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若く聡明な皇帝×記憶喪失の子猫の中華風ケモ耳ファンタジー!
kouteiheika to koisuru koneko
怪我をして森で凍えているところを、皇帝である晧月に救われた子猫の翠玉。彼の懐の香りを知って以来翠玉は、ひとときも晧月の元を離れたくなかった。ある時、翠玉は晧月に喜んでもらおうと花を摘みに外へ出る。そこで感じた晧月の匂いに導かれるようにして入った神獣を祀っているという六角堂で、翠玉はどういうわけか人間の姿に変化してしまう。
記憶喪失の翠玉は、どうやったら元の子猫に戻れるかも、何故自分が人の姿になったかも分からない。
翠玉の正体を探ろうと、官吏である明陽と共に歴史書を調べていた晧月は、ある事実に行き着く。
序盤でなんとなく翠玉の正体は、想像ができてしまいましたが、ファンタジー小説としてはとても面白かったです。
ただ最後まで晧月の翠玉に対する思いは、“恋愛対象”というより“庇護対象”という気がしました。身体は重ねてるけど、それは翠玉が交わった相手の願いを叶える能力ゆえ晧月は「一夜だけ耐えてくれ」と言って抱くんですよね。結局晧月の願いというのは、翠玉の為のものだったわけではありますが、そこで物語が終わってしまったのでちょっと不完全燃焼です。
続きがあるなら今後に期待したいです。
最後まで楽しめました。
でも、最後の最後にあんな展開で終わるなんて…!
という、BL未満のただのケモ耳ファンタジーなお話でした。
本当に最後まで楽しめていたんです。
子猫だった翠玉がある香りを原因にケモ耳少年になってしまい、
実は神獣伝説が深く関わる壮大な事実があったり、
誰にも弱みを見せない晧月が唯一翠玉には甘くなったり戯言を吐いたり…と
王道中の王道ファンタジーだったんですが、面白かったです。
それなのに、最後が!!!!
本当にここだけは納得出来ないというか、
結局この2人は好きで体を繋ぎ合うって事にならないの?!と、
話の流れからしてこの1回でこの2人は終わるの?!と、
モヤモヤ感がぐるぐるしてます。
受けの子猫に癒される、中華風BLファンタジーです。皇帝陛下の晧月はスパダリ感もあり、個人的には好きな攻め受けでした。
物語冒頭からの子猫との出会い、神獣との関係や伝説が徐々に明かされ、炎輝率いる神官側との対立。そんな中、晧月と翠玉の仲が緩やかに甘くなっていく過程にきゅんとしながら読み進めていたのですが、最後の神官側を追い詰め始める辺りから突っこみ所が畳み掛けるように出てきて困惑しました。
せっかく追い詰めた炎輝を、緊急事態とはいえ放置。この時点で『え?捕まえないの?普通は疑わしきは罰せよとばかりに牢なり隔離施設的な所に入れるなりしない?下手したらやむを得んってその場で処刑しても可笑しくない場面では?』と疑問だらけ。というのもこの炎輝、王位継承権を持っていて、神官なので神獣を呼び出す手順も知っています。下手したら他国に自身を神獣の情報と共に売り込み、亡命されかねないと思うのですが…。
ラストも今まで固くなに「国に神獣は必要ない」と言っていた晧月がコロッと意見を覆す理由もそんなことであっさり覆してしまうだろうか?と説得力に欠けました。
二人の仲についても『その後の二人は仲良く暮らしました』でよいのか断定できずもやっとします。
途中まで本当に楽しく読ませてもらっていただけに、残念です。
でも泣き虫な子猫によしよしと甘やかす皇帝陛下の戯れはとてもかわいくて癒されました。
ケモミミ中華風ファンタジー。受けは子猫から人間に変身しても、もともとの中身が人間じゃないためか無垢な子供のよう。攻めは何度もこれじゃ自分は母猫だと自覚しており、その通り保護者に見える関係性。
ベタな権力争いに神獣の話が絡まっていて面白かった。
舞台を彩る細かな描写がとても好き。風景や建物、衣服や小物に至るまで、丁寧に描写されている。煌びやかな世界にどっぷり浸かれる。
キャラも魅力的で、特に晧月が良かった。国の民の上に立つ者としての信念がしっかりしており、これを最後まで貫いて欲しかったと思う。
翠玉はまあ仕方ないとしか……。緊迫した戦の前に、そうだ!晧月様にお花をプレゼントしよう!はただの子供。BL未満にしかならないのも納得。
ストーリーは分かりやすい。中華モノはあまり読まず聴き慣れない単語が多く出てきたが、スムーズに読み進められた。気になったのは、最初は視点主が猫なので、全て知っているであろう薬師を相手に読み手への説明ゼリフを言っていたのが違和感になっていたことくらい。
BLは途中で両者にちらちら匂わせはあるものの、はっきり恋になっているかは微妙なところ。必要があって体をつなげたものの、まだまだこれからといった二人。まあ相手が相手だし、こんな形での終わりも良いかな、と思う。
ぶち壊しだと感じたのは戦場での翠玉の行動。晧月が長い時間をかけて兵を訓練し積み上げてきたものを、一瞬で無にする。その行動原理は翠玉の自己満足。これまでの晧月の努力と苦しみは何だったのか。
さらにその後の晧月の手のひら返しは流れが強引すぎて、4章だけまるっと別人が書き直したよう。散々嫌な気分にさせられた城内の敵も放置で、ラストに投げやり感があった。
設定や描写に惹かれ、ストーリーへの期待が高まっていただけに、最後の展開が残念で仕方ない。途中までは本当に好きだった。
できれば別レーベルでこの作者の作品を読んでみたいと思った。