったかのように接してくれます。妹姫キャロルと仲良く視察したり、寝室を共にしていないのが漏れて不仲なのかと邪推されたり、自分に意地悪をしてくる相談役のヴァネッサのことにもやもやしたりしながら少しずつ嫁ぎ先に慣れていき愛を深めていくフランですが、思い付きを調べてみたら不正を見つけてしまいます。不正事件がらみの誘拐事件などが起こったりして、国全体の大事件になりました。

二人が初夜を失敗したのは、相手に任せればよいとほぼ何も教えられずに輿入れしたフランと、どこまで知っていたのか不明ですがいきなり突っ込もうとするルネというなるべくしてなった失敗でした。恋愛部分だけをとれば、やり方を知らずに失敗する初恋同士の高校生のような初々しい恋愛事情ですごく微笑ましかったです。

結局よくわからなかったのはヴァネッサがなぜフランに意地悪なことを言ってきたのかです。ルネを悲しませたくないからと忠告してくれたり、悪態をつきなからも化粧水を作ってくれたりしていてツンデレっぽくもありますが、わざと挑発する理由がよくわかりませんでした。また、ルネも自分以外がフランに触るのを嫌がる癖に自分はヴァネッサが腕を組むのを許したり、背中をさすったりするのもよくわからないし、ちゃんとフランがヴァネッサのことを聞いてるのに、話がずれていって本当に知りたいことを教えてくれないのはちょっといらいらしました。
とはいえ、ルネは人前でもすぐに二人の世界に浸ってしまいそうになるくらいフランにぞっこんであまあまで、フラン自身もルネの愛を疑う余地はないのでフランの気持ちの起爆剤のような役目だったのかな。

最後で話が大きく動くので、無事事件は解決しましたが、解決してすぐやり直し初夜で終わり、だったのでフランとしては幸せな気分で物語終了でしょうが、全体としてはちょっと中途半端な感じがしました。

事件の黒幕財務大臣について、どさくさに紛れていろいろ暴露されてましたが、フランの兄王子も巻き込んでいたのでやっぱりエピローグ的なものが読みたかったです。
話がとても面白かっただけに、ぶった切られた気分で少し残念でした。
続編が出るのかな。あて馬のような存在はヴァネッサだけでもう沢山ですが、続編が出るならぜひ読みたいです。

1

出戻り王子は、愛するよりも愛されたい

初恋を貫いた攻めの粘り勝ちですかね?
年下ながらも一途で男らしく、ちょっと不器用なルネが素敵でした。
キャラクターも魅力的で概ね良かったのですが、長いわりに大事な部分の説明がされてなかったので、私としては疑問が残りました。
結局のところフランセスカの結婚話が9回も破談になったのは、たまたまだったのか?
ヴァネッサはなぜフランを嫌っていたのか?

ルネのフランに対する愛情と、フランがルネに対する愛情に温度差を感じてしまったのがちょっと寂しかったです。
ルネの正体は最後の最後にしか気付かなかったし、ひねくれた私からすると自分のことを末長く愛してくれるならルネじゃなくてもなびいてた気がしてならないのです。

0

正統派の花嫁ものです

花嫁もののファンタジーです。
とても読みやすくて可愛らしいお話。BL初心者さん向けだと思います!


エフセリア国第八王子・フランセスカ(受け)は、何故か結婚話が破談になり、出戻ること9回。そんな中、新たに小国・カルツェから結婚の申し込みがあり、若き王・ルネ(攻め)の元に嫁ぐことに。二人は互いに惹かれ合いますが…というあらすじです。

受けのフランセスカは、薄紅色の長髪に可憐な容姿。見た目にそぐわず、天真爛漫で跳ねっ返りな所も。
攻めのルネは王として有能ながら、受けに対しては一途で純情。とても誠実で、真摯に受けに向き合います。

カルツェ国に嫁いできたフラン(フランセスカ)が、ルネはもちろん護衛兼侍従のモランや義妹となるキャロル等、まわりの人達と温かい交流を重ね、辺境で貧しいながらも朗らかな国に馴染んでいきます。
しかし、婚礼の儀を終えても、互いに不慣れな為初夜が上手くいかず、なかなか本当の夫婦になれない事に悩み…という展開。更に、目端が利く事から大臣の不正を嗅ぎつけ…といった所。

有能な王様なのに、受けに対しては不器用になってしまう攻めや、そんな攻めに無邪気に接する受けにほのぼのします。
更に、慣れない同士でエッチが上手くいかないという中学生同士のような初々しさに萌えるのですね。攻めは、受けがとても怖がり痛がった事から大事にしようと手を出すのを我慢し、受けは手を出されない事に不安を感じて、最初に怖がった事を後悔する…。バカバカしいすれ違いなのですが、本人達は至って真剣です!

そんな中、フランが大臣の不正に気付き、追い詰められた大臣がフランを攫ってという緊迫の展開。そして、その局面を乗り越えた二人はようやく結ばれ…といった所。

絡みは2回。1回は攻めが寸止め。あっさりめですが、作品の雰囲気によく合う可愛らしい初エッチです。

しかし、ちょっと気になる点も。
そもそも、なんの説明も無く「王子が嫁ぐ」となっているのですよね。多分、こちらの世界では同性婚ってスタンダードなんだろうな…と推測するしかないのです。「幸福の王子」と言われ、容姿や性格に何の問題もない受けが、9回も出戻るというのもちょっと強引な気がするし…。
そして、伏線が回収されてないです。結局、当て馬の家庭教師と攻めがやたら二人で籠もっていたのは、想像した通りのオチで良かったんですかね…?

終始かわいらしく、読みやすい正統派と言った作品で、初心者さんにお勧めだと思います。面白いけど、スレてる私にはちょっと生ぬるくも感じます…。



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