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fukushachou no amayakashi kazokukeikaku
若月先生のお話はどれもわかりやすく読みやすいので大好きです。
あらすじは他のかたが既に書いてくださってるので割愛。以降、ネタバレありです。
主人公で受けの詩央が、言うべきところはきちんと言うタイプの子で、読んでいて楽しかった!一夏のお世話の際に、ところどころ挟まれる従弟の麗音のエピソードが面白かったです。一夏が比較対象としてとても良い子なのでより目立ってしまってますが、THE 男児って感じで。(感電や退園一歩手前なところは、激しいですが…)
きっと叔父夫婦やこの従弟も後々絡んでくるのかな?叔母さんは詩央がいなくなった後家事をする人がいなくなって悔しがったりしてないのかな?麗音も、内心帰ってきて!とかならないのかな、と思いながら読んでいましたが、叔父さんが出てくるのも最初だけで、まったく出てきませんでした…
叔父さんにとられた遺産はどうなったんでしょう?そこがまず読み終わってから真っ先に気になりました。巻末の番外編で言及されるかな?と思ったけど、それもなかった笑
長くなってもいいので、そういう伏線?は全部きちんと作中で回収してほしいです。
攻めである宗一狙いの女性たちもこわい。
家や公園、会社まで押しかけるとか…でも一番は元嫁ですね。
詩央(受け)は両親を交通事故で失い、叔父家族の家に身を寄せていました。寮のある中堅の企業に就職が決まり、叔父の家から出られる日を心待ちにしていたある日、突然叔父から副社長の家の家政夫をしろと言われます。入社予定だった会社にも勝手に内定辞退の連絡をされてしまい、仕方なく家政夫を引き受けることにします。
望まれて家政夫になったと思ったのに、副社長の宗一(攻め)にはとても冷たい態度で迎えられ、こちらもいやいやなので険悪な雰囲気に。宗一は今までろくなハウスキーパーが来なかったため懐疑的になっていたのでした。
叔父の家に引き取られてからは叔父夫婦の一人息子の面倒も家事も全てやらされてきた詩央は家事も育児も得意で、宗一の息子の一夏にも懐かれ、その様子を見ていた宗一にもしだいに受け入れられます。両親が死んでから家族らしいことに飢えていた詩央は、叔父の家に居候していた時よりずっと居心地のよい生活を送るようになります。
大体、こういう不憫な境遇の受けは、いくらひどい扱いを受けていてもお世話になったのだからと気を使ったりするお人好しが多いのですが、詩央は叔父家族がうるさいから我慢していただけの、気の強い自己主張のちゃんとできる子でした。
せっかくの内定が駄目になったのだから責任を取って次の職場を紹介するよう交渉したり、叔父が会社で不利になったらどうしようなんて気を使うこともなく、堂々と叔父はケチだとかこき使われたとか話すし、遺産とかの話が出た時も叔父に取り上げられたとか平気で言うし、いい性格してるなと好感を持ちました。
それにしても、中学生の子供を一人急に引き取らなければならないのは大変かもしれませんが、専業主婦のくせに家事育児すべてを押し付けた上、詩央がもらうべき遺産も全て養育費として使ったなんて言って取り上げるなんてどんだけ叔父夫婦は強欲なのか。その上、就職先まで勝手に潰して自分の出世に使おうとするなんて本当に性格が悪い。
宗一は一流企業の創業者3代目で早くに副社長になったため、自分の能力を証明するためにも仕事に邁進してきた人です。子供のことは大切に思っていますが、触れ合う時間が少ないためお互い少し遠慮があります。
見目も良く、その立場もありモテモテ人生で常に誰かからアプローチされている状態のため軽い恋愛はしたことがあっても、本気の恋はしたことがありません。
結婚も周りがうるさいから容姿や条件で選んだという政略結婚でした。
今現在も相変わらず、女性のアプローチは留まるところを知らず、軽い女性不信になっているようです。
詩央が入った3人家族のような関係は心地よく、お互い自分の気持がどのようなものか探りながら家族のように親交を深めていきます。そんな中途半端な状態を楽しんでいた二人に嵐の襲来がやってきます。
この話に出てくる女性はみんな肉食女子ばかりでした。嫌がっているのも気にせず、ぐいぐいくる様は二人が女性が苦手になるのも仕方ないかもしれません。
特に強烈なのが離婚した元妻朋花でした。
出ていった状況もびっくりでしたが、虐待の多い昨今では珍しくないかもしれませんが一夏にした仕打ちも許せないし、再び襲来してきた時は精神状態を疑うレベルで、怯える一夏がかわいそうでした。
ただ、これは彼女だけに問題があったというわけでないと思うのです。大して恋愛もせず見合い結婚した朋花は結婚に夢を見ていたと思います。なのに、宗一は忙しく夜遅く帰ってくる上、寝室も別で会話もあまりなく、思っていた愛情ある結婚生活とは違って寂しかったのではないかなと同情する気持ちもあります。
なので、宗一と詩央が朋花のことを話すところは、宗一にはイラっとするようならなんで結婚したと思うし、詩央には無意識に嫉妬していたから仕方ないかもしれないけど、本人を知らないのに片方だけに同調したらダメなんじゃないかなと思ってしまい、この部分に関してだけは2人に対してもやっとしました。
元妻の襲来により、心地よい関係に終止符をうちお互いの気持ちに向き合うことになるので、図らずも二人にとっては関係を進めるためのキューピットの役割を果たすことになります。
ただ、二人は愛を確かめ合って終わってしまうのでもう少し先まで読みたかったです。
例えば、叔父から取り返そうとしていた遺産はどうなったんだろうかとか。それがあれば成績は良かったみたいだから、大学に行くこともできると思うのです。
詩央の叔父は副社長に甥っ子を送り込んだことで出世の糸口にと目論んでいたのでしょうがその後どうなったのでしょうか。大人しいわけではない詩央が全部ぶっちゃけてしまってるので、なんか失敗でもして失脚してたら面白いのにと思ってしまうのは私の心が狭いからでしょうか。
あと一つ気になったのは、細かいかもしれないのですが、一夏の台詞に漢字が多用されていたことです。生い立ちゆえ、いい子にしていなければという強迫観念があるようなので言葉遣いがしっかりしているのはいいと思います。しっかりした台詞でもひらがなだと幼い感じが出ると思うのですが、漢字のせいでどうも幼稚園児の台詞に聞こえなくて、一瞬誰の台詞か考えた時がありました。幼い子供の可愛らしさが半減していてもったいないなと思いました。