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mainichi canon nichinichi canon
ちょっとしたすれ違いは有るけれど、優しい人同士の相愛。
鹿野可音:19才。
優しくて、思いやり深い、庭師の家庭に養子に入った美少年。額に傷跡がある。
憧れの御屋敷のお坊ちゃんに、一途に想われていることに、自覚がない。身分差に悩んでいる。
朱鷺川澄一:23才。
お屋敷の坊ちゃん。カノンが大好き。
カノンと一緒になるために、相続権を放棄。独り暮らし。
嫁として連れてきたカノンが20才になるまで、我慢している。
カノンは子供の頃、坊ちゃんに怪我をさせて、祖父から厳命されたことを、
何かある都度に、思いだして壁を乗り越えられない。
坊ちゃんに懸想する女子が登場して・・
色々有るけど、ハピエン。
作家買いです。砂原糖子先生は作品がたくさんあるのでどれを買おうか迷いましたが、主従は個人的に萌えポイントなのでこちらにしました。
素敵な表紙を見た瞬間に、タイトルの「日日」を「ひび」と読み間違えていたことが発覚。「にちにち」が正解でした。
タイトルがかわいらしいのでほのぼの系と予想して読み始め、冒頭から澄一が可音に微笑ましいプロポーズをして可音の秘めた恋が即時成就したと思われる展開でしたが、 実は可音は澄一の「お味噌汁を作ってください」を言葉通りにしか受け取っておらず、主人と使用人として同居しているつもりの可音と、夫婦として同棲しているつもりの澄一との温度差が凄まじくて笑ってしまいました。
予想通りほのぼの系だな、と序盤は笑えていたんです。でも、すれ違いの原因がなかなか根深そうなことを察してからは切なくなってきて、同時に何も気付かずに新婚の甘い雰囲気を纏わせて幸せそうな澄一のことがだんだん気の毒になりました。
といっても、澄一は良くも悪くも可音以外のことには関心がないので、周囲から自分に向けられている恋愛感情なんて気付こうが気付くまいがどこ吹く風なんですよね。だから、依香に対しても脈がないことは言動ではっきり分かるんだけど、いかんせん依香の恋心には気付けていないので遠ざけはしない。それによって可音は依香の邪な感情に振り回され、回り回って「可音に振られる」という形で自分に返ってしまいます。
……という意地悪な書き方では語弊があるので訂正します。
正確には、可音が振ったのは可音自身の過去や気持ちが問題なので、澄一に非があったわけではないんです。ただ、依香の存在で二人の間にさらなるすれ違いが生じていた中での出来事だったので、タイミング悪く攻めザマァのような展開になってしまうという不運に見舞われただけなんです。懺悔すると、澄一のそういうところがかわいそうでもあり、愛おしくもあります。
可音は朱鷺川家に代々仕える鹿野家の人間であり、キャンプの一件で厳格な祖父に詰られ怪我をさせられたのを最後に、澄一とは必要以上に親しくせず主人と使用人としての距離感を保つよう自戒してきたので、澄一からのプロポーズも、自分の恋が成就してはいけないと無意識に使用人への言葉として受け取り、二回目のプロポーズでは自分の気持ちを押し殺してはっきりと断りました。
祖父が突き飛ばしたせいで孫の可音が額から血を流しているのに(澄一じゃなく)お前が怪我をすれば良かったのにとさらに責め立てられたこと、可音が遠縁の鹿野家に引き取られた人間だったこと、それらが額の傷とともに可音の心の奥深くを抉っていたので、自分は価値のない人間だから引き取ってくれた鹿野家や恋慕う澄一に必要とされるために使用人としての立場を守り続けたのだと思います。
澄一も不憫だけど、可音も不憫で健気でした。
しかし、二人は両想いなので、物理的に距離を置いたところで恋心はどうしようもなく、澄一のちょっとした事故と大内の機転によって可音は自分に正直になることができました。澄一に告白したところは小椋ムク先生の挿絵と相まってとても良かったです。
すれ違いの内容が深刻だったために切ない部分が強調されたものの、その後もクリスマスプレゼントの解釈違いの発覚だったり、初めて同士で結ばれたり、後日談では保育園の子供とのやり取りでドキッとしたり微笑ましかったりで、総合的にはやっぱりほのぼの系だったと思います。
ひとつだけ気になったところは、大豪邸(しかも東京二十三区内)に住めるほどの財力がある朱鷺川家の問題が軽んじられていたことです。
長男である澄一は弟が跡継ぎになるからとさらりと言っていたけど、これは朱鷺川家は了承済のことなのか非常に気になりました。
就職先が家業とは無関係の外資系企業の時点で家族にはいろんな事情を話したと思われるのですが、そこら辺の描写がなかったので、朱鷺川家と鹿野家の今後の関係に影響はないのかと、祝福の気持ちとは裏腹に妙に現実的な心配ばかりしてしまう自分に嫌気が差しました。
なので、澄一の一回目のプロポーズ前までの奮闘物語を少しでも描写してくれていたら神評価にしていたと思います。
本作で分かったことは、澄一のような攻めも好きだということです。
育ちは良いけど初恋相手の可音のことになると周りが見えなくなって多少残念な思考やかっこ悪い振る舞いをしてしまう、そんなスパダリになりきれないところがとても愛らしく感じました。
上手く言葉にできないのがもどかしいけど、読んだ人ならきっと分かってくれると思います。
読後、「毎日カノン、日日カノン」というタイトルに性的な意味を感じてしまったのは澄一のせいにしたいところですが、パッヘルベルのカノンを久々に聴いて無事に邪念を払うことに成功しました。
何度も何度もくり返し聴いていくうちに、可音と澄一の関係は神聖というか聖域のようなものに感じられ、どうか二人には初恋の美しさを他の誰にも汚されることのないまま、いつまでも愛を育んで幸せに生きてほしいと願うほどに心が洗われました。
今後は、本作を読んだらカノンを聴きたくなり、カノンを聴いたら本作を読みたくなるでしょう。
そう思えるほど、どちらも好きになりました。
小椋ムク先生の優しい表紙絵から、きっと甘い主従関係が読めるものと思い購入。
まさに予想どおり、甘くて幸せな気持ちを味わい、お互いを大好きな2人から癒やしをもらいました。読んで本当に良かった。
立場上、主人に尽くす受けキャラと、そんな従者を愛してメロメロな主人の攻めキャラの関係性が本当に萌えでした。
しかも、主人は従者を心から愛していて、お屋敷を出て一緒に暮らしたいなんて…!
気持ちを伝えるって難しいけど、2人が幸せで本当に良かった。
コミカライズされたということでこちらも同時に購入してみました。
背景描写がとても丁寧で、物語に飛び込むことができます。
コミカライズよりも甘さを感じて、幸せな気分になりました。
ーーーーーーー感想とネタバレーーーーーーー
読んでいるこちらは登場人物の脳内が読めるので、それぞれの想いがすれ違いまくっているところは面白いと感じました。
でもすれ違いが発覚してそれぞれに距離を置いたときが、とても切なかったです。
とくに好きなのは、すれ違いに気づく前。可音が澄一からの触れ合いを受け入れてしまっているところ。
可音の純粋な可愛さと、澄一の幸せそうなところが堪りませんでした。
書き下ろしがまた甘くて...可音に対して変態性を見せる澄一のギャップに驚きます。
いつも使っているエプロンをまさか持ち出してくるなんて。
甘いな...と思いつつも変態だな...とくすっとできるエピソードでした。
コミカライズが出たということで、こちらの本を読み返してみました。
のっけから攻めは「僕と一緒に来てくれないか?君が好きだ。そして僕のためにお味噌汁をつくってほしい。」とプロポーズし、それを感極まって涙ながらに承諾した受け。
ここから新婚生活が始まるかと思いきや、受けは攻めの言葉をプロポーズではなく「僕のお手伝いさんとしてやってきてほしい」と捉えてしまっていて……という天然ゆえのズレにズレたズレっぷりが最初は面白かったのだけど、途中からどんどん切なくなってしまった記憶があります。
もう一度読み返してみたんだけど、自分の好みとしてはやっぱりもっとコミカルだったらなぁ……というのがある。
攻めが「たった一人しか好きになったことがない」と答えるのを聞いて、まさかそれが自分のことだとは思ってない受けがひっそりと傷ついたりするんです。
早く勘違いに気づけばいいのに〜♪とすれ違いっぷりをニヤニヤしながら読む感じではなく、勘違いがどんどん受けの心を暗く追い詰めていく様子になんだか受けが哀れに感じてしまって…お互い早く気づかないのかしら……と読んでるこっちもちょっとテンションがダウンしていく。
そして、ようやくお互いに勘違いしていたことに気づいたと思ったら、解決♡ハッピー!ではなく、さらに切ない展開に……。
受けは代々攻めに仕えてきた一家に養子としてやってきたので、幼い頃から使用人気質を徹底して叩き込まれてきた子なんです。
「自分は使用人だ」と己に言い聞かせてそれ以上のものは望まず育ってきた子なので、攻めの言葉を勘違いするのも仕方ないというか、その勘違いすらが私には痛々しくてならなかった。
というわけで、この作品は読み返してみても甘々ほのぼのよりも切ない印象が優っていましたが、デロ甘に麻痺ぎみな私なので余りそこらへんは参考にならないかもしれません……。
(ただし「今日もカノン、二人でカノン」は甘い)
「今日もカノン、二人でカノン」はようやく思い通じあったあとの甘い新婚生活を描いてるんだけど、どうもおままごと感が否めない……。
というのも、この結婚は両家族から認められているものなのかという点に全く触れていないので旧華族の長男がいくら弟が継ぐ気満々だからといって、周囲がすんなり祝福してくれるようには思えないし、「ずっとルームメイトだと言い続ける事になるかもしれない」と攻めは覚悟してるけど家族にそれは通用しないだろ……と。
それとも、脳内お花畑化しちゃってる長男はとっくに一族から見放されているのかしら……??
ほのぼのしたお話が読みたくて購入。ぴったりでした。
名家の御曹司 澄一と、代々その使用人の家の子 可音の、すれ違い勘違いラブラブストーリーです。
澄一が告白するところからのスタート。あっさりオッケーで、恋人として一緒に住み始めて…と思いきや、可音は使用人として引き抜かれたと勘違いしていたんです。それもそのはず、告白のセリフは「僕の為にお味噌汁を作って欲しい」なのです。澄一のご飯を作るのは使用人の仕事。流石に気づくだろ〜と思っても、可音も澄一を勘違いに中々気付きません。
お互いに勘違いしながらも、ハグしたりキスしたり、嫉妬したりな無意識に意識しちゃってる可音が良かったです。澄一も、お坊ちゃんで紳士なので、初々しく可愛らしい2人です。すれ違った後のラブラブっぷりが凄いので、糖度が高いのを欲している時に読みたい本です。
プロポーズが家政婦の引き抜きと勘違いしたすれ違いから始まる初恋の成就までの甘いラブストーリーです。
攻めは名家で資産家 朱鷺川家の御曹司。
下々のものとはズレたところがあるけれど思いやりのある優しい主人です。
受けは可音 代々朱鷺川家の使用人を束ねる家の男の子。
厳しい祖父の教育にもめげず明るくおっとりとした天然さん。主人に仕えるのが幸せな19歳です。
大学を出て社会人になるときに社会勉強としてマンションの一人暮らしを決めた澄一
その機会にずっと心の決めていた思い人に告白するのですが、相手の可音は一緒に暮らす、ずっとそばにいる、毎日味噌汁作って…が住み込みをお手伝いさんとしてついていくことと勘違い。
可音は無自覚ながら徐々に、新婚みたいだなんて想像したり、友人に年上彼女との同棲と思われたことがちょっと嬉しくて訂正しないとか、澄一が同僚の女性と一緒のところを見てモヤモヤするという感情を経てようやく自覚に至るわけです。
澄一は可音のことが愛しくて可愛くて大事すぎて手が出せない、でも堪えきれずに…と悶々とするところがよかったです。
可音が澄一の為に一生懸命になってお世話する気持ちがあたたかくてこんな嫁が欲しいとほのぼの読みました。
可愛らしい勘違いが微笑ましいようなおかしいような、でもそんな幸せて穏やかな日々がいつか破綻しそうでハラハラどきどきしながら読みました。
純で初々しいカップルです。
お互いが初めて同士で大丈夫かと老婆心ながら心配してしまいました。
こんな初々しい攻めは初めてでした。
現代ものですがキャラクターやストーリーがいい意味でファンタジーです。
攻めのキャラもぶっとんでるし(ものすごく天然)受けはただただ可愛くて純粋。
漫画というよりは絵本。
甘い甘い砂糖菓子のようなBLです。
読んでいて自然と頬が上がってしまうような(笑)
砂原先生ってこういうのも書かれるんだなと、とても新鮮でした。
深みや人間ドラマは全くないけれど、そんなのなくてもいいじゃんと思えるような素敵なお話でした。
とにかく甘々好きな人にオススメします。
読後感もほっこりしてて素敵ですよ。
電子書籍で読了。挿絵有り。ムクさんのイラストはこのお話にぴったり。
砂原さんはお名前の印象ほど甘くないと思っているのですが、このお話は激甘。「すれ違いというよりは勘違いだよなー、それも甚だしい勘違い。可音ちゃん、いくらなんでも天然すぎない?」と思いつつ、このままクスッとさせながら大団円を迎えるんだろうと読み進めていたら、表題作の後半にさしかかる部分で……
あら?そうなの?
可音ちゃん、単なる天然ではないじゃない!
そうか、呪いがかけられていたのか。ああ、だから「王子様」なのか!
「やっぱりPNが砂原糖子さんでもただ甘いだけの話ではないんだなぁ」と思い知らされました。
受けが溺愛される話が好きなので、今作もかなり好みでした。
攻めの澄一は御曹司・イケメン・穏やか、とかなりのスペックの持ち主です。
受けの可音は可愛く控えめな使用人。
澄一が就職を機に家を出るんですが、それがキッカケで澄一は可音の事をお嫁さん、可音は自分はお手伝いさん、という勘違いをして…というお話。
天然と天然を掛け合わせたらこんな感じになるんですね…。
可音の天然さもたいがいですが、澄一の高スペックなのにあの天然さは残念なのか何なのか(笑)
勘違いでもどかしかったですが、非常に甘くて、甘い物好きな私は満足でした。