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hikari toyami no legend
光と希望に満ちた国『エリクセル』が、闇の帝王の率いる敵国『ザムトス』に突然攻め滅ぼされてしまう。
突如として現れた闇の軍隊になすすべもなくあっさりと落城されてしまったエリクセル城。
そんな城から、逃げ出した王子・リアリーは輝くブロンドの髪と青い瞳を持っていた。
王子は父王が最後に残した遺言を頼りに、伝説の光の魔術師・サーファに会うために、はるか東へ向かって歩き出す。
というのが最初の設定でした。
実は敵国・ザムトスの王の狙いはエリクセルだけでなく、リナリーの身体。
リナリーを手に入れるために、エリクセルを滅ぼしたようなものであった。
そして、リナリーは何とか困難を乗り越えて、魔術師・サーファに会うことができるのだけれど、今度はその出会ったばかりの魔術師に惹かれ、抱かれてしまう。
実はサーファに抱かれることで、リアリーは光の杖を手に入れることができるのだが――
という話でした。
とりあえず言いたいことはいっぱいあるんですが。
おそらく作者さんは、言いたいこととか、設定に盛り込みたいこととかが多すぎて、消化しきれてないんだと思うんですよ。
だからものすごくあらすじくさい。
というか、「困難を乗り越えて」の『困難』の部分の困難さ加減が、イマイチ伝わってこない。
だって、「困難」って言っても、どうやって歩いても迷う森の中をさまよったのと、湖に行く手を阻まれたことくらい。
おまけに、最後は実はサーファとは随分前に会っていましたヲチで、はっきり言って何にも面白くない。
もちろん、東に向かって一ヶ月歩いたのは大変だったと思うけれど、「東に向かって一ヶ月歩きました」って書いてあるだけじゃ、読者ははらはらもドキドキもしないから、「へー」で終わってしまう。
挙句、「一ヶ月経ってリアリー王子は王子らしく成長した」というようなことが書いてあるんですが……。
出会ったばっかりの魔術師にぽーっとなった挙句に、外であるのにも関わらず、身体の関係を持ってしまうような王子に、どこが「自覚……?」と言いたくなってしまう。
そりゃ、戦って勝てるって決まっているわけじゃないんだから、「もう二度と会えなくなる前に!」っていう気持ちはわからなくもないけれど、それでもよりによってそのタイミングでやらなくてもいいんじゃ――とため息。
もっとも、そのタイミングうんぬんかんぬん以前に、なぜ王子がサーファに惹かれたのかよくわからないんだから、どうしようもない。
「光の魔術師と光の王子は結ばれる運命だった」と言われてしまえばそこまでだけど、個人的には読みながら「この人のことが好きで好きでしょうがない!」という気持ちに共感したくてBLを読んでいるので、そこに共感できないとなると致命的で、挙句、本編がまるであらすじ――となってしまうとはっきり言ってまったく面白くなかったなー……と。
申し訳ないですが、もうちょっと他に面白い本あると思うので、これはオススメできません。