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uchi no koroshiyasan ga kawaisugiru
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
「俺が絶対に殺すから」
なんとも物騒なセリフですが、いわゆるヤンデレものではございません。
概ね表紙通り・タイトル通りの可愛らしい雰囲気のお話ですね。
こちらは両視点ものです。
「いつ死んでも良い」と、裏社会の人物をも対象としたフリーのボディーガードという危険な仕事を請け負いながら、死に急ぐかのように虚無な日々を生きる聡一郎の元へ、ある日裏社会で"死神"の異名を持つ天使のような美しい青年が現れる。
罪悪感を背負い、生きる希望を無くしている男×愛と自由を知らないまま、殺しの道具として育て上げられて来た青年の組み合わせ。
知っているのは小さなプレハブ小屋、人を殺す方法、銃器・刃物の使い方と、何度も読んで糊付けが剥がれてしまった数冊の絵本の内容だけ。
人間らしい感情や一般的な知識は5歳のまま止まっている。
ヤクザの組長の妻が外で作った不義の子で、生かす代わりに暗殺専門要員として育てられたものの、壊滅状態にある組から厄介払いとばかりに放り出されてしまった受けの亜鳥。
そんな彼を半ば押し付けられる形で預かる事になったのが攻めの聡一郎。
人を殺すこと以外の物事の善悪や社会通念というものを知らず、驚くほどに無垢で幼子のような物言いをするまっさらな亜鳥が、聡一郎との暮らしの中で沢山の新しい世界を知ってわくわくしながら人としての感情や知識をどんどん豊かにしていく様子が愛らしい。
単純に物事を知らないだけで頭は良いのですよね。
決しておばか系の受けではありません。
一方、亜鳥の言動に振り回されつつ、なんだかんだと放って置けずに世話を焼いては、あれよあれよとほだされていく聡一郎。
初めて見た親鳥の後ろをよちよち歩きの雛鳥が必死についていくような…これは可愛すぎてほだされてしまう…
2人の噛み合っているようで噛み合っていない、ちぐはぐな言葉のやり取りが可笑しくも楽しい。
初めて自分に優しく接してくれた聡一郎に懐き、無条件に慕う亜鳥の様子が本当に可愛くて愛おしくなってしまう。
2人で買い物をしたり物事を教える日常シーンがすごく微笑ましくて好き。
鮮魚コーナーで「わあ!死体がいっぱいだね!」と言ったり、たまにケロっとした表情で発する不穏な発言の数々もこの設定ならではの良い味となっています。
魚の解体が妙に上手いところに刃物スキルの高さを感じます。
過去の贖罪の念から、死ねるものならと自暴自棄に生きていた聡一郎が「生きている価値がないと思ったら、もう側に居たくないと思ったら、俺が殺してあげる」という亜鳥の言葉に救われていく。
純粋なラブストーリーというより、共依存愛といった感じでしょうか。
この2人は互いが居ないときっと生きていけないんだろうな。
そして亜鳥が聡一郎を殺す事は一生ないのだろうな、と思える。
ラスト後の短編がこれまた可愛かった。
コンビニのおにぎりやパンを美味しく感じたり、ゼリーを綺麗だと言ったり、まともな食事すらも与えられていなかった事がうかがえる不遇さだったというのに、そんな環境の中でも全くスレたところがなく健気でピュアな亜鳥の性格のおかげか、終始明るい雰囲気で読める作品です。
殺し屋と言っても実際には人を殺すまではしていないようですし、裏社会がチラつく設定ではあるものの、不思議とどろどろとはしていません。
個人的にはもう少し亜鳥の殺し屋部分が見てみたかったなとも思いましたが、ライトに楽しむにはこのくらいの描写が丁度良いのかもしれませんね。
愛らしい雛鳥に懐かれて心が救われる大人×人間数年目の天使のような受けがお好きな方はぜひ。
あらすじ:
フリーランスのボディガード・聡一郎(攻め)は、ヤクザ組長の元愛人だという青年・亜鳥(受け)を預かることに。
世間知らずで、性的なことにも全く不慣れな亜鳥の正体は…
タイトルから亜鳥の正体はモロバレですが、作中の亜鳥はとても殺し屋とは思えない天真爛漫な青年。
彼は本当に殺し屋なのか?どんな経緯で殺し屋になったのか?という謎は物語クライマックスまでお預けという構成です。
聡一郎は、亜鳥を好きにしていいという条件付で、彼を自宅で預かることに。
さっそく初日に手を出すも、あまりに初々しい亜鳥の反応に違和感を覚えます(それでもやることはやってしまうのですが)。
一方の亜鳥は、これで自分は聡一郎のお嫁さんになったのだと思い込み、慣れない料理や洗濯に精を出し…というほのぼの展開。
ぶっきらぼうな聡一郎ですが、ピュアで健気な亜鳥に次第に絆されていきます。
クライマックスで亜鳥の正体と生い立ちの秘密が明らかになり、聡一郎との別れの時が…という展開。
しかしすぐに聡一郎が駆け付け亜鳥を取り戻してしまうため、ちょっと盛り上がりに欠ける印象です。
亜鳥の殺し屋設定も、殺し屋の教育を受けたというだけで、実際に人殺しの経験があるわけではないので、タイトルのインパクトの割に中身は弱いかも。
絆された後の聡一郎が亜鳥を可愛がる姿や、雛鳥のように聡一郎に懐く亜鳥の姿に萌はあったものの、ストーリーとしてはコメディとしてもヤクザ物としてもパンチに欠け、やや物足りない印象です。
2017年刊。
過去のちるちるニュース『殺し屋BL』特集で見かけて取り寄せて置いたもの。
フリーランスでボディガードを請け負っている聡一郎の元に無理やり押し付けられた何やら訳ありのあどけない少年。
その少年・亜鳥は天然どころか、聡一郎に付いていった初日早々からネグレクトな生い立ちが判明して愕然とする。
が、この件に関しても読み続けていくと重苦しさは払拭されていくのでご安心を。
亜鳥が世間から隔離されて育った状況を悟った聡一郎は、持ち前の面倒見の良さを発揮して身の回りの家事から生活様式を教えていき、亜鳥はたちまちに様々な知識を吸収していく。
亜鳥は親のような聡一郎にひな鳥みたいに全力で懐くが、早く亜鳥を独り立ちさせないと、と感じ入る彼の気持ちもごもっともだ。
…その育てたひな鳥をガッツリと食べちゃっている(エッチしちゃっている)けれどね…
普段は年の差ものが大好きな自分だが、この話に関しては育て直しの親と賢いひな鳥のほのぼの家族愛的な雰囲気に脳内が侵食されてしまったせいか、惜しい事にエッチシーンを読んでもいまいち萌えなかった。
亜鳥が殺し屋として育てられたわりには血生臭さや残虐行為が皆無で、全体的に読み易い話だった。
あと、亜鳥は元から頭の良い子だってのがはっきり分かるので、”おばか受けっ子”を期待しないように。