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hiren no natsu jyunen no sakura
短編2作品です。どちらも苦しい恋、どうあがいても「知る前」には戻れません。
以下、ネタバレです。
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どちらも死ネタです。
「悲恋の夏」は主人公の兄、「十年の桜」は攻めが死んでしまいます。
死ネタってあんまり得意ではないのですが、この作品はなんでか繰り返して読んでしまうのでした。1枚くらい挿絵があるとなお嬉し。
「悲恋の夏」
主人公の兄・圭祐の遺書が本から出てきます。事故死と思ってたところ、自殺の可能性が出てき、その原因になっている、妻子持ちなのに兄に手を出した男・賢一郎を主人公・祐耶は呼び出します。ところが話していくうちに、妻子はいないことが分かります。そして賢一郎からその遺書の在処を尋ねられ、ある事実が判明します。友人でさえなくなり、二度と会う事のなくなった二人と、片想いに耐えきれず嫌がらせを残して命を絶ってしまった兄。切ないです。
「十年の桜」
角野は、高校時代の友人と10年ぶりに再会します。相手は、薬剤会社の研究員である宮原で、疲労気味の角野に開発した薬を与えます。その薬は、営業成績はあがるが、飲み続けたら性的欲求はなくなり怠さとの闘いになります。飲み続けている限りは大丈夫、と飲み続けていたところ、宮原が会社もトラブルで左遷になります。僻地でも2か月にいっぺんは会おう、と決めた数日後、宮原は列車事故で亡くなります。死後、宮原宛に手紙が出てきます。5年分の薬はあるから自分が死んでいたら警察に行ってその間に開発してもらえ、という指示だったのですが、宮原は――。瞼を閉じないと会えない存在になってしまった寂しさがあります。切ないのですけど、つい読んじゃうという作品でした。