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yakusoku no rakuen
年の差で純愛大好きなシチュということと、好きな作家さんとのことで手にした作品です。
エロさは控え目でしたが、読み応えはありました。
攻め受けともに何か通じるものがあって結ばれた二人なんだろうな、幸せになってほしいなと思う反面、あのまま二人で逝くのも悪くないのかもなと色々考えさせられました。
ただ、猫が死ぬ場面だけは過去に同じ経験をしたこともあって思わず当時と重ねてしまいました。
これからの二人の過程も気になりますが、ハチコのことはずっと忘れずにいてほしいです。(せっかく表紙にいるんだし!!)
男のことしか考えていない母やその再婚相手との生活に疲れ自暴自棄になってるとんがった高校生受けと、過去の出来事に囚われている警察官攻めの、刹那感とシリアス感あふれるBLです。
元は古い作品であるらしく、内容というか雰囲気が古かったです。古いBLによくあったような展開が多く、気恥ずかしくなってくるくらいでした。しゃべり口調もドラマのセリフみたいな持って回った感じ。
そして受けがとことん好きになれなかった。親に反発し、幼なじみに彼女ができたら荒ぶって幼なじみに八つ当たりして彼女にも暴言を吐く。コンビニの店長が小児性愛者だと知って幼なじみと組んで陥れる。自分に親切にしてくれる人たちの言葉尻を捉えていちいち荒ぶる、攻めの携帯を勝手に見て番号を手に入れる、攻めの家に入れてもらったら本棚やフォトスタンドを勝手に見る。高2ですが、中二病みたいな子供じみたキャラでした。
そんな受けは、警察官の攻めと知り合って攻めを好きになり、ワンコみたいにまとわりつくように。この受けにまとわりつかれても私ならウザいだけだと思うけど、こちらも過去の出来事のせいで心を閉ざしている攻めはあっさり絆される。なぜこんな根性ねじ曲がった高校生に絆されるのか理解しがたかった。
ページの半分くらいまでは、読むのも苦痛なくらい受けに対してイライラしていましたが、攻めに受け入れてもらったあとはなかなか丸くなり、可愛いと言えなくもない性格に。そしてその後のドラマティックな悲劇的展開を迎え、受けはもはや別人だろうというかわい子ちゃんに。相手の男次第でここまで変わるのか、それ受け自身が嫌がってた母親と一緒じゃ…とか思いました。
悲劇的展開はありますが、一応ハッピーエンド的な終焉です。ネタバレ回避のため濁しますが、8年ってちょっと長すぎて唖然としました。その間だれが入院費払ってたの? とか、ツッコミどころ満載でした。
あとがきで作者さんは「トレンディドラマ的」と書かれていましたが、どちらかと言えば昼メロっぽいです。
砂床さんてエロエロ~な作品を描かれるイメージだったので、小椋さんの描かれた可愛らしい表紙とどんなタッグを組んだのかな、と思いつつ読み始めました。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
母親からネグレクトを受け続け、それでも母親からの愛情を求めた高校生の里玖。
そんな母親が、再婚したことをきっかけに態度が急変したことで母親に幻滅した男の子。
田舎で、他人を型にはめて本質を見ようとしない大人たち。
そんな環境に辟易し、ちょっとした遊び心で警察の厄介になりますが、そのことをきっかけに交番勤務のお巡りさんである浮木さんと出会い。
上っ面ではなく、はじめから自分の内面を見てくれた浮木さんに徐々に傾倒していく里玖が、ちょっと切なかった。欲しかった愛情や態度をくれたのが、初めて会ったお巡りさんだった、ということに。本当なら両親から受けるべき愛情を、今までもらえなかった里玖が哀れでした。
無口で不愛想な浮木さんですが、本当は優しく思いやりのある男性だというのはしょっぱなから透けて見えていて、だからこそ愛情に飢えた子どもと、勤勉で真面目な警察官である大人の男性との恋のゆくえがうまくいく未来は見えず、ハラハラしながら読み進めました。
子どもゆえにまっすぐで恐れを知らない里玖。
哀しい過去を持ち、自分のせいではないのに不遇な立場に置かれている浮木さん。
そんな彼らが出会い、恋におちて。
捨て猫や猫をテーマにした絵本といった小道具が非常に上手に使われていて、愛情を知らない里玖と、孤独な浮木さんとイメージがリンクしていて切なさがさらに上がっていた気がします。
浮木さんは、里玖のどこに惚れたんだろう。
彼の人生は、里玖のために失ったものも大きかった。
それでもお互い求め、愛しぬく姿はまさに純愛でした。
二人の純愛には萌えましたが、若干話のツメが甘いな、と思うところも。
逃避行をつづけた彼らが最後に選択した行動は、ちょっと古臭い、というか昭和な香りがする、というか…。
砂床さんがデビューしたての時の作品という事もあったのかな。
最近の砂床さんの作風と若干異なっていた気もしましたが、それでもゲイや母子家庭に対する偏見や成人と未成年の恋愛の難しさといったシリアスな内容を上手にまとめたお話だったと思います。
あと小椋さんの挿絵がとっても素敵でした。
特にお巡りさん姿の浮木さんのカッコよさと言ったら…!
表紙も素敵で、萌え度は確実に上がりました。
砂床あいさんがデビューされて間もない頃、某社雑誌で連載される予定だった作品とのこと。
300ページ越えの大作で、昔のJUNEを思わせるシリアスな作品です。
あらすじ:
家にも学校にも居場所を見いだせない高校2年生の里玖(受け)は、憂さ晴らしにコンビニで万引きし、店長がホモでショタコンとの噂の真偽を確かめることに。
店長に本気で犯されそうになったところを交番の警官・浮木(攻め)に助けられ、以来彼のいる交番を度々訪ねるようになり…
里玖は、家庭環境のせいで歳の割に大人びているものの、愛情に飢えた野良猫のようなところもある危なっかしい青年。
母子家庭で、母親からネグレクトや暴言等の虐待を受けて育ち、母親やその再婚相手のことを心底軽蔑しています。
そんなワルだった里玖が、浮木という信用できる大人に出会ったことで少しずつ変わっていくような展開。
野良猫を拾って交番に届け、浮木がその猫を飼い始めてからは彼の家に入り浸り…と、大人相手に不器用ながら懸命にアプローチする姿にグッときます。
浮木は、妹がストーカーに殺され、しかもその犯人が自分の尊敬する上司だったという苦い過去の持ち主。
上司の自殺で真相は闇に葬られ、浮木は地方の交番に左遷。
上司を告発しようとしていたことで、今も周囲に「上司殺し」と揶揄されています。
救えなかった妹の面影を里玖に見たのか、浮木は家に居場所のない里玖を居候させてくれるように。
未成年の里玖に手は出しませんが、キスされたり、身体を擦りつけられたりといった接触を拒むことはせず。
理性と本能の間を行き来する二人のイチャイチャシーンにキュンキュンさせられます。
そんな二人の幸せな日々も長くは続かず。
未成年を家に泊めていることがバレた浮木は淫行の罪に問われ、浮木と引き離された里玖は学校でホモと揶揄され…と、辛い展開です。
監視の目をかいくぐり浮木に会いに行った里玖は、何もかも捨て二人で町を出ようとしますが…
この先の結末はぜひ本編を読んで確かめていただきたいですが、とにかく二人が結ばれるための代償が大きすぎて、非常にズッシリ重たい読後感。
特に浮木の人生を思うと、若者一人を更生させるためにここまでの代償を払わなければならないなんてとやりきれない気持ちに。
編集さんが浮木のことを「蝕まれた大人」と評したらしいですが、まさにピッタリな表現です。
しかし、里玖を救うことが浮木自身を救うことにも繋がるのだとすれば、浮木は自分の人生に後悔はないのだろうなと思います。
ラストはハッピーエンドですが、二人が恋人として幸せを満喫するのはこれからで、その楽園の日々をもっと見ていたいなという気持ちに。
余韻の残る良い結末だったと思います。
砂床さんがこのようなガッツリシリアスで社会派な作品を書かれていたとは驚きでした。
コメディ系やエロエロ系も良いですが、こういう路線の作品もまたいつか書いていただけたらなと思います。