遠い岸辺

tooi kishibe

遠い岸辺
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神34
  • 萌×224
  • 萌8
  • 中立3
  • しゅみじゃない4

--

レビュー数
15
得点
293
評価数
73
平均
4.1 / 5
神率
46.6%
著者
英田サキ 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
ZAKK 
媒体
小説
出版社
大洋図書
レーベル
SHYノベルス
発売日
価格
¥900(税抜)  
ISBN
9784813013099

あらすじ

マル暴の刑事でありながら傷害事件を起こした射場は
出所してから下っ端ヤクザとして自堕落に生きていた。
そんなある日、暴力団の企業舎弟、日夏晄介のボディガードを
任される。それはずっと憎んでいた男との再会でもあった。
ゲイではないと言いながら男を抱き、男に抱かれる日夏。
同性愛を嫌悪する射場は苛立つが、
一緒に暮らすうちに謎めいた年上の男に惹かれていく。
だが日夏の命を狙う何者かが現れ……!?
愛と憎しみ、死と魂の再生の物語、誕生!!

表題作遠い岸辺

下っ端ヤクザ(元マル暴の刑事),32歳
地下経済の仕事師,42歳

その他の収録作品

  • 夢の岸辺
  • あとがき

レビュー投稿数15

傷を持つ2人の再生物語!

元マル暴ヤクザ崩れの番犬 ×裏社会の仕事師 美中年

癖強飄々な日夏に反発しながらもどうしようもなく惹かれ、
真正面から挑んでかわされてぶつかっての攻防!

ハードな設定なのに軽快!

お互いの拠り所になってくのとてもとても良かった!!

"微笑みながらすべてに絶望しているように見える"
タチもウケも女も男も、可哀想な人に優しく
でも一線引く日夏から目が離せない.

1人突っぱねてたとこに目で押してくる射場!!
掌で転がしてたのが絆されちゃうの楽しい。

のらりくらりと逃げ逃げ、どんどん囲い込まれて、
さらけ出すしんどさ乗り越えて、隣にいるのが居心地よくなってくの~~~良い!めげない、でも敢えての距離も取れる仏頂面気質大型ワンコな攻めの可愛さ~~~良い!!


英田サキ 先生の裏社会ものは容赦なく複雑に絡み合うとこもとても楽しい!

0

これぞ本物の男と男の愛の話

小説ってめちゃくちゃいいな…というか英田サキ先生すごい!本作ほんとに面白かった、「男が男に惚れる」とはこういうことだ!真のBL…
日夏さんの毒のような魅力にやられっぱなしでした…受けて攻めて女も抱く!最高!こういう人を待っていた!女性が出てくることによって男の色気が引き立つ!

とんでも設定のような気がするのにのめり込める〜!いつもは「ノンケが男に欲情するかよ?」って心の中の自分がツッコミんで来るんだけどそれが出ない。

ドライだけど甘い、冷たいのに甘い、この塩梅が最高でした。読み直す。

0

遠い岸辺

元マル暴の射場、ヤクザとも深い繋がりのある日夏。
過去の因縁がある2人がどうなっていくのかと。
この因縁がうそやろっ!っていうような。
最初の頃の射場は可愛げないし、仕方なしで日夏といる感じがするけれど、少しずつ軟化していって。
だんだんと大型犬に見えて、頑張れって感じた。
2人と、狛が心配でどうなるんや?気をつけろ!とドキドキハラハラしながら。
最後までノンストップで読みました。
面白くてとめられん。
いつか、2人のお店で穏やかに過ごすことが出来るように、祈りながら読了。

1

英田先生のスリリングもの

SHYノベルスの英田先生のスリリングものはエスとかデコイシリーズとか数々の名作があります。これもそんな雰囲気で32歳元刑事×ヤクザの企業舎弟の42歳という組み合わせ。年下ワンコ×他の男とも平気で寝るちょっと淫乱男でもあります。しかも受けには過去に攻めをレイプした経験ありというトンデモ設定。ちゃんと理由があったんですけどね。リバ要素ありになるのかな?
 
受けの日夏は美貌の40代って感じで金儲けの天才の所とか柴田よしきさんの「聖なる黒夜」の練ちゃんにちょっと似たキャラだと思いました。しかしBLなだけにビッチな日夏は口の中の性感帯に弱いという理由でキスをさせてくれないという甘エロな設定のある所が良かったと思います。

スリリングBLの時に私がよくやる癖ですが「これ最後まで死なないよね?大丈夫だよね?」と挿し絵だけを最後までチラ見して生存を確認します。

攻め受け共にトラウマ持ちの過去があり、苦しみもがいてたどり着いてお互いがお互いの岸辺のような存在になったといういい話だなあと思います。

1

地味ながら味わい深いストーリー

じっくり読みたい地味なお話だと思う。凝った設定が散りばめられているが、どれもこれも問題は静かに解決していく。敵の思惑とメインキャラの心情が絡み合った人間ドラマな感じ。日夏を軸にして読むと味わい深さを堪能できる気がした。

導入は射場視点。かつて自分をレイプした男が日夏で――?という始まり。最初こそそこにこだわる射場が描かれていたが、徐々に話の中心は日夏に移っていく。
日夏は、暗い過去や現在の仕事から人間関係まで設定が盛り盛り。性格もなかなかに掴み辛く、とても興味をひかれる人物だった。

ストーリーは裏社会でつながる大物たちの暗躍を特に楽しく読んだ。言葉の裏を読み合うあの独特の会話シーンが好き。後から事実が明かされ、パズルのピースがはまるような爽快感を得られるのが良い。
そこに食い込んでくる射場と日夏の駆け引きも面白く、まったく敵わず地団駄を踏み続けているような射場の番犬っぷりが日夏の魅力を引き立てていて、そこも良かった。

いよいよ解決へ、という終盤は、六戸部が意外にあっさり話に応じてしまい、ここはちょっと肩透かし。大物が次々登場しながら、暴力も激昂もない静かな幕切れ。もう少し緊迫した心理戦くらいは欲しかったが、日夏の立場的にはこれが一番ぴったりの解決方法になるのかな。いわゆる盃を交わしたってわけじゃないだろうし。

外狩の歪みには、BLとしてとても惹かれるものがあり、もっと深く掘り下げて欲しかった。ただし描かれていれば外狩が全部持っていく可能性があるため、仕方ないのかもしれない。射場が負けてしまうから(笑)

射場は重要なシーンで蚊帳の外感が出ていることがあり、メインカプの攻めとしては物足りなさを感じたのも正直なところ。日夏の救済に射場は必要不可欠だけど、交互視点で心理描写も書かれているのに、主役二人というより主役日夏と準主役射場みたいな。
どちらか一視点にした方がバランスに違和感がなかったかも……と思った。

と、不満はありつつ読み応えのある物語を存分に楽しんでいたのに、一点大きく好感度の下がるエピソードが。六戸部と狛の中途半端な匂わせは何だったんだろうか。
全てが綺麗に畳まれていく中で、ここだけ話が締まらない。しかもメインカプがまだ安定していないのにサブカプに意識を逸らせる悪手。シリーズものでない一巻完結作として見ると、この点が好みじゃない。スピンオフ狙いなら残念。
それ以外はとても良かった。

1

アダルトCPに脱帽です。

イラストが好みではなかったので手に取るのが躊躇われた一冊。
ですが、そんな自分を殴りたくなった本でした。
タイトルの「遠い岸辺」 そっかー、そういう意味だったのね。
だいたい自分をレイプした奴に惚れるか!? と思ったのに、その行為は実は優しさだったのかも・・・ その辺の射場の葛藤が私的には萌えました。
それから日夏の色っぽさというか、あだっぽさというか、年上の色気にやられました。
またイラストがものすごくて。ZAKK様、好みじゃないなんて言ってごめんなさい。

2

センチメンタル

英田サキ先生の作品を全て読んでるわけではないのですが、本作はどこかいつもと感じが違うような。
文体なのか何なのか?
英田先生お得意のヤクザや警察関連の作品に漂うドライな空気。この作品も乾いた感じだけどクールでスタイリッシュな部分があまりなく、もっと飄々として醒めたような感覚。
それは大切な人たちをみんな失って、それでも生きている日夏の心象風景なんだろうか。
日夏にはかつて妻子がいて、今は女の愛人も1人いるけどヤクザの男に抱かれ、懐いてくる舎弟?の男の子を抱いている。でも心情的にも性的にも多分どうでもいいのでしょう。
妻子が死ぬまでは執着していた金儲けさえ、今では多分どうでもいい。
そんな日夏と、元刑事でボディガードとなった射場の関係性。
まあ、色々あって同性愛から目を背けていた射場が、反発しながらも日夏に惹かれるさま、また終盤そんな射場の恋情を鬱陶しく思ってそれなら抱かせてやるとなってからの、射場の熱い人肌にほだされる日夏の自嘲的な心情。
その辺から文体にウェットさが混じってきて、私には読みやすくなった。
やっぱり恋には情がないとね…っていうのが私の好みです。
射場の少年の初恋みたいな告白もすごく良くて、だから日夏もオちたんだなぁって思った。
このお話、若い人にはおじさん同士の地味めなBLに感じるかも。でも、人生に打撃があって心の何かが死んだようになって、でも今また生き直してもいいのか、新しい幸せを追っていいのか、そんな再生への願いが迫り、大人が静かに感動できる作品だと思う。
「夢の岸辺」にて、射場と2人、男夫婦になって料理屋をやりたいと言う日夏に射場と共に胸を詰まらせました。
あと、皆様も言われてる通り六戸部と狛のその後。気になってます。

3

これはBLでなくてもよかったのでは?

射場も日夏も魅力的なキャラで、ストーリーも読みやすいですが、読み終えた感想としては、「これはBLでなくてもよかったのでは?」というのが正直なところです。
BLに必須の二人が恋に墜ちる必然性というものがあまり感じられない。逆に、過去に傷を持つ二人が救済されるために、恋愛はそれほど大きな要素ではない気がしました。体は繋げないけどそれ以上に心の深いところで繋がるようなバディものの方が、萌えれた気がします。

狂犬が懐いていく様子とか、日夏の懐の深さだとか、脇役のキャラについても丁寧に人物像が描かれていて、色々と楽しめる要素はありました。

5

日夏もエロいが

エスのシリーズにちょっぴりリンクしている裏社会物ですが、今作、随分感じが変わったように思うのは、ZAKK先生のイラストが、なかなか斬新な雰囲気を醸し出しているからかな。
クッキリと線が太くて、挿絵というよりコミックの1ページ。
身近な者の死にまつわる、愛と憎しみが絡み合った過去を解き明かしていくっていう、それなりにヘビーなストーリーなんだけど、日夏のしれっとした表情や射場の雄弁な目つきが、全体の雰囲気をじめ付かせることなく盛り上げて、ハッピーエンドに気持ちよく着地できた。

この後、これまた食えない感じの六戸部と狛のスピンアウトに含みを持たせているあたりがたまらない。
日夏より更に年上で、日夏より更に怪しい仕事をしてそうで、日夏より更に危ない性癖の持ち主らしい六戸部の物語。
読んでみたいです。

5

おっさん受けはいいぞ!


裏社会の話はは初めてなので、どうなんだろうなと思っていたが、案の定おもしろかった。
番犬気質の攻めはけっこうお気に入り。一番最初のシーンで外狩さんに腕を強く掴まれても仏頂面を保つ射場はとても印象に残ってた。それから日夏さんと過ごしているうちにだんだん彼に惹かれて、彼の前で拗ねたり泣いたりするようになって…飼い主に懐くでかい犬に見えてすごく萌えました(笑)。
受の日夏さんについてはいろいろ語りたいが、一番最初の声の描写を読んですぐに興津和幸さんのだるくて色っぽい声が頭に浮かんだ。話が進むと、40才のオッさんだと知ったらやはり興津さんの声は個人的にもっと若々しく聞こえるので、後半は勝手に遊佐浩二さんの声を脳内再生しながら読んでた(笑)。
そして話が進むとなんとなく「DEADLOCK」のロブを思い出してしまう。初対面の人にも遠慮せず軽やかに接するところも、好きな人を揶揄うのが好きで意地悪なところも、いつも面白半分でやってるに見えてるけど実は大人で情の深い男であるところとか…読んでいてにやにやしてしまった(笑)。こういう男って猫だけじゃなくて、番犬ともお似合いだなあと改めて感心した。
脇役の狛のこともすごく気になっている。こういう健気な子は本当に危なっかしくて放っておけない。日夏さんも狛のこと大事にして、手放しできないのも分からなくもないね。でもやはり彼の本当の幸せを見つけてほしいよね…いつか狛のスピンオフが読めたらいいな。
ZAKK先生の絵柄はストーリーの雰囲気にすごくぴったりで、調べてみたら先生自分自身もヤクザのBL漫画を出したらしい。時間があったらそちらも読んでみたい!素敵なイラストありがとうございました!
英田先生のあとがきによって「遠い岸辺」は「エス」とちょっと繋がってるようで速攻で読んでみたいと思う。今作も楽しく読ませていただきました、ありがとうございました!

4

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