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おまえを私のメスにする
jaguar hin no aisai kyouiku
作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます
あらすじ:
コロンビアに住む朔良(受け)は、パイロットを目指す日系の青年。
ある日、通っていた航空大学校が突如倒産。他の生徒と共にカリブの名門士官学校に招待される。
そこの生徒総監・アルベール(攻め)になぜか気に入られ、彼の側近に任命され…
獣人系ファンタジーに花嫁モノと学園モノがくっついているような作品。
いろんな要素が盛り沢山ですが、一つ一つのエピソードの描写が物足りず、ちょっと消化不良な読後感でした。
まず朔良が士官学校に編入する前のエピソードについて。
悪漢に殺されそうになっていたところを、幼い頃親しくしていたジャガーに助けられる朔良。
ジャガーの力で一命を取りとめたものの、その代償に男を引きつけるニンフォマニア体質になってしまいます。
自分ともう一度会うには「課題」をクリアすることだと言い残し、姿を消すジャガー。
その後、士官学校に編入した朔良は生徒総監のアルベールの側近に…という展開です。
「課題」とは朔良が自力でアルベールの正体(=ジャガー)を突きとめることかと思いきや、アルベールの方から自白。
結局「課題」が何だったのかよく分かりませんでした。
アルベールのキャラクターも、少々とっつきにくい印象。
ジャガーの顔とマフィアの顔、二つの顔を持つという説明から、人格も二つあるのかと思いきや、どうやら性格は一種類しかない様子。
傲慢で感情の機微に疎いアルベールの性格が素だったようで、前半出てきたジャガー姿の彼の頼もしそうな言動と結びつかず、違和感を抱いたまま読み進めることになりました。
朔良がジャガー(アルベール)の素の性格を知って幻滅したり、彼に人間らしい感情を与えようとアレコレ奮闘したりする姿は面白かったですが、アルベールのリアクションが薄く、最後までいまいち変化に乏しいのが萌の面で物足りなかったです。
ラストはアルベールがマフィアの父親との決着をつけハッピーエンドですが、父親の姿が出てこないまま間接的に勝負がついてしまうため、盛り上がりに欠ける感が。
アルベールの父親も母親も伝聞でしか出てこないため、スケールの大きな設定の割に壮大さが伝わってこないのが残念でした。
朔良の男前なキャラクターや、エロシーンの色っぽさ、マフィアが跋扈する中南米社会の描写など、魅力的な要素は多いだけに、ストーリー的に疑問や物足りなさが残るのが残念。
中立寄りです。