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花嫁とは名ばかりの“生贄”として捧げられ……。
juou no mitsugiyome
華藤えれな先生の作品は、何を読んでも読後しばらくはぼっーとその作品の雰囲気の中に浸ってしまうのですが、こちらの作品もまたまた浸ってしまうほど作品に惹き込まれていました。
天涯孤独の身で暴力・レイプによる身体障害まで持ってしまったうえに、獣王に生贄として嫁ぐことになった受けさんの紫生も、獣王として恐れられ400年も生きていて本当の意味での生贄だった攻めさんのキリアンも、どちらも健気で不憫でこちらが切なくなる2人でした。
2人が出会ってから物語終盤までは、割とほのぼの感溢れ、スペイン人の無敵艦隊の亡霊達も、ディズニーのパイレーツオブカリビアンを想像しながら且つ異国感溢れる世界観にほわほわしながら読み進めていました。
でも、終盤からが切なくて華藤先生らしい進め方だったなと…。
ハッピーエンドで終わらないんじゃないか、とひやひやするほど最後の最後にキリアンが成仏(?)してしまい居なくなってしまうという展開があるなんて…。
紫生の大人になったら叶えたかった夢がこんな形で叶うなんて…。
と、悲しくなりながらも読んでいましたが、本当の本当に最後の再会のシーンで報われました(;Д;)
複雑な事情がありすぎただけに想いが通じ合えることが遅かった2人ですが、待たされた分焦らされた分ただただこの2人には幸せなってほしいと思わされるラストでした。
お伽話を盛り込んだ異国感溢れるこの1冊は、是非静かな環境で一気に読んで欲しいと思うお話でした( *´︶`*)
アイルランドを舞台とした、どこか懐かしく温かい印象のおとぎ話のような作品です。
神々と妖精と言った、ケルト神話の世界ですね。プラス「美女と野獣」と「蒼髭」。更にスペインの無敵艦隊と盛り沢山です。
孤独な公爵×健気な天涯孤独の少年といった、正におとぎ話の鉄板といった所。
「そして二人はずっと幸せに暮らしましたとさ」と締め括りたくなる、素敵な作品でした(*´ω`*)
内容は、アイルランドの港町で健気に毎日を生きる天涯孤独の紫生(受け)が、生贄の花嫁として恐ろしい獣王が住むという「妖精島」に嫁がされます。そこで待っていたのは、獅子の姿もとれるレンスター公爵(攻め)。紳士的で思いやりのある彼に惹かれますが、何故か「婚約の誓い」以降、レンスター公爵が触れてくる事は無く…。更に伝説に隠された真実が次第に明らかになり…といった感じです。受け視点で進みます。
受けの紫生はとても健気でひたむき。天涯孤独で借金の返済の為に、18才になれば男娼として客をとらなければいけません。そんな境遇でも、前向きに懸命に毎日を生きています。
攻めのキリアン(レンスター公爵)は、こちらもまた健気。獅子の姿もとれる「獅子王」です。モフモフですが、人間の姿の時に耳と尻尾は生えてません。ちょっと残念…。
思いやりが深く、嫁いできた紫生に対しても紳士的な優しい態度で接します。彼がグレンハーバーの町に呪いをかけ…と伝承されていますが、その伝説の裏に哀しい真実が隠されていて…。
獣王の花嫁として呪われた島に嫁がされ…と悲惨な感じですが、実際にはその「妖精島」ではほのぼのとした生活。
受けは、攻めや使用人から大切に扱われ、攻めの為にケーキを焼いたり、獅子姿の攻めと毎日一緒に眠り…といった、以前の娼館で住み込みで働いていた時より、よほど幸せな毎日を過ごしています。
そんな中、受けは本当の夫婦になりたいと攻めと繋がる事を望みますが、攻めは頑なに受けを拒むのですね。それには受けを思い遣った為の深い理由があり…といった所です。
更に獣王を倒すための陰謀に巻き込まれ、そんな中真実が明らかになってゆき…。といった感じで進みます。
萌え所としては、受けの健気さ。今居る場所で懸命に生きるのですね。そして、そんな受けに惹かれつつも、彼の為に身を引こうとする攻め。この作品は、攻め受け両者共に非常に健気なのです。
お互いに惹かれ合いながらも、前向きに攻めの為に生きようとする受けに、受けの為に死んでいこうとする攻め…。ここにおとぎ話風のテイストが加わり、なんとも切ない感じです。
絡みはちょこちょこ。受けの為に手を出すのを我慢しているのに、「あなたのものにして下さい」と迫ってこられたら、そりゃ攻めも辛抱が効かなくなるよね…といった感じで。エッチの時も紳士的な攻めに萌えます。
最後の方がちょっと駆け足気味なのが気になるし、詰め込み過ぎでちょっとごちゃごちゃした印象も受けます。更にラストは都合が良すぎる気もしますが、まぁハッピーエンドで素敵なラストなので、これでいいんじゃないかと!!
妖精に獅子王と、メルヘンな世界に興味を持った方はぜひ!!
久しぶりにアホの子萌え、健気萌えを楽しみました。
受けの子が、とにかくバカ正直だし、健気だし、あわれなほど。
正しく健気だったようなきがします。
いちおう現代ものらしいんですが、アイルランドが舞台のせいか、中世っぽいふんいきまんさいだし、おとぎばなしBLとはこういうものかもしれません。さいごに攻めがもどってくるところも、まさしくおとぎばなしチックだったような。
怖れられている呪いの原因だと思われていた攻めが、実は最大の犠牲者であり、生贄であるというラストの謎がとけるあたりもカタルシスがありました。
そんなわけで、やっぱり華藤えれな先生ってうまいな、と久しぶりに思わせてもらいました。ときどき、こういうヒットが出るので、どうしても手に取ってしまうんですよね。
アイルランドを舞台にした、謎の多い獅子の化身と、健気で薄幸な少年の恋のお話。
モフモフの王様と薄幸な少年の取り合わせ、海外の各地の色々な伝承風味は、近年の華藤えれな作品の定番パターン。
今度はどこの国の、どんな伝承がモチーフになっているのかって所を楽しみにして新刊を買う訳だが、実のところ、つい後回しにしちゃうと、どれが未読で、どれが既読か、、、ま、そんなこんなで、発行から1年以上経ってしまった。
今作の攻めの獅子の化身のキリアンは、とっても健気で一途なスパダリだし、今作の受けの生贄の花嫁の紫生は、愛された子ども時代を持っているので、人にも惜しみなく愛を与えられるしで、作品全体の雰囲気はいつもに増して甘々です。
この手のファンタジー系の作品って、やっぱり好きだわ。
アイルランドが舞台のファンタジー。
史実にあるスペイン無敵艦隊のエピソードから着想を得た物語で、中東欧の伝承も盛り込まれており、単なるケルト神話路線にとどまっていないところに工夫を感じます。
あらすじ:
アイルランド北西部の港町に住む紫生(受け)は、「妖精島」に棲む獣王・レンスター公爵のもとへ生贄として嫁がされることに。
島で出会ったレンスター公爵ことキリアン(攻め)は、噂とは異なり優しい紳士で…
紫生は両親を事故で亡くし、親戚の営む娼館で客引き兼下働きをやっている少年。
昔、客をとらされそうになり逃げ出したところを男たちに暴行され、今も足と片目に後遺症が。
そんな境遇でも他者への思いやりを忘れない、おとぎ話の主人公にぴったりの健気なキャラクターです。
そんな紫生が嫁いだ獅子王・レンスター公爵は、昔人間だった頃、イングランドに破れ漂流するスペイン艦隊を助けた過去が。
そのことでスペイン内通者の疑いをかけられ、親族を処刑されてしまいます。
怒りで獅子王と化したレンスター公は、嫁いでくる花嫁を次々殺しているとの噂。
作中でも指摘されているように、ちょっと青ひげ公を連想させるような設定です。
島に着いた紫生は、まずは7日間誰とも口を利かず一人で僧院で過ごすという試練を与えられます。
それをクリアした後は、レンスター公爵ことキリアンと難なく仲良くなり…
と、物語中盤以降の展開は思いの外平和。
青ひげ公の物語にちなんで、マルスがキリアンとの約束を破るような展開を予想していましたが、そんなハプニングは起こりませんでした。
黒幕との戦い、キリアンとの再会などクライマックスに仕掛けはあるものの、敵との戦いのシーンがダイジェスト気味でカタルシスはいまいち。
また、ラストに明かされるキリアンの正体は意外でしたが、種明かしのシーンが駆け足気味で、感慨に浸る間がないのが残念。
「あのときの…!」くらいのシンプルなやり取りで片付けられており、どのときの?と一瞬分からなくなりました。
また、獅子王に青ひげ公に…とただでさえ属性豊富なキリアンにこれ以上新たな設定を追加しなくても…という感じも。
キリアン自体は優しくてカッコよくて素敵なキャラクターですが、設定的にやや欲張り過ぎな感がありました。
複数の史実や伝承を組み合わせた独自の世界観には華藤さん作品らしい魅力があるだけに、後半失速気味なのが少し惜しい感じがしました。
華藤さんが得意とするヨーロッパを舞台としたファンタジーです。
公爵で獅子王で妖精界の魔王で冥界の王で青髭な攻めであるキリアンと、辛いことがあってもわりと置かれた場所で咲けちゃう受け紫生。二人とも悲しい過去を背負っているので、最初は流されて婚約したのかと思っていましたが、実は違ったのですね。
華藤さんの描くヨーロッパの雰囲気はとても魅力的なのですが、皆様おっしゃるように設定が飽和状態で、物語の本筋に集中できなかったのが残念でなりません。
理解力がない私は、場面や状況を把握することで精一杯だった為キリアンと紫生へ感情移入することができませんでした。途中からキリアンと紫生の二人よりも彷徨えるスペイン人が気になりました。
ラストは大団円で感動的ではあったけど、ストーリーそのものの印象が薄かったです。
妖精島に住むという獣王に嫁ぐことになった紫生。恐ろしいとされる獣王に生贄として捧げられるとわかりながらも、天涯孤独であと数ヶ月で娼館で身を売らないといけないといけなかった紫生は、頷くしかありませんでした。けれど、そこにいた獣王は、噂に聞くような恐ろしい人ではなく、優しく健気な人だったんです。紫生を大事にしてくれる獣王キリアンに心を惹かれるけど、キリアンは紫生が本当に期待しているようには触れてくれない。そこには理由があったんですが…。
キリアンも、紫生も、一生懸命相手を想って、健気で切ないです。キリアンがようやく解放されて良かった。終盤が切なすぎて、これは…と心配していたのですが、無事ハッピーエンドで、心底安心しました。可愛くて切ないおとぎ話。健気な2人の時間が、少しずつ、静かに進むお話でした。
華藤先生といえば!といった感じの、外国をモチーフに描かれた作品。
沢山取材をされているのかなと思うほど、ヨーロッパの風景を描くのが本当にお上手だなと。
今作は史実も織り交ぜた現代ものとの事ですが、どちらかというとファンタジー寄りのおとぎ話です。
個人的になのですけれど、華藤先生のお話はひとつひとつの設定がとても魅力的なものが多いように思います。
なのですが、魅力ある設定が混雑してしまい後半失速してしまうパターンと、すっきりと良い塩梅で収まっている良作パターンの両極端な気がするのですよね。
これがまた途中までは本当に面白いので、読み終えるまではどちらに向かうのかが分からないので読んでしまうんです。
しかしながら、今作はやや混雑してしまっているパターンかなと感じました。
健気で他者を思いやる気持ちを忘れない心根の優しい主人公には好感が持てますし、恐怖の対象として恐れられていた獣王は、実際は悲しくも優しく健気な人物…と、好感度の高い2人なのです。
一貫して紳士的な態度のキリアンが素敵。
紫生の不遇な日々とキリアンの悲しく不憫な呪いの部分もあいまって、2人が出会ってからの甘さ漂う優しくて穏やかな幸せな日々に心癒されます。
お菓子作りが上手な紫生が作る作中に登場するケーキの数々はどれも美味しそうですし、城に入るまでの7日間にケーキを作って供えては、そのお礼に翌日置かれた果物を使ってまたケーキを作るシーンが好きでした。
幼い頃に湖で溺れかけていたのを助けてくれた妖精に届きますようにと、ケーキをバスケットにのせて湖に流すシーンも、その裏側の種明かしも展開は読めてしまうものの良いエピソードなのです。
400年もの間を孤独に生きて来たキリアンが諦めかけていた感情。
そんな彼に希望を抱かせてくれた紫生という存在。
実は一途な攻めが待ち望んだ再会ものだったという、もうとてつもなく素敵な設定だというのに、終盤のかなりの駆け足さと設定の詰め込みに埋れてしまっているのが本当に惜しいのです。
残りのこのページ数でどうするんだ…?と思っていると、最後はおとぎ話らしいハッピーエンドでした。
本当に素敵なエピソードや設定が多かっただけに、お話がの良さがあちこちに分散してしまって残念に思いました。
きょう先生おっかけで購入。シリアスせつない、どファンタジーで、攻め受けともキュんとするポイントが無かったので申し訳ないです、中立です。お菓子、パン等の表現は通常通りめっちゃ美味しそうなんですけど。本編230pほど+あとがき。
10歳の時に両親が亡くなり祖母も亡くなって、借金返済のためにアイルランドの港町で娼館の下働きをしている紫生(しお)。ある日借金を肩代わりするから獣王の嫁として妖精の島へ行ってほしいと頼まれ・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
コナー(執事)、ミアン(妖精猫)、悪党少々ぐらい。
++以下、よりネタバレ
衣装、花々、居住空間を始めとする周りの風景描写が細かくってとっても素敵。そして何よりえれな先生のお菓子、パンに関する記載って天才的だと思うんです。今作も塩バターパンだの各種タルト、ケーキ類の豊富な事。食べたいよう。
そして設定が超ファンタジー。無敵スペイン艦隊の時代のスペイン人さんの亡霊が100年に1度目を覚まして、楽しい想いをさせてあげないと人間界に悪い事しちゃう!なんて、もうびっくりさんです。冥界の王となって彼らを見守る役目を負わされている攻めさんも、ちょっとお人よしが過ぎるというかなんというか・・・
そんな訳でひたすら健気な攻めさん。彼を、これまた純粋無垢、まっすぐ生きてきた健気受けが助けるという感じのお話でした。エロさありのお伽話といったところでしょうか。せつなさまっしぐらなお話が大好きな方はいいのではないかと思った一冊でした。