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boukun wa ookamidorei wo kaigorosu
近代中国風の世界を舞台とした作品。
鳥舟あやさん独特の、臭気を放つようなねっとりした性描写が物語の舞台によく合っており、今回はそれほど不快な気持ちにならず読むことが出来ました。
残虐な描写が多いですが、それも近代中国を思わせる激動の時代という設定にリアリティを与えており、効果的だったと思います。
ある奴隷(受け)が城主のイェセカ(攻め)に買われ、シツァという名を与えられるところから始まる物語。
シツァは琥珀色の髪に狼のような目をもつ美青年。
これまでに三人の主に仕えたことがあり、そのたび背中に墨で主の名を彫られています。
イェセカのものとなり、新たに墨を彫られるシツァですが、彼は主にもズバズバ物を言う怖いもの知らずな性格。
シツァを気に入ったイェセカは、どんな悪態をつかれても嬉しそうにシツァを構い倒し……と、物語序盤は男前×男前な関係性が素敵な、比較的まともな主従モノっぽい雰囲気。
しかし、イェセカがシツァと女奴隷の逢引を目撃したところから空気が一変。
ヤンデレ鬼畜攻めの本性を現したイェセカはシツァを犯し、
陰茎が育たぬよう金輪でシツァの性器を拘束したり(纏足を意識?)、
気を失ったシツァを叩き起こして犯し続けたりと、
一気に鳥舟ワールドお約束の展開に。
そんなイェセカの弱さや可愛さを見抜き、全てを包み込もうとするシツァは男前ですが、
犯される際やトラウマにうなされる際は幼児のような舌足らずな口調に。
これもいつもの鳥舟さんっぽい要素です。
その後、シツァはイェセカの下を離れ皇帝のものに。
夜な夜な宦官たちに嬲られ、他の奴隷に犯され…と、かなり酷い目に遭います。
そして、シツァの秘密が明かされてからの終盤の展開はなかなかドラマティック。
それまでのシツァの(危うい程の)度胸の正体が明らかになる瞬間でもあり、捨て身の生き様に切ない気持ちになります。
拷問の限りを尽くされ満身創痍のシツァをイェセカが助けるという展開は王道。
その後のイェセカとの絡みは相変わらず痛々しいですが、ラストは感動的でした。
全体として、奴隷が「半人半物」とみなされる社会、「拷問」のある社会が大変リアルに描かれており、BLファンタジーとしての身分差モノを期待して読むとあまりの残酷さにちょっと引いてしまうかも。
しかし、そのリアルさに引き込まれました。
作中で語られる様々な出来事が実際の近代中国史と酷似しているため、単純なハッピーエンドと思えない点もポイントです。
イェセカがヤンデレになった背景や、シツァのトラウマについて詳しい説明がないため、キャラの各設定が単なる作家さんの趣味に思えてしまうのは残念ですが、
そこも含め、非常にクセの強い世界観にハマる一冊です。
すこし昔の中国っぽい国を舞台にした痛々しいお話でした。
西洋的な美しい容姿を持った奴隷、サディスト傾向のある皇族、宦官…などの要素が散りばめられ、痛々しい陵辱のシーンやかなりエグめの描写もあります。
そういえば、この作者様の文章、普通の三人称の地の文と独り言のようなトーンの一人称の文章がコロコロと主体を変えて出てくるので、時折置いてけぼりを食らったような気分になることがあるのでした……(前に別の作品でもそう思ったなぁ、と読んでる途中で思い出しました)
また、登場人物の口調や思考パターンも一貫していなくて、賢いのかアホなのか分からなくなるようなところも少しありました。
内容、文章共に癖があるので、好みは分かれると思いますが、ストーリー自体はドラマチックです。痛いの汚いのが平気で波乱万丈な物語がお好きな方には楽しめる一冊かと思います。
お好きな方には辛口で申し訳ありませんが、私は苦手でした。
奴隷物大好きなのですが、キャラクターが破綻していて、何がしたいのか全く分からず、混乱しました。
受けはちゃんと人と人を取りなすのが上手なはずなのに、攻めだけに無駄に鷹揚な態度を取っているのも??ですし、人に媚びないと言いながら媚びてる表現も出てきますし、死にたい死にたい言いながら、やっぱりこの人と生きたいとか、思考回路が謎です。
エロいシーンなどでいきなり幼い口調になるのもギャップがあり過ぎて違和感が。。
一番は攻めが怖いです。
愛が全く感じられず受けのことを痛い意味で嬲り過ぎで、引いてしまいました。
一体どこで愛が生まれたのでしょうか??
受けが囚われた時もボロボロになるまで放置し過ぎだろうと呆れました。
文章も読みづらく感じてしまいました。
萌えられそうな設定だっただけに残念でした。。